夢路と歌
* スランプだ・・・。
「さてと、寝るか」
ユウはバサッと布団を被る。
「おやすみ~。z-.z-.」
―*―*―*―*―*―
・・・・・ここは・・・どこだ?・・・・
―――・・・とおりま~せ とおりまぁせ~
ここはいずこのどこなかなれば~
鬼の元へと 続く~夢道~
ご意見ご無用~ 来られるとても~ ・・・―――
・・・何だろう? ・・・この歌、すごく気になる・・・
カラン、コロン。
『行きたいなら行けばいい。
逢いたいならば逢いに行けばいいじゃない。』
「〈誰!?〉」
突然声を掛けられ、俺はバッと後ろを振り向いた。
「〈えっ・・・・・ソラ?〉」
声のした方ランタンを提げ持ち、どこか楽しそうに、面白いものを見つけた、とでも云う様に口元に笑みを浮かべてこちら見るソラ(?)がいた。
何故(?)なのかというと、そのソラ(仮)の服装と態度が要因だ。
まずは服装だが、布の端に一列に淡い紫のラインの上に唐草模様が入ったフード付きのローブの様なマントのような白い衣を纏い、そのフードを頭に被っていて顔はあまり見えないがソラだと・・・思う。
白い衣の下には着物を着ているようである。
そして靴は紅い下駄を履いている。
さっきのカラン、コロンという音はこの下駄の音だろう・・・。
次に態度なんだが・・・うん。どっか初対面というかそれに近いものに向けるような感じなんだよな・・・・。
でも、雰囲気とか顔とか色々と同じでこれはソラであると俺は思ったわけ。
『・・・くすくすくすっ。残念♪
私はソラじゃない。あの子じゃないわ。』
・・・え?
「〈(あの子?)・・・何言ってるんだ。
その顔といい、その終始楽しげな様子といい、雰囲気といい、お前はソラだろう?〉」
『フフフッ、アハハハハ。
だから違うって言ってるじゃない。
あの子が私に似ているのは認めるわ。だって、
私と空とついでにまい(・・)は根本的に一緒。
私達は他の者達よりも近い存在なんですもの。
でも、僕が空に似ているのではなく、ソラが僕に似ているの。
そこを間違えないで下さんし。』
歌う様に白い衣の子は言葉を紡ぐ。
「〈ふ~ん?・・・よくわからないが、ソラじゃないならば君は一体誰なんだ?〉」
その子は唇に人差し指を当てて、
ニヤリと妖しく妖艶に不気味に哂って応える。
『・・・ヒ・ミ・ツ・だよ。
それにしても、良いの?
こんなとこでボクとなんかと話してて・・・』
「〈・・・どうゆう意味だ?空もどき。〉」
『・・・ソラもどきとは・・・、酷いなぁ。
まぁ、いいか。・・・教えてあげる。
此処は夢中、夢の道。あの歌の通りの場所。
早くせねば朝が来て、道は閉じられ、目は覚める。
其は一時の夢の終わりを指し示す。
あの子は待っている。
君が来るのを待っている。
君が来るのを無意識にずっと待っている。
君が其処元へ来るのを・・・。
君ならいけるだろう。
君は其処元へ行くのに相応しい資格を持っているのだから。
♪さぁさ、美人を待たせちゃいけないよ?
心惹かれるのなら尚更さっ♪
さぁさ、早くお行きっ♪
歌の聞こえる方へ 心惹かれる方へ
近づけばあの子の歌が聞こえる。 あの子だけの歌が・・・。
そうそう、「薬」に気を付けて。
盛られりゃ骨抜き♪
夢に住む 鬼に弄ばれて
三日は帰ってこれなくなりしんすぅ
さぁさ、早くお行きなさいな。
あの子の元へ 心惹かれる方へと生きなんし♪
夜は長けれど時は短し
ここは夢中、夢の道~ 夢の館へと続く道~
楽しみながらも
とおりゃんせ とおりゃんせ~・・・―――』
歌い終わると白い衣の子はす~――――っと消えていった。
怖っ!
なんだったんだアイツはっ!?
何がしたかったんだ!?
―――・・・おいでまぁせ おいでまぁせ~♪・・・―――
おっと、とりあえず歌の聞こえる方へと行ってみますか。
何だかいいモノに出会えそうな気がする・・・♪
―*―*―*―*―*―
スゥッ
『僕がしたかったのはドッキリと茶々入れ、それと・・・忠告だよ。
じゃあまたね。 夢旅 優クン♪』
白い衣と着物を着た少女はまた、スーーーっと消えていった。
―*―*―*―*―*―
ん?誰か呼んだか?
っと、そんな事よりも歌の聞こえる方へ早く行こう。
スランプだ・・・。
・・・追記:ノアとソラはとっても姿が似ているのです。
声さえも・・・・・。




