ユウと【黒猫姫】と望月と
「・・・と、いうような感じで主達はそなたを見つけてこの国に送って来たそうな。(ズズッ)」
そういったのは【黒猫姫】黒猫まい。
彼女は、【月の国】月夜国の現国王であり、月の猫族の二代目族長であり、妖族の族長である【妖姫】雪那を義姉に、夜兎族の族長である【兎姫】(本名不詳)を義妹にもつ女性である。
そのまい姫は今、月の国の王城である【紅月乃館】の、謁見の間の奥にある(木製)テラス(?)にて、この話の主人公(一応(笑))であるユウ少年と机を挟んで向かい合って座椅子に座り、膝に黒猫のユエを乗せ、時々撫ぜながら、お茶を飲み、ユウ少年に、【主】ノアから聞いた、ユウが知らない、彼がここに来るまでの経緯を話して聞かせていた。
つまり、今この場には、ユウとまい姫と黒猫のユエがいて、何故この世界のこの国に来ることになったかの状況確認ってとこかな。
因み(ちなみ)に、ユウと一緒に館に来た天津空は、今は仕事中。というか武官を扱き中。ついでに無双中。只今、屍(?)の山を築いております。黒猫・クロネ=クロナ(郵便配達屋)は街を駆けずり回り、只今、溜めこんだ分の仕事(郵便物)を消化中である。
だがそれはおいておこう。
『・・・・・・・はぁっっ?!えっ、ちょっ、待って!事故ったって!?え?!え?!何?俺もしかして今、殆ど魂だけの状態っ!?しかも俺の祖先がこの国出身で、俺はその先祖返りだぁっ!?意味わかんねェよ!!マジで!!それ、嘘じゃねェの?!』
「ふむ。意味がわからなくともわらわは別にかまわん。わらわはそなたに先の事を告げ、今後の指針の様な物を示せ的なことを言われただけじゃ。嘘はついとらんよ。(ずずっ)」
ユウは予想外のことに、驚いて慌てふためき、嘘だ、信じたくねぇ、と叫ぶ。が、それに対し、まい姫は、我関せず、頼まれたことをするだけじゃ。という風に、呑気に茶を啜る。彼女の膝の上のユエは欠伸をし、《まい(姫)がこんなことで嘘をついて如何する、そんなウソ、つく訳が無いだろう?お前、(頭)大丈夫か?》とでも言いたそうな少々呆れ気味かつ可哀相なものを見る目を彼に向ける。
『っ、うぅっ、そ、そんな目で俺を見るなっ!黒猫!俺は可哀想じゃねぇし、残念な物でもねぇっ!!』
ユウは頭を抱えて効果音をつけるならばウガー!!とでも言う様に突然叫ぶ。
当のユエはユウのその様子にキョトンとしている。黒猫のユエはユウの言う様な事など思っちゃいない。話を聞いて、《可哀想に。えらい目に遭ったなぁ。》と思って、憐れんでいただけだ。なので、ほぼ完壁にユウの思い込みだ。被害妄想なのだ。だから、
「何を急に訳の分からないことを。誰もそんな事は思っとらんよ。・・・とりあえず、茶でも飲んで落ち着きなさいな。」
と、まいが言う。
そしてユウにずずいっとお茶を差し出す。もちろん、既に出してあった彼の分のお茶を。
『(ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、)っはぁ。(コトッ。)・・・おいしい。』
ユウは差し出されたお茶を飲んで和む。
「ふふっ。そうかえ、そうかえ。・・・落ち着いた?」
まいはちょっぴり嬉しそうに笑って尋ねる。
『ええ。まぁ。・・・ところで、さっきの話がホントだとすると』
「嘘は言っとらん。・・・それとも何か?ぬしはわらわが嘘をついたと申すのか?ん?」
『いっ、いえっっ!滅相もないです!!』
まいがユウに凄んでみせると、彼は首と手を今にも千切れそうな程、横に振って否定した。それを見て、彼女は満足したように頷き、
「ふむ。ならば良い。で、続き、話して。」
と、先を促す。
『はい。さっきの話に出てきた、双子と【主】というヒトの俺に対する扱い、・・・・・何気に酷くないですか。』
気絶している俺をつついてみたり、放り投げたりとか、さぁ。
ひどくね?
「あぁ~~~。・・・おほほほほっ。うん。【主】らのおぬしに対する扱いはきにするな。(ボソッ)面白いし。」
ユウの質問にまいは一旦誤魔化そうかとも思ったが、失敗して止め、
言葉の最後に本音をボソッと言った。
『えっ!?』
今、ボソッと言った。面白いって言った。
全然面白くなんてねェよ!
つか、やっぱ扱い酷かったんじゃねェか!
何気に嫌だぞ!それ!
「まぁ、【主】も【鏡の双子】もこの国の者は基本、娯楽主義者だからね。諦めた方がいいよ。」
・・・・・え?・・・今の、何処から声が聞こえた?
あれ?俺、目と耳がおかしくなったかなぁ?
聞き間違い(ききまちがい)の見間違い(まちがい)だよね?
まい姫さんの膝の上に座る黒猫から、若い男の声が聞こえてきたなんて・・・・・・・・・・。
あの黒猫が喋ったように見えるなんて・・・・・・・・。
アハハハハハハハハハ!!
「おい。言っとくが、見間違いでも何でもねぇぞ。さっきも今も喋ってるのは、間違いなんかじゃなく、この俺だよ。意識を飛ばさず、現実をみなよ。」
『っっ!?ねっ、猫が、しゃべった!?』
「ソラから聞いてない?この国に住む者達の殆ど(ほとんど)は、本来の姿とは別の姿に変幻自在になる事が出来るの。取れる姿の数は変身する者の力量によりけり、なんだけれどね。だけど、自分が属する種族を象徴する姿と、人型くらいは物心ついた頃くらいには誰でも、最低なれるようになってるわね。」
『・・・聞いてねぇよ。』
忘れてた。そういえばここ、異世界だったわ。
流石異世界。俺の常識は通用しねぇって事か。
そういえばソラが、人魚とか精霊とか、他にも色んなファンタジー生物が居るって言ってったっけ?なら、魔法とかあんのかなぁ。
この変身術、俺もできるかな?
「なり方を知っていればユウ君でもできるんじゃないかな。だって先祖返りなんだろ?」
黒猫がまいの膝から降りて、彼女の横の開いている席に行く。
「ええ。そうらしいわね。この国では、変身は結構簡単な術だし、やり方はなりたい姿を思い浮かべて(想像して)“気”や“妖力”または“魔力”などのそれぞれに備わる“力を体に循環させるように巡らして、それを維持させるだけなんですもの。やろうと思えば出来るかもしれないわね。」
「元々はこの世界の三つの大国の内の一つである【陽の国】太陽国の民だった俺や、この国の外からきて、ここに居ついちまった奴らでも出来るようになったし・・・よっと」
黒猫は掛け声とともに姿を変える。
するとそこには、髪の先が肩位まであるつやのある黒髪で、長身で引き締まった体をし、涼やかで優しげな目と風貌で、年の頃21、2歳くらいの、黒っぽい着流しを着た、色気のある美青年が座っていた。
「これが俺の本来の姿だ。さて、改めて自己紹介をしようか。俺の名前はユエ。望月 月。肩書としては、【黒猫姫】黒猫まいの夫で、国王補佐で、【陽の国】太陽国の王族ってところかな。よろしくな。ユウ君。(ニコッ)」
『あ、えと、よろしくお願いします。』
いや、もう驚きすぎてお腹いっぱいだよ。どれだけ驚けば言いわけ?
まい姫さんの膝に乗っていた黒猫は、人間で、美青年で、まい姫さんの夫であり、王族で国王補佐でした、ってか。
なんかここに来てから、お偉いさんに会いまくりだなぁ。
つか、目の前、まい姫さんとユエさんが並んで座ってるんだけど、お似合いの夫婦って感じで、仲がいい雰囲気が出ててるうえに、二人とも美人だから、すっげえ眼福。
何だか微笑ましい光景。
「ありがとう」
『いえいえ。・・・・・ん?あの、心読みました?』
「さぁねぇ。」
~*~*~*~
後日、俺はこの時驚きで聞き流していた変身術に助けられることになるのだが、それはまた別のお話。
今はただ、異世界のありえなさと現状把握に必死なのであった。
・・・やっぱ駄文だな。
自分で言うのもなんだが、駄文だよ。
書いてて自分で自分がわからなくなる。
何が面白いのか、面白くないのか、
何が良くて、悪いのか、
境界線がわからなくなる。
…困った。コマッタ。




