ログ#1「墜下」
1回話あたりの文字数は3000弱を予定してます。
凄まじい衝撃と音に光、遅れて痛みが体に走る。
浮遊感の後、激しく何かに打つかる感覚に襲われる。
轟音で墜落した事を、重力があるを実感している間に木々や岩を薙ぎ倒し止まった時には全身が悲鳴を上げているのが容易に分かった。
土煙で周りが見えず体は指の先の1つまで動かす事が出来ず折れ曲がった不恰好なポーズを取る全身を知る由もなく呼吸が荒い事だけが現状を理解させた。
そんな彼のボヤケた視界に映るのは呆れる程に綺麗な青空だった。
それを最後に意識を失った。
◇◇◇◇
覚醒と共に吐血する。
クチで息を吸い、目が開く、遅れて血を吐き口元を拭おうとしてヘルメットをしていた事を忘れ腕がフェイスシールドに触れる。
起き上がろうとするも激痛で上半身を立たせるのがやっとだった。
『今、何時だ?
ここは何処だ……いやどれ位、気を失っていた?
うーー脳震盪は?』
目眩や疲労感で上手く体が動かず倒れるように地面に仰向きになる。
ディスプレイに表示されるバイタルが危険を告げている。
『『おはようございます少佐。
脳震盪の問題はありませんが貴方の全ての疑問に答える前に直ちに予備宇宙艇に避難して下さい。
息をするのも一時的に止める事をオススメします』』
その問い掛けでヘルメットに罅が入っているの事に気づく。
『一層までか、……割れては無いが急を要するか』
『『はい。』』
『そっちの操作で出せないか?』
『『私にその権限は与えられていません』』
(そうだったな。
まだ混乱してるな、全ては後回しか)
NSとの会話で現状把握を遅らせ自身の生命を第一に行動を開始する。
仰向きのまま左手を右腕の手首に伸ばし操作すると宇宙艇が出現する。
その勢いと風圧で転がり、ダメージも負うが、ゆっくりと着地してタラップが降りると小型のロボットがやってくる。
地面近くを浮遊するロボットは彼を担架に乗せて船内に入った。
エアロックされるとクリーン・ルームではエアシャワーでレゴレスやデブリを取り除き、次は裸になる。
その際に天井から移動してきたアームに今まで着ていた物を渡す。
謎の苦痛に耐えながら何とか歩く。
冷水で頭の先から爪先まで入水では除菌や無菌洗浄が数度行われ規定値をクリアするとインターロックが解除されて、やっと船内に入室が無事完了した。
「また吐血か…………。
アストロスーツはどうなった?」
『『原因解明及び修理のため検査中です』』
スーツから聞こえてきていた音声と同じ音声が船内に響く。
「で?
この体の方は?」
『『少々お待ちを。
体内スキャン完了。
チェック。
5分程掛かります』』
「分かった。
船体をカモフラージュ・光学迷彩の開始。
俺も解析に加わるデータをARに出───」
バタッ!!
彼は座っていた椅子から倒れて身動きが出来ないでいた
「ん"あぁぁ。
どうなってる」
低く唸り、声を出すのもツラくなる中、床に頬を付けながら喋って問い掛ける。
『『少佐の体が限界に近づいているようです』』
「‥‥‥早いな。
クチで喋るのも億劫だ。
キバーリンク・モード起動ッ!」
『『『確認しました。』』』
(喋るにも呼吸と体力を消費するからな。
最終手段だ………此れ、やると頭痛いんだよな〜)
『『要因は空気内だろ?
此処が何処かは置いておくとしても未知のウイルスの可能性が高い。
密閉している宇宙服に侵入した原因は?』』
『『『ヘルメットへの深い損傷は有りません。
他、ボディ部分も同じです。
バイザー・フェイスシールドの罅は表面の一層までです。
そこからスーツ内に空気が入った跡は見られません。』』』
彼等は思考を加速させ電脳・電波で0.001秒で人類では発声ない言語で行っていた。
それを可能とするのは彼が強化改造率 60%の人間だからだ。
人類が移民として宇宙に進出して月から火星、そこから更に別の星を見つけるまでに人間は宇宙空間への適応を改造という手段に頼った。
最初期は後天的だったが宇宙時代に産まれる世代に突入すると先天的に遺伝子操作が、そして現在ではデザイナーベビーが先天的に適応手術となるとサイボーグ化等の改造は後天的のみの趣味のレベルに落ち着いた。
それから数百年、新たなる惑星に根を付け生活地盤が安定すると次々に惑星を開拓してゆく。
そんな中、所謂所の宇宙人との接触を必然だった。
友好関係を築ける知的生物から対話不能の存在まで1度の邂逅からは雪崩のように続々と宇宙人と遭遇するようになった。
攻撃的な宇宙人に対抗するための戦闘用の改造は軍人に義務化され通常の10%〜20%の規定を大幅に超えて50%以上を強化する迄になっていた。
『『船内の空気はどうなってる?』』
『『『完全に外と遮断し電気分解して生成している空気のみです。
少佐のバイタルが危険域です。
ナノマシン注入しますか?』』』
『『待て。
俺の身体の中に未知のウイルス等が残っているのが原因なら寧ろ現テクノロジーのナノマシンじゃどうなるか分からない。
酸素タンクは温存。
清浄循環もしなくていい。
船内を宇宙空間(真空状態)と同じにするぞ』』
『『『正気ですか!?
少佐の体が持ちませんよ?』』』
『『死んだ時はその時だ。
人造人間を用意しろ。
意識をそっちに移す。』』
『『『危険です。
軍務規定を違反します。』』』
『『甘いな。
注意しているだけで違反はしていない。
銀河法じゃあ、かなりグレーなんだが……まぁ危険なのは確かだな。
通信で操るに留めておくよ』』
『『『はい、そのように。
それでは真空状態にします。』』』
『『カウントダウンはいいから、もう始めろ!!』』
彼の体は痙攣等を始めて限界が近かった。
時間が薄められたように加速している会話で行き詰めた答えの先に彼は痛覚を無効にして宇宙空間を再現した船内で原因解明の手術を開始した。
『『『心臓を一時的に停止しました』』』
『よし始めるぞ……………。
摘出完了、密閉保存。
視界をズーム、………これは?
バクテリアやウイルスじゃないぞ。』
『『『酸素内に含まれている新種の粒子です。
ですが生きているような動きをしています』』』
『微生物じゃなく生命でも無いが意思を持った新種の粒子か…………。
解析開始。
対抗策なりを作るぞ。
これは忙しくなるな。
俺が死ぬのが先か、どっちだろうな』
『『『あまり褒められた言葉遣いでは有りませんね』』』
『ふっ、自分のことなんだ。
別にいいだろ?
なんならコールドスリープでもしてみるか?』
『『『ご冗談を。
完全な蘇生方法としてはオススメしません。』』』
『AIにはジョークも使えないな』
『『『AIは蔑称ですよ。
それに私としては十分に乗ったつもりでしたよ』』』
『分かってるさ、ここまでセットがこの話のピークだ』
『『『少佐もそうならないとよいですね』』』
『1本取られたな』
◇◇◇◇
◇◇◇◇
地球型惑星、我らが古き母星と同じ環境或いはそれに近い惑星はそう呼ばれる。
アンドロイドの体を操作しながらARで映し出された情報を眺める。
酸素が有り水が有り大地や空もある。
有機生命体が生活出来うる環境のことだが、この俺の異常は、どうゆう訳か空気中に紛れて酸素・二酸化炭素と共に体内や血管内に入った未知の無機生命体らしき何かに適応でき無ければ死ぬ運命が待っているだけだ。
治療室にいる自分自身に機械のカメラレンズをやって戻す。
今はやるべき事をやるだけか…………死ぬその時まで。
(記録)1話
1日に2回投稿します。




