危険人物の先輩
セクハラ先輩の名は物部。
この人物はヤバい。
僕が知ってる噂だけでも相当ヤバい。
中学の頃、一番人気の女子を肉便器にして捨てたとか、気の弱い女子を遊び倒した挙句仲間に1時間1万円で回したとか、高校生なのに風俗に通ってるとか通じてるとか、警察沙汰を親の金でなんとかしたとか、校内で暴力沙汰の過去もある。
黒い噂が絶えない人物。
そんな物部に亜沙はロックオンされた。
亜沙に言い寄る男は沢山居たが彼等ですら物部にはドン引きした。
「付き合って」「ウチに来て」「海に行こう」「夜景を見よう」「肩を揉んであげる」・・・・・・・・
「下着頂戴」「胸を見せて」「ハグしよう」「オイルマッサージしてあげる」「撮影会のモデルを」「ヤらせて」「見せるの幾らならオッケー?」「胸触らせて」「いいかげんヤらせろ」・・・・・・
エスカレートする一方だった。
そして常に思い悩むような亜沙の表情。
ある晴天の日、窓から一人外を眺める亜沙に声をかけた。
婚約者であることは伏せてただの知り合いである僕が声をかけることはあまりない。なるべく普通に会話する。
「何を見てるんです?外になにか居ますか?」
「なにも・・」
そう言ってから亜沙は体をぐいと起こした。
その姿すら美しい。だがそれがあの男を焚き付けてしまったのだ。
亜沙は一度僕を見て再び外に視線を戻す。特に珍しいものがあるわけじゃない。ただ見てるだけ。そして数分そのまま。
「もういいわ」
そう言って亜沙は自分の席に戻って次の授業の準備を始めた。
数日後、物部先輩の家の近くで亜沙が物部先輩に肩を抱かれて歩いてる姿が目撃された。しかも複数回。
そして亜沙に対する物部先輩の校内での執拗なセクハラはぴたりと無くなった。




