肩揉み
「森川ちゃん、今日も綺麗だね〜〜学校に来たら森川ちゃんと会わないと僕死んじゃう! あ、肩凝ってない?揉んであげるよ、マッサージ得意なんだ。う〜ん、これは凝ってるねえ〜森川ちゃんはお胸が大きいからね余計にねえ〜」
今部室で先輩にセクハラされて窮地に苦しんでいる森川亜沙は僕の婚約者。これはふたりだけの秘密。
もう昔のことで経緯は正確に覚えていないけれど、小さな頃から仲良しで小学5年の頃には婚約が決まっていたと思う。駅前の大きな建物でのパーティーで遂に僕らふたりの念願の結婚(婚約)が決まったんじゃなかったかな。
亜沙には「美人」ではなく「美少女」とう言葉がふさわしい。
現在高2だが中3くらいに見える。やや低身長で小顔、さらさら過ぎるストレートヘアは肩下まであり、見るからに清楚系美少女。しかも押しに弱そうな大人しい喋り方は亜沙の視覚的防御能力を弱めた。
高校入学時から制服で押し隠されていた美乳は体育の時間に暴露され、それは多くの男子にロックオンされることになった。爆乳というほど大きくないが走るたびに大きく動く体操着の前方は男子を狂乱させた。クラスや同学年でもっと大きい子もいるが亜沙が可愛い子なので余計に注目された。それがいかにも押しに弱そうなか弱い女子だとすれば眠っていた狼の群れを起こすのは当然だろう。さらにそれはクラスの外にも知れ渡った。そして一番ヤバくキモい狼が亜沙をロックオンした。
そして亜沙は今、部室でそのエロチャラい先輩にセクハラのお約束「肩揉み」攻撃を受けている真っ最中。そしてセクハラ先輩は肩揉みと称して亜沙の服の上からブラの肩紐をつまんで上げたり下げたりして大変お楽しみである。ここ部室には僕を入れて数人の男子がいるが誰も注意できないでいる。皆2年と1年だからだ。3年は先輩一人。流石に校内でレイプに発展はしないだろうが皆戦々恐々としている。亜沙も顔を伏せて嵐が去るのを必死に願っている。ただ座ってるだけの他の男子は先輩の手の動きに同調して上下する亜沙の胸から目を逸らすしかない。視線こそ逸らしているが心は囚われっぱなしで下半身は暴走中でひたすら座ったまま隠すしかなかった。セクハラ先輩はその僕らの状況も楽しんでいるに違いない。
この先輩のセクハラはもう何度目だろう。しかも少しずつエスカレートしている。最初こそ遠回しな表現の言葉だけだったのに今では・・
亜沙は身持ちが硬い。
僕とは婚約関係にあるが男女間のことは結婚まではしないと明言している。僕もその日まで待つつもりだ。そして亜沙も男子と気軽にボディタッチするような性格じゃない。だからこそ今の状況は地獄だ。僕ですら亜沙の肩に触れたことはないのに。
亜沙に声をかける男が急増した頃、男避けに二人の婚約関係を公表するかどうか話し合った事があったのだけど、彼女は普通の女子で居たいと拒否した。しかしそれは正しくなかったのでは?確かに僕はただの目立たない男子で、弱くて隠された戦闘力があるわけでもない。亜沙はひょっとしたら僕に八つ当たりや攻撃が行くのを見越して言わないことにしたのかもしれない。
「森川ちゃん、帰りに何か食べに行かない〜〜?」
エロ先輩のデートのお誘い。行けば絶対碌なことをしない。まだ何かする気か!
チャラ先輩は周りに数人いるのにそれを無視して亜沙だけを誘う。
怒りが僕の頭に圧縮されていく!
その時、亜沙のスマホが小さく鳴った。
亜沙はスマホの画面を秒で見て先輩の手から逃れるように下方向から逃れ数歩距離を取った。そのまま手で肩のあたりを整える。多分ブラ紐位置を直したのだろう。
「あ、用事が出来たので帰ります。お先に失礼します!」
亜沙は脱兎のように部室を出て行った。




