イヌマキの抱負
こんにちは、イヌマキです。作戦会議の後くらいしか私が語る余地がなさそうなので、ここで少しお時間を……。
私がこの事故物件完全攻略サークル『奥の院』に入部してからはや一か月。時の流れは速いものですね。右も左もわからなかった初めての作戦会議、更に謎に満ちた素っ頓狂な初陣……。そこから幾度かの作戦を経験しました。いやはや、この世にはこんなにも事故物件が存在するのかと、このサークルに入部してから痛感しています。ロケーションとなる物件は様々、敵対する霊も老若男女問わず十人十色。起こる現象も、それによって取らなければならない対策も千差万別でして……。事故物件攻略は、出される課題に対し、それに見合った対策を行いながら盤石に勝利を勝ち取る、いわば知的遊戯的要素を私に感じさせます。
そんな困難と恐怖に満ちた戦場でも、『奥の院』の素敵なメンバーの皆さんは一糸乱れぬ連携で悪霊を撃退していくのです。圧倒的リーダーシップで味方を統率するイチジョウさん。霊に対して過剰なほどの挑発力と精神攻撃力を持つミツメさん。医療知識と心霊知識で味方のダメージを癒し、独特のテンションで周囲の精神衛生までもケアしてくれるニノツキさん。無口ながらも情報収集とメンバーサポートに長け、何より絶品のおむすびを大量に作ってくれるヨツツジさん。全員が全員の持ち味を生かして敵を退ける姿は、まるで少数精鋭の特殊部隊です。なんてかっこいい。
恥ずかしながら、私はこの方たちに比べると、雀の涙ほどの活躍もしていません。今回は皆さんの役に立たなければ!と意気込んで突入するものの、いつも迷惑をかけてばかりの自分に嫌気がさしてしまうのも無理ないでしょう。元々は普通のサークルに馴染めず社会から排斥され落ちこぼれていた身、薄すぎる人生経験しか持ち合わせ居ないこの私に何ができるのかと問われると、何もできません。そんな体たらくで少数精鋭に混ざるつもりか、と叱責されそうですが、その通りです。返す言葉もございません……。
近々大きな作戦があります。四国地方のある物件です。強大な力を持つ霊が、しかも複数体出現するとのことです。状況を想像すると足が震えて仕方ありませんが、何とか無能のレッテルを張られる前に、機転を利かせた行動で皆さんの役に立ちたいと思っています。
では、また。




