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こんばんは。

 こんばんは。皆様、お久しぶりです。


 奥の院に入部させていただいてから十か月ほどが経過したイヌマキです。活動報告3「宵山作戦」では、私が独白する時間は与えられませんでした。まあ確かに、私の戯言に割く時間がなかったのも事実です。あれは、本当に忙しい作戦でした。


 先ほど鶴岡市での作戦で、私は恐れ多いほど先輩の皆さまに褒められて頂きました。確かに、初陣の時と比べると幾分か、恐怖だったり恥だったり、「こんな方法で意味があるんだろうか」といった疑問なんかは払拭できたように思います。しかしです。先輩方を見ていると、やっぱり私なんぞまだまだ未熟な子犬であることを痛感します(子犬と言うのはただの比喩で、決してハンドルネームのイヌマキと掛けたかったわけではありません)。しかし先述のとおり、皆さまの役に雫程でも役に立てているのであれば、嬉しい限りです。


 しかし改めて考えると、先輩方は皆四年生。共に作戦を行う時間はそう残されていません。フセミさんも今年留年してしまうと大学を追い出されてしまうらしいので、奥の院に残るのは私一人ということになってしまいます。そういう話を先輩方としたことがないので、どういう方針を取られるのかは分かりません。新一年生が入ってきてくれるというのが最も安泰な流れなのでしょうが、一年に一人入部できるかわからないようなサークルなので(ナルユメさんが言っていましたが、イチジョウさんたち現四年生の代が異常だったそうです)、都合よく新たな仲間が加わるのは期待できません。かと言って、私一人で事故物件の霊と戦うなんて言うのは、もっとありえません。


 今後、そういった方針を話し合われるのでしょうか、それとも私がいない所で着々と話し合いと準備が行われていて、私を一人でも霊と戦える狂戦士に仕立て上げるカリキュラムを用意されていたりしたらどうしましょう……。私にそんな勇気はございません。


 しかし、奥の院のこれからのことももちろん心配なのですが、私としては、あと三か月ほどでイチジョウさん、ミツメさん、フセミさん、ヨツツジさんとお別れしなければならないという事実が、最も辛いのです。私、元々根暗な性格なので、この四人の先輩方以外、大学で話せる方がいません。更に学部内では「訳の分からない怪しい除霊サークルに入った女」としてのレッテルを張られ、私に近づこうとすらしないのです。訳の分からないというのは返す言葉がないので認めましょう。しかし怪しいというのは、甚だ納得できかねます。そういう陰口が耳に入るたびに、思い切り否定してやろうかと思うのですが、「ミツメさんならこんなの、笑い飛ばして終わりだろうな」と思いながら耐えています。


 だからこそ、私はこれからどうして行けば良いのか分かりません。


 でもだからこそ、これからどうしていけば良いか分からないからこそ、私はイチジョウさんたちの卒業までに悔いのないように活動するしかないと思うのです。時が来たら覚悟を決めればよいだけの話なのです。しかし、いずれ来るその覚悟の辛さは、今先輩方と過ごせば過ごすほど、大きくなってゆきます。何とも難儀なものです。



 いずれ来るであろう奥の院の皆さまとのお別れすらできなくなるかもしれない大事件の始まりは、鶴岡市から帰還した次の日の事でした。


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