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爆乳ハーレム島の錬金術師  作者: 生姜寧也


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92/339

92:奪い合いはダメだね

 不幸中の幸いだったのが……湯気で視界が万全でないこと。更に全員が温泉の端へと散らばったこと。

 これで俺もある程度は欠片探しに集中できる。というワケで、温泉の端っこから中央に向かって探していくことにした。


「しかし、うまい具合に岩の壁が出来るモンだなあ」


 岩垣が湯船の外周を形成している……というより、「岩間から噴き出した湯が、周囲の岩を蹴散らして隅に追いやった」が正確かも知れないな。まあとにかく、土とかが流れ込んで汚らしい感じになってないなら何よりだけど。


「金色の光が~~底に無いか目を凝らしてね~~」


「分かってるんだよ~~」


「了解よ~~」


 母娘もフィニスと同じく語尾が伸びてるのが、ちょっと面白い。俺の方も了解を返して、その後は集中して温泉の底へと目を凝らす。湯自体は透明で、深さも俺の太ももくらいまでしかない。金色の光なんて場違いな物があれば、恐らく見落とさないだろう。


「……」


 水底を慎重に見つめながら、ゆっくりゆっくりと中央へ進んで行く。無いな。こっちの方は外れか? 俺自身が見つけられたら、商品の件は有耶無耶に出来るんだけど。他の誰かに取られたら……その相手と同じベッドで眠ることになるんだよな。

 

「暴発だけで済めば御の字ってとこか」


 無理矢理は絶対ダメだけども。相手が寝てる間に、こっそり体に擦り付けるくらいの過ちは有り得るんよな。キスしたり、おっぱい揉んだり、ダイブしたりは許されてしまってる現状。言い方悪いけど、徐々に調子乗ってきてるのを自分でも自覚してるし。ちょっと擦らせてもらうのも延長線上で許されるでしょう、みたいな。


「いやあ、いかんいかん」


 倫理的にもダメだし、スティックを見られる危険もある。やっぱり回避すべきだ。

 添い寝しても俺が性欲をコントロール出来れば、それが一番良いんだけど……まあ無理筋だよな。

 って。ん? あの光は……


「アレか?」


 少し先に、小さな光が見えた。太陽の光を受けて、キラキラとしている。水中からの反射光だし、湯気も立ってるしで、それが金色だと断言はしにくいんだけど。色合い的にはそれに近いように思える。

 ジャブジャブと音を立てて近寄っていく……その途中で。


「あ!」


「あった~~」


「見つけたわ!」


 左右から女性陣も爆乳を揺らしながら、駆け寄ってくる。プールの中でウォーキングしてる人の隣レーンで泳ぐような、強い波の抵抗を感じる。そして、みんなやはり、あの光を目指してるようだ。ヤバい。競り負ける。


「く」


 歯を食いしばって、波を押し返しながら進む。あと数十センチ。イケるか。

 上体を倒しながら手を伸ばす。が、突然視界の横から白い餅みたいな塊が現れ、


 ――ぼにょん


 顔が完全にめり込んでしまう。お乳だ、とは気付いたが、誰のものかも分からない。


「きゃ」


 シェレンさんだった。そして俺の手は空を切り、彼女はバランスを崩し。


「獲ったんだよ!」


 と、高らかに宣言するポーラだったが、横倒しになった俺たちと激突してしまい、


「うわ~~!」


 断末魔みたいな悲鳴を残してドミノ倒しに巻き込まれた。


「ひゃ~~!」

 

 フィニスも巻き込んだっぽい。

 俺の方は視界が水面へ移行し、顔からダイブしていく。咄嗟に彼女たちの衝撃を和らげようと、両手で誰かの体を掴んだ。感触的に、お尻と腰か? とにかく転倒の勢いを少しは殺せたと思う。そして、そのまま。


 ――ダパーン!!


 湯船に顔から突っ込んだ。鼻に水が入る。慌てて浮上。


 「かはっ! げほっ!」


 顔を上げると、デジャブのような光景が広がっていた。宙を舞う金色の欠片。キレイな放物線を描いて……湯を越えて地面へと落ちる。転々としたところを、


 ――パクリ


 鹿がキャッチしていた。

 それと同時くらいに、他の3人も起き上がり、


「ぷはっ!?」


「イタタ~~」


「みんな無事?」


 声を掛け合いながらも、周囲を見回し……自分たちが追っていた欠片が、鹿さんの口に収まっているのを発見した模様。


 ――フィー!


 最後に1つ鳴いて、鹿は近くの岩の上へ欠片を置いて去って行った。ケガをしていた個体もゆっくり立ち上がり、ヨタヨタとついていく。


「「「「……」」」」

 

 欠片争奪戦の勝者は……放屁鹿でした。


 ………………

 …………

 ……


 まあ、骨折り損の感はあったけど。取り敢えずは2個目の欠片ゲットということで。


「順調なんだよ」


「それじゃあ帰りましょうか」


 プルプルのおっぱいを揺らしながら、母娘2人が岸へと向かっていく。ズロースも当然ズブ濡れなので、ピッチリとお尻のお肉が浮き出ていて大変エロい。


「あ、待って~~」


 と。フィニスも歩き出したところで、急に膝がカクンと落ちた。慌てて後ろから支える。思いっきり乳房を鷲掴んでしまって、「ぬおっ!」ってなったが、理性の力で抑えつける。今はそれどころじゃない。


「大丈夫か!?」


「ありがと~~足挫いてたみたい~~」


 っとと。完全に俺にもたれかかってしまうフィニス。いや、そんな場合じゃないのは頭では分かってるけど、こんな肉厚な体を押し付けられるとね?


 そして。後ろ向きだと怖いのか、フィニスは片足を浮かせながら反転して、正面から抱き着いてきた。裸の胸同士が触れ合う。いやいや、なにこれ。マジで。え? 人肌のビーズクッション? 大きな餅? 

 ブニュウと押し付けられると、乳肉がはみ出してきて、腹の辺りまで柔らかな感触が広がった。ぽっちも当然、俺の胸元で擦れている。


「……っ! ……っ!?」


 とんでもない物量に、声にならない声を上げる。股間の相棒が一瞬でバキバキになった。

 これはマズイ。ノーハンドもありえる。

 だが、そこで。


「あれ? 2人が遅れてるんだよ」


「あら、どうしたのかしら」


 母娘が、立ち止まってる俺たちに気付いて戻ってきてくれた。

 良かった。フィニスを運んでもらえる。

 ……そんなことを考えていた時期が俺にもありました。

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