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爆乳ハーレム島の錬金術師  作者: 生姜寧也


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81:フィニスと物々交換した

 農園にトンボ返りして、フィニスにジャケットを渡す。冷えと母乳の関係についての推論も言い添えると、素直に羽織ってくれた。うん、中々似合う。ピンク髪の垂れ目美人がシャツの上にデニムジャケットを羽織って、下は膝丈くらいのスカート。うん。一気に現代的なファッションに近付いたな。


「な、なんか可愛いんだよ。ボクも羽織ってみたいんだよ」


「ダメ〜〜。これはアタシが貰ったんだから〜〜」


 ポーラの手から逃げてきたフィニスが俺に抱き着く。バルンバルンのおっぱいの感触。やっぱこの人のは輪をかけて凄いわ。


「これあったかくて良いよ〜〜。それでいて蒸れないし〜〜」


 それは良かった。今の気温くらいだと、ちょうど良い感じだろうね。


「けど、体の冷えか〜〜。そんな事でも、お乳って出なくなるんだね〜〜」


 もちろん、100%それと決まったワケじゃないけど、可能性としては考えられるよね。


「ちょっと思ったんだけど……それなら、もっと暖かい素材を手に入れたら良いんだよ」


「いや。そんな単純な話じゃなくてね。暑すぎても汗かいて冷えたりするから」


 とかく体温調節って難しいものなんだよね。現代日本ですら、みんな苦労してるし。


「多分、寒い日はジャケットを羽織る。普通の日も長袖シャツを着る、くらいかなあ」


 俺も専門家じゃないから、ハッキリとは言えんけど。ここで過ごした数日の体感としては、それくらいじゃないかなと。


「アキラって、凄く頼りになるね〜〜」


 フィニスがキラキラした瞳で見上げてくる。


「そうなんだよ。我が家は良い拾い物したんだよ」


 拾い物て。

 ……まあ、うん。大体合ってるか。


「やっぱりウチに住まない〜〜?」


「ダメなんだよ。アキラは家族なんだよ」


 拾い物だったり、家族だったり忙しいな。


「まあ……俺の方でも、また母乳に関して調べておくよ」


 調べるのは、腋ペディア係の女神さんだが。


「ありがとう〜〜。そうだ〜〜フルーツあげるよ〜〜。ジャケットのお礼〜〜」


 お。フルーツとな。そういや、こっち産のはまだ食べたことなかったか。

 バナナはあるのは知ってるけど、他はどんなモンだろう。

 と、そこで。


「クリーミスイカが良いんだよ!」


 ポーラがリクエスト。

 

「え〜〜? アレ、超高級品だよ〜〜?」


「デニムジャケットも、今はまだ島に1つしかない高級品なんだよ!」


 おお。強気の交渉してる。クリーミスイカという果物の相場は分からんが、確かにデニムジャケットだって激レアだもんな。


「う〜〜ん、そう言われると〜〜。分かったよ〜〜」


「やったー! なんだよ!」


 契約成立したらしい。結果として、普通に物々交換の形になったね。

 フィニスは農園の奥へと進んでいく。そっちは果樹園になってるらしい。待っていると、数分で戻ってきた。丸いスイカ……のような、メロンにも見える果物を抱えてる。お胸の果実と合わせて3つも真ん丸がある姿は中々壮観だった。


「……うーん。スイカの模様はないけど、メロンのギザギザもない」


 色もスイカとメロンの中間ぐらいだ。味は一体どっち寄りなんだろう。


「ちなみに、これって市ではいくらで売ってるの?」


「大1枚と中6枚だよ~~」


 16000円か。確かに超高級フルーツだわ。

 まあ、苦労して手に入れてきた素材(イケ綿)で作ったデニムジャケットだし、それくらいの値はついて欲しいのも偽らざる本音ではあるが。


「わ~い、なんだよ。クリーミスイカなんて年に1度あるかないかのご馳走なんだよ」


「ポーラは何もしてない~~」


「うぐ。でも……ボクも食べたいんだよ……」


 悲しげなポーラの頭をナデナデ。


「家族みんなで食べよう」


「わ~い。アキラ大好きなんだよ」


 背伸びしてきたポーラに、チュッチュとキスの嵐を受ける。しまいには子犬のように唇を舐め始めるものだから、少しくすぐったい。お返しに軽くおっぱいを揉んでおいた。

 

 フィニスと手を振り合って別れ、家に帰る。なんか行ったり来たりだな。ちなみに往復の間、雨は強まったり弱まったりしていたけど、止むことはなかった。今日は一日中こんな感じかもね。


「「ただいま~」」


 玄関扉を開けて中に入ると、椅子に座ってジーンズを縫っていたシェレンさんが顔を上げる。


「おかえりなさい。どうだった? ジャケット気に入ってもらえたかしら」


「バッチリなんだよ。そして代わりに」


 ポーラが半身を避けて俺を前に出す。当然、胸に抱えているクリーミスイカがシェレンさんの目にも留まって、


「まあ!」


 と、彼女にしては珍しく大きな声を出した。まあ16000円のお土産だからな。日本で言うと……ブランド牛のギフトセットくらいか? そりゃビビるわな。


「えへへ。アキラのおかげなんだよ」


「ジャケットと交換の形になりました」


「それは確かにアキラの稼ぎね」


 シェレンさんも編み物をテーブルの上に置いて、こちらへ近付いてくる。肩のハスを外してくれて、窓枠に取り付け直す。あ、そういうことも出来るのね。


「さ。座っていて。切ってくるわ」


 お礼のバードキスも貰い、言われた通りに椅子に座る。ポーラもハスを外して、シェレンさんを手伝いに台所へ。

 シェレンさんが体重を乗せながら包丁を入れた後、「う~ん、う~ん」と踏ん張る声が聞こえてくる。やがて、ガタンと大きな音がして、次いで母娘の歓声。

 

「さあ。いただきましょう!」


 シェレンさんもいつもよりテンション高い。よっぽど美味いんだろうな。

 玉を8分の1カットしたみたいで、俺の皿に4カット載ってる。遠慮と譲り合いの末、俺が3カット、2人が各2・5カットで決着した。


「それじゃあ、いただきます」


 パクリとかぶりつく。

 ん! これ……アボカドだ。甘いアボカド。もったりした食感と、上アゴの裏に残る濃厚な味わい。

 美味い。メッチャ美味い。なるほど、クリーミーなスイカ。けどメロン味も少し感じるんだよな。相変わらず、どっちかハッキリしないが。取り敢えず。


「美味しいわ~」


「とろけるんだよ~」


 3人まとめて恍惚とするほどの美味さだった。

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