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爆乳ハーレム島の錬金術師  作者: 生姜寧也


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57:キスフレみたいな

「ふう」


 葉っぱを大量消費して(申し訳ない)無事に子孫のなり損ないを吐き出した。

 ……正直、キスというものをナメてたよ。これもう、セックスじゃん。口唇(こうしん)という人体の中でもかなり敏感な器官同士を擦り合わせる行為。これもう、セックスじゃん。


「しかもこれ……2人とも気に入ったみたいだし、一緒に暮らしてたら……ちょっとしたお礼にメッチャすることになるんじゃ?」


 毎日がキス祭とかになったら、相棒が死に絶えてしまう。そのうちエスカレートしてディープなヤツとかに発展したら、もう。


 ディープキスかあ……どんなんだろう。普通のでも多幸感ヤバいのに、ポーラやシェレンさんのお口の中深くまで……あ、ダメだ。想像したらまた御起立を始めてしまった。手負いの腕を酷使してしまうのは良くないのに。こりゃ、明日はシャベルも持たない方が……って! そうだった!


「道路……アティに任せっきりだった」


 時刻は5時に迫ろうというところ。9時~17時の仕事と考えれば、ベストタイミングか。

 もう一度だけワンオペをしてから、俺はトイレを出た。


 




 家に戻ると、ポーラが飛びついてきた。室内犬のようだ。と思ったら、シェレンさんまで腕を取ってくる。元々スキンシップはある人たちだったけど、キスのおかげで更に気安くなったというか。体の距離と心の距離は相関関係、なんて聞いたことがある(童貞庁調べ)が、本当なのかもな。

 ……ちなみに、当然また御起立したよね。


「……ちょっと、アティのところに行ってきます」


 おっぱいサンドに包まれながらも、なんとか本題を切り出した。


「そうなの? ご飯までには戻ってきてちょうだいね」


「レンガを作るなら、ボクも持って行くの手伝うんだよ」


「それは助かるな」


「お手伝いしたら、キスしてくれる?」


 ん!? あ、そういうシステムになっていく感じなのか。俺からのキスも彼女たちへのお礼になるという。

 ……何それ、楽園じゃん。

 まあでもそうか。日本だったら男の俺が丸儲けだけど、この世界では性別の概念すら存在してないから。


「ちなみに、さっきお母さんとしてみたらどうなるか試したんだけど……」


 ゴクリと喉が鳴る。美人母娘の百合キスとか、界隈熱狂では。と思ったら、


「なんか抵抗感があって結局する気になれなかったんだよ」


 とのこと。ホッとしたような残念なような。

 

「なんでか分からないけど、アキラの時のポカポカ、ドキドキの気持ちにはならなかったんだよ」


 まあ普通に考えたら、近親&同性は無理よな。俺も父さんとキスしろと言われたら、ゲロ吐く自信があるし。


 「だから、アキラとだけすることにしたんだよ。でもキスはお礼だから……今度はボクが頑張って、してもらうんだよ」


 胸の内が温かくなる。俺とキスしたいから頑張ってお手伝いする。なにこの子、可愛すぎでしょ。こんなに真っすぐ慕ってくれるなんて。

 思わずギュッと抱き締めた。俺の方もスキンシップへの躊躇や遠慮がなくなってるのに気付く。頬を重ねてみた。モチモチとした柔らかさに、幸せを感じる。おっぱいも相変わらず素晴らしいし。


「なら私も夜ご飯を作ったら、キスしてもらおうかしら」


「え」


「良いでしょう?」


「は、はい」


 良いか悪いかで言えば、良いに決まってるけど。

 やっぱり予想通り、ちょっと何かしてあげる→お礼にキスという流れが(しかも双方向で)出来上がるみたいだ。日常の「ありがとう」が全部、爆乳母娘とのキスに成り代わる世界。なるほど、こりゃ環境チートだわ。


「えっと。それじゃあ、いってきます」


 ポーラに手を繋がれたまま、シェレンさんに見送られ家を出る。まあすぐ玄関先で錬成をするんだけどね。

 というワケでサクッとジェルレンガを作る。今度は少し多めに素材を採ってきた関係もあって、100近く出てきたよね。一度には運べないので、せっせと家の裏のスペースへ仮置き。30だけ持ってアティの下へ向かった。


 ………………

 …………

 ……


 日が翳り始めた丘の中腹。せっせと土を掘るアティの姿があった。白のタンクトップと青い髪の対比が眩しい。俺たちの足音を聞きつけてか、クルリと振り向いた。汗がアゴまで滴っている。


「アティ! お疲れ様。ありがとう」


 こっちも大変だったけど、彼女もよく頑張ってくれてたみたいだ。かなりの距離を掘り進んでるもんな。そりゃ汗だくにもなる。


「おかえり……無事……じゃない?」

 

「ああ。ちょっとね。けど大丈夫だよ。ケアケアジェル軟膏が効くから、また風呂上りにでも塗るよ」


 今日は隔日のお風呂デーだからな。


「良かった……心配……してた」


 こっちはガーゴイル戦に全集中でアティの方は忘れてたくらいだから、なんか申し訳ない。ワンオペ中に思い出したのも重ねて申し訳ないし。


「心配してくれて、ありがとう。危ない目にも遭ったけど……ほら」 

 

 ポケットから金の欠片を取り出して見せる。


「あ……ルナストーンの……」


「うん。あ、でも。他言無用でお願いね」


 エレザと話して、成果が確定するまで喧伝しない方が良いという結論になっていたのを、今思い出した。危ねえ。命の危機やら、キスやらワンオペやらで失念してた。

 ポーラにも言い含めておく。やや不満そうだったけど、「アキラがそう言うのなら」と最後には納得してくれる。


「まだもう少し針の筵になっちゃうから、ゴメンだけどね」


「良いんだよ。ボクにはアキラが居るし、お母さんやアティ、エレザも事情を知ってくれてるなら、耐えられるんだよ」


 健気な言葉に、また胸がキュッとなる。信頼を勝ち得ている確かな実感が嬉しかった。

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