308:もう1つの親子丼
だが、話がまとまったかというところで、
「あ、あの」
ロスマリーが口を挟んだ。
「責任云々の話をするのでしたら、その、ワタクシも……」
「いや、だからウィドナの件に関しては、気に病む必要は無いって……」
言いかけたところで、ロスマリーはフルフルと首を振った。
「アキラの話を聞いてからずっと考えていたのですが。操られるのにも素地が関わってくる。アレだけ深く乗っ取られているということは、祖母にもそれなりの思想があったということだと思うのですわ」
「それは」
言われてみれば、確かにそうなのかも知れないな。
クローチェやエレザといった才能ある子供を、幼少期から見出し、恩を売って手駒にしようとしていた。そしてここに居るコレッタもまた、その妄信を解くことはしてこなかった。
これらは全て、床オナの畠山に取り憑かれる前の話だもんな。
「元から独裁、強権を振るいたいという願望は強くあったということか」
ロスマリーが頷く。
「とはいえ、やっぱりそれでキミが罪悪感を覚えることじゃないよ」
「そうだよ。アタシは自分の教育失敗の責任があるけど、アンタは逆じゃないか」
子は親(この場合は祖母だが)を選べない。それにそんな環境で、これだけ良い子に育ってるのだから、むしろ彼女はかなり頑張ってると思う。
「……そう、でしょうか?」
「うん。だから今回はアタシに任せて。アンタは改めて次の機会に優しく愛してもらうのが良いよ」
ハス貸しが、そう諭す。
それでロスマリーも引き下がってくれたみたいだ。
「ふふ。アキラのおちんちんは大人気ね」
「そうだな。アレで擦られるとマジで気持ち良いかんな」
「私も……欲しいけど……競争率……高い」
「おちんちん争奪戦なんだよ」
みんなが場を和ませてくれる。いやまあ、ガチで気に入ってくれてるのも間違いないんだろうけどね。
「それじゃあ、私たちは向こうへ行ってるわ」
「しっかり写生するんだぞ」
「みんなでいっせーのーせするんだよ」
「今日は……負けない……」
みんなゾロゾロと引き揚げ、俺とハス貸し、コレッタと島民3人の昏睡組だけが残された。
お愉しみの時間が始まる……かと思いきや。
「さてと」
ハス貸しが突然娘の傍にしゃがみ込んだ。そしてシャツの前ボタンをプチプチと外していく。
え? え? 一体何を? と訊ねる前に、彼女の口から、
「さあ、このバカ娘も使っておくれ」
とんでもない発言が飛び出した。
「え、いや。ええ……?」
「何も躊躇うことはないよ。アンタはコレに腕をやられてるんだ。乳を吸うくらい、何の問題も無いよ」
いやあ、問題しか無い気がするんだけど。本人の合意ナシで睡姦って……犯罪以外の何物でもない。と思ったけど、それを言い出したら、俺は彼女に窃盗未遂に傷害まで食らってるのか。
いやけど、だからって。そういうのは法が裁くものであって、自己救済は……いや、法律が無いんだったな、この島。
「……い、良いのかな?」
なんか傾いてしまうよね。報復でエッチなこと、という響きに。さっき「憎き相手だし、勃たないのでは」なんて思ってたのに。気付いたら逆にバキバキになっている。
「良いよ。仮に起きた後で文句言うようなことがあっても、島の全員アンタの味方さ。事情を話せば、むしろもっと体でも何でも使って償えと非難されるだろうね」
そうか。そこまで言ってくれるのであれば、ちょっとお乳を舐めるくらいはヤラせてもらおうか。
「分かった。貰うね」
そうとだけ告げて、俺は眠るコレッタの前に立った。改めてその体を見下ろす。
オレンジのミドルヘアは少し油ぎっていて、不衛生な印象だ。ウィドナは風呂にも入れてやらなかったんだろう。静かに閉じられている瞳は、肌を晒されているというのに、開かれる気配も無い。
そしてその上半身へと視線を下ろす。シャツの下に隠れていた素肌は病的に白く、そして胴体はアバラも浮き上がるほどに痩せている。それでいて乳房だけは大きく張り出しており、母であるハス貸しと同じくらいのサイズがあった。
「……」
乳肌には血管が浮き出ており、乳頭は透き通るような淡いピンク色。ここはハス貸しとは似ていないようだ。
そして最後に縛り上げられている彼女の両腕が見えた。仮に途中で起きたって、また危害を加えられることは無いだろう。俺にされるがままとなるハズ。
――ゴクリ
知らず、喉が鳴っていた。緊縛とか睡姦とか、今まで理解不能な性癖だと思ってたけど。なるほど、こういう世界なのかと、頭の隅の冷静な部分が呟く。ただそれも、すぐに興奮によって押し流されていく。
「……」
膝を着き、覆い被さる。既に喉がカラカラだ。賢者の石を握ってみたが、あまり効果が無い。苦しめられた仇敵にエッチな仕返しをする。そのシチュエーションが、もう興奮を呼び起こして仕方ないみたいだ。
彼女の体の両外に腕を着いた。左腕の方にズキッとした痛み。これも目の前の彼女にやられたんだ。畠山に操られていたから、と言い聞かせようにも。最初から理不尽に嫌われていたし、そもそも妄信は彼女自身の意思だ。
「ふう……ふう……ふう」
もう何か考えるのも難しくなってきていた。正当性とかより、本能だ。
俺は手を突っ張るのを止め、全体重をコレッタに掛けた。そして、乳房を揉み上げる。柔らかい。ロスマリーのような、運動をしていない子特有の感触だな。
「……」
そして。ロスマリーとは違って、彼女の乳頭は最初から顔を出している。強く揉めば、グッと押し出されるよう。
――ぺろ、ぴちゅ
舐めた。少しだけ酸っぱいニオイがする。やはり数日の風呂ナシが効いているか。だけど、今の興奮度マックスの俺には、それすらも欲情ポイントだった。
「ちょっと臭うぞ?」
言葉責めは、眠っている彼女には意味が無いが、俺自身の加虐心を煽る結果となって……理性が弾けた。
――ぢゅ、ぢゅるるる、ぴちゃ、ぢゅ
舐め転がし、しゃぶり、吸い上げる。
「ん……ん……」
起きたワケではないのだろうけど、コレッタの口から少し甘い声が聞こえてくる。
「アキラ、アタシも奉仕するよ」
背後から聞こえたハス貸しの声。そのまま彼女は俺の股間に組みついた。




