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爆乳ハーレム島の錬金術師  作者: 生姜寧也


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216/339

216:遅れて出たレシピ

 食事を終えると、アティは改めて我が家のリビングの窓の寸法を測りだした。

 あのピンクのポーチから布の巻尺を取り出していて……なんかそれだけで、幸せな気持ちになるよね。ニチカが体を張って、俺たちも死ぬ気で踏ん張って、回収してきたもの。それがキチンと愛用されている。


「ん? ふふ」


 アティも俺の視線に気付いて、くすぐったそうに笑った。どこか幼い笑顔が可愛くて仕方ない。近付いてギュッとする。爆乳が腕に当たって、幸せ満開だ。


「むう」


 ヤキモチ妬いたエレザも後ろから抱き着いてきて、体中がもちぽよ。

 とかやってると。急に部屋に置いてあるレシピ帳が浮かび上がった。


「お! おお!?」


 驚いてる間に自動筆記が終わり、落ちてくる。




 ====================


 No.20

  

 <木枠・戸車付き窓ガラス>


 組成:セフレガラス(板)×聖樹の枯れ枝×車輪石


 内容:板状セフレガラスの伸縮自在なリサイズに合わせて変化する素材として、魔術的な素養に優れた聖樹の枯れ枝を用いて枠を作り、車輪石を底部に当てて完成させる。耐久性、遮音性にも優れた一品。

 

 ====================



 

 お、おお。メッチャ有用なレシピだけど……前回アティが窓枠を確かめている時には出なかったよな。何かのフラグが必要だったのか? それとも物語の進行度? 分かんないけど、こういう時間差パターンもあるのね。そうなると、出来ればレシピ帳は肌身離さず持っているのが良いんだろうけど……戦闘とかもあるし、現実的には中々難しいよな。


「何が……出来るの?」


「うん。窓ガラスに木枠がついて、更に下に戸車という車輪を噛ましたもの……」


 アティもエレザもポカーンとしている。そうだよな。滑車や車輪といった概念もないからな。なんと説明しようかと迷っていると、アティの表情がみるみる曇る。


「もしかして……私の力……要らない?」


 木枠もつくということで、大工のお株を奪われると考えたんだろう。あ、な、泣きそう。慌てて抱き締めて頭を撫でる。


「ち、違うよ。作れるのは木枠までだから。溝は彫ってもらわないとダメだし、アティの力は必要だよ」


「ほんとう?」


「本当、本当」


 頭を優しく、優しく撫でる。そのまま手を顔の輪郭に沿って下ろし、頬に当てる。アティが目を閉じるので、その唇にそっとキスを落とした。


「それにガラス窓が出来れば、もっとエッチなこと出来るからさ」


「うん……おちんちん……見れる」


 それが説得材料になるのがエグいよなあ、セフレ島。


「ああ。おちんちんは良いぞ。硬くて、アレで擦られると熱にうかされたみたいになる」


 エレザもなだめにかかるが、セリフ内容がヤバい。けど、


「私も……早く……触ったり擦ったりしたい」


 なんだかんだで、アティの情緒を安定させてしまった。本当に凄いな、おちんちん。まあ島に1本しかない珍品だからね。


 ………………

 …………

 ……


 それじゃあ早速、『木枠・戸車付き窓ガラス』を作りましょう。といきたいところだけど、車輪石という素材の採取場所が分からない。それに出来上がった砂糖を龍魚クンに届けに行かないといけないし。まずは先約のそっちを優先しよう。ついでに彼(?)にも「車輪石って知らない?」って聞いてみても良いね。結構、古株な感じがするし、ワンチャン知ってる可能性も。

 2人にもその予定を話すと、同行してくれることになった。ありがたいね。


「一番……戦闘力が無い私が……荷物持ち」


 釜も持ち運ぶことになったからな。確かに助かるけど。でも実際のところ、俺とアティの戦闘力に大きな差は無いと思うけどね。


「釜もなあ……」


「無限に素材を入れられる容れ物だが、それを持ち運ぶための容れ物が欲しくなるとはな」


 それな。なんか頓知みたいな話だわ。まあ布態体が手に入ったし、恐らく高品質のカバンも作れるんだろうけど……スケベ下着とか水着とか、更に今後も素敵な服の素材として要求されるのは目に見えてるしな。カバンごときに浪費は出来ないよね。

 

 というワケで、改めて出発。エレザの家に寄ってスリングショットも取って来て、万全の体制でセイリュウの2層へ突撃した。

 洞窟を進み、例の天然釣り堀への別れ道辺りに差し掛かったところで。


「へっくちゅ」


 アティが可愛らしいクシャミをした。エレザも腕に立った鳥肌をさすっている。

 うん。だいぶ寒いよね。雨が降った影響で、洞窟内も気温が上がりきらないのか。


「改めて。ちょっと同じ島とは思えない気温差だな」


「うん。まあ今日は俺たちの方も雨に濡れたりしてるのもあるけどね」


 俺に至っては海にも入ったしな。体全体が冷えてるのかも知れない。海水温度は高かったハズだけど……冷えって自分では中々気付かないと言うしな。


「それにしても……本当に……寒い」


 自然と身を寄せ合って歩く。肘に爆乳がポヨンポヨン当たるので幸せ。とかやってる間に、地底湖までやって来た。道中はブルーウィスプの襲撃は無かったけど。


「うわあ。湧いてんなあ……」


 地底湖の周り、浅瀬の所にウジャウジャと発生していた。なんかもう青いもんね、あの一帯。


「もしかして……寒さの……一要因?」


 ああ、それもありそうだね。ヤツらは氷属性だし、実際ぶつかられるとその部位が凍ったリするからな。

 そんな特性のモンスターがこの量……無関係ではないかも知れない。ということで、全滅させれば寒さもマシになると信じて。


「しかしどうする? 矢が足りないぞ」


 だよねえ。

 ざっと見て、20~30は居そうだ。


「うーん」


 接近戦を仕掛けるにも、囲まれたら危ないからなあ。矢の分だけは減らして、後は野となれ山となれ作戦はあまり得策とは言えないんだけど……

 と。俺が考えあぐねている、その時。


 ――ザパーン!!


 湖面に巨大な影が浮き上がり、龍魚クンが姿を現した。

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