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爆乳ハーレム島の錬金術師  作者: 生姜寧也


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161/339

161:バカウケした

 そこからの2秒ほどは、正確には何が起きたのか分からない状態だった。ただ、俺の発光に呼応して部屋全体の光度が増したのは確かだろう。眩しくて反射的に目をつぶってしまったくらいだから。

 そして次に目を開けた時には……部屋は全く違う様相となっていた。いや、石室ですらなく……


「……ここは」


 かなり開けた場所だ。薄暗いが、遠くまで見える。土くれの壁に囲まれた洞窟……いや巨大空間だな。閉塞感は全くと言って良いほど感じない。

 そして、空間の最奥には巨大な樹が生えていた。その大木の周りには金や銀の美しい光の粒が飛び回っている。

 ハス貸しの祖母が書いた手記の内容を思い出す。ウロを落ちた先に巨木。そしてその周りに不思議な光。

 ビンゴ、のようだ。


「アキラ……一体どうなってるの?」


 シェレンさんも目が慣れてきたんだろう。周囲を見渡し、不安げに体を寄せてくる。そんな彼女のシャツには俺のスティックから飛び出した液体がベットリ付着しているので、少しだけ体を引いてしまった。


「あと、これも……何なの? これはアキラから出た気がするのだけど」


 そこの説明もしたいけど、まずはズロースを引き上げる。その時、どこかから笑い声が聞こえてきた。ていうか、この声……


『あひゃひゃひゃ!! フルチン!! フルチンでテレポートした!! あはははは!!』


 やっぱり女神さんか。超絶楽しんでいただけてるようで何よりだよ、クソが。


(ちょっとまた時間止めて)


『はは、ははははは!! 写生時の発光を利用とか!! 錬金術の『れ』の字もない!! チート使わずにチンコ使ってる!! 錬金術よりタマキン術!!』


(女神さん!)


『ああ、分かった分かった。一旦、女神パワーで世界を止めとくよ、チンコテレポート先輩。ふふふ。はははは』


 マジで最悪だ。多分これ、事あるごとにイジってくるぞ。


(で……ここって安全なの? ヤバイ毒とか充満してないよね?)


 もうこうなったら、とことん神の力を利用してやるつもりだ。毒探知機よ、働け。


『全く、すぐ拗ねるんだから……チンテレは。ぶふっ、ははは」


 チンコテレポートを略すのやめろ。


『はあ~~。笑った笑った。それで、この空間の安全性だっけ?』


(うん)


『大気中に有害物質は無い模様だね。モンスターは……ちょっと分からない。出てきた時にまた聞いて』


(分かった。それで、ここって実際どこなの?)

 

『腋ペディアを見るに、どうやら妖精郷(ようせいきょう)というステージのようだね』


 おお。元よりファンタジー世界だけど、妖精とか出てくると、更に幻想感が増してくるな。


(ていうか、もしかして大木の周りを飛んでるのが妖精だったりする?)


『多分ね。やっぱり毒とかは無いみたいだけど』


 まあ蛾の鱗粉じゃあるまいしな。そもそも萌えエロゲ―の妖精さんが猛毒持ってたらドン引きか。


(しかし妖精郷か。これはどっかの3層くらいに当たるのかな?)


『うーん。どうも隠しステージ的な雰囲気だねえ。腋ペディアも、まだ情報があやふやな感じだよ』


 つまり予備知識はアテに出来ないってことか。俺が自ら体当たりで攻略していくしかなさそうだな。

 ただ……問題はシェレンさんだよなあ。シャベルも置いてきてしまってる状況で、運動神経のアレな彼女を連れて未知の層を探索。果たして無事に帰れるんだろうか。

 ていうか、


(ここって出口とかあるの?)


 まずそこだよな。真っ先に確認すべき事柄だったわ。


『いや、そこも記載が見当たらないな。でも最悪はキングジェルスライムが転移した、あのビャッコ2層には行けると思うけどね』


 ああ、そうか。アレも転送装置だから、ここと繋がってるんだよな。

 ということは、あのスライムはビャッコの遺跡→現在居る妖精郷→遺跡とは別の転送装置→丘というプロセスを辿ったと考えるのが妥当か。


『そうすると、転送装置は最低でも2つあることになるね。キミがチンテレしたウロの先は一方通行な感じがするから、また別の場所の装置かも知れない』


 もしかしたらキングスライムは(持ち前の接着力で)あのウロの滑り台を登って地上に戻れる可能性もあるけど、普通に考えれば別口かな。


(ならそれっぽい物を見つけたら)


『しゃ、写生すれば良いと……ぶふっ……ふふ……思うよ?』


 クッソ。またどっかの世界滅びそうになんないかな。女神さんがこっちに全集中できる状態だと、痴態が全部見られてしまう。


『酷いヤツだね。自分のちっぽけなプライドのために、知らない世界の存亡危機を願うとか』


 俺は嫌な思いしないから。ていうか、ちっぽけではないんだよな。写生してるところを知人に見られるなんて、普通は誰だって嫌だよ。


(まあとにかく、探してみるよ。発見したら……テレポートを試みるけど。その時は見ないでいてくれよ?)


『……』


 ダメか。むしろ、こんな面白い状況、見逃してなるものかって意思を感じる。そりゃそうだよな。彼女は自分が楽しむために俺をここに送り込んだんだもんな。転生税と思って諦めるしかないのか。


(取り敢えず、まあ。少し調べてみるよ)


『うん。頑張って』


 ということで、女神通信を終える。再びセフレ島にフォーカスが戻ると……シェレンさんにも方針を伝える。毒は無いという情報も共有し、安心させておいた。なんでそんなことが分かるんだ、と問い詰められないのが助かる。まあ俺自体が彼女からすれば不思議存在だもんな。謎の器官から謎の液を放って、謎の発光をして……うん、バケモンだわ。ついでに、謎に毒を察知できる特技も持ってると勘違いしてくれたのかもな。


「それじゃあ行きましょう。無手なので、敵性生物と遭遇したら基本逃げる方向で」


「わ、分かったわ」


 そうして俺たちの妖精郷探索が始まる。オワタ式に近いから、本当にエンカウントには気を付けないとな。

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