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爆乳ハーレム島の錬金術師  作者: 生姜寧也


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15:因縁おっぱいと再会した

 少し離れた場所から、通りを見ている。両端に露天商が居並ぶ(いち)の様相だ。大きな布を広げて、その上に木の台座を置き。更にその上に商品が陳列されている。

 魚や肉、米、果物などの食料品が主体のようだ。真水も水甕(みずがめ)に入った状態で売られている。


「うーん」


 気になってたんだけど……この島にはガラスが無いっぽいんだよな。今も店主が甕から量り売りの陶器ビンに移して客に渡したんだけど、どれくらい入れたかが外から見えないせいで、やりにくそうだった。


「はいよ。小木札(しょうきふだ)3枚ね」


 客は服のポケットから、モタモタと木札の束を取り出した。紐で結束してる中から、3枚を引き抜いている。


「あれも不便な感じはするなあ」


 小さなコインが難しくても、嵩張らない紙幣にするとか。

 けど、優先度はやっぱりガラスかなあ。ああいった売買シーンだけじゃなく。窓もカーテンで塞いでる状態だし、解消したいよな。


「とはいえなあ」


 それで選挙の決め手になるのかどうか。2週間で島中に浸透させられるか。それに、窓ガラスやビンその物が作れたら良いけど、ガラスという素材が作れただけで加工は別途必要とかだと困るしな。


「うーん。どうしたもんかなあ」


 悩んでる暇もあんまり無いんだけど。

 と、その時だった。大通りを少し外れた小道。そこを歩いていた老婆が転倒するのが見えた。慌てて駆け寄る。


「大丈夫? おばあちゃん」


 どうも道に張り出した低木の枝に頭をぶつけて、それで転んでしまったらしい。「大丈夫、大丈夫」と立ち上がろうとするが、腰にキてるらしい。またへたり込んでしまった。


「いたた。なんで頭への衝撃なのに、下半身が連鎖で弾けるんかのう」


 腹立つよな。すごい分かる。俺も未だにキンタマ弾けたの納得してないし。


「おんぶするよ。家はどこ?」


「おお、ありがたいのう……ワシの家は丘を少し登った先じゃ」


「了解」


 彼女の前にしゃがみ込むと、すぐに背中に重さと温かさが。う。ダルンダルンになった乳房の感触が、なんとも言えない。ブラ無し爆乳の末路か。若い世代はここまで垂れないようにしてあげたいし、ブラも優先順位高めだな。


「よいしょ」


 持ち上げて、反転。丘へと向かう。距離を保って後ろからついて来ていたエレザは、「うんうん」と頷いている。善行はちゃんと評価してくれるみたいだ。






 歩いて10分ほどだろうか。ばあちゃん(メロウさんというらしい)の家に着いた。エレザはいつの間にか、どこかへ消えていた。結構ガバガバ監視だよね。


「助かったわ~。ありがとう」


「うん。じゃあ俺はこの辺で」


「上がって行っておくれよ。お茶くらい出すから」


 いや。腰に痛みがある老婆を働かせるのはちょっと……

 遠慮の言葉を紡ごうとしたところで、家のドアが中から開いた。


「え?」


 顔を覗かせたのは、若い女性。俺より少し下くらいだろうか。長い前髪で片目が隠れている。髪色は紫がかった青で、全体の長さは背中にかかるくらいだろうか。肩の出たタンクトップのようなインナーの上にシャツを羽織っている。そしてそのタンクトップを押し上げている爆乳は……シェレンさんやポーラより大きいかも。


「おかえり……おばあちゃん」


 あれ? この声、どこかで。


「アキラも……いらっしゃい……」


「えっと」


「おばあちゃん……背負ってきてくれたの……見えてたから」


 この途切れ途切れのボソボソした喋り方……


「もしかして、俺を捕まえた時、上に乗っかってた人?」


 女性は少し申し訳なさそうに目を伏せた。


「あの時は……ゴメン」


「い、いや。大丈夫だよ」


 大層な美味しい思いもさせてもらったし。


「……上がっていって」


「う、うん。じゃあお邪魔します」


 祖母と孫2人がかりで誘われて、断るのもアレだし。お茶はこの人が淹れてくれるんだろうしな。


「あ、忘れてた……私、アティ」


 ああ、名前か。


「俺はアキラ。もう知ってるみたいだけど」


 先刻聞いた通り、ロスマリーのおかげで島中に名前や錬金術のことが知れ渡ってるもんな。


「仲直りの……ハグ」


 え? っと思ってる間に、アティは体を近付けてきて、俺に抱き着いた。ムニュンと潰れた豊満な双丘。ああ……メッチャ柔らかい。確か右の乳房の方にホクロが2つ。ああ、ダメ。勃ちそう。


「ありがとう。も、もう十分だよ。怒ってもないから」


 そっと肩を押して距離を取らせる。危なかった。


「そう? 心……広いね」


 いや。仮に怒ってても、大抵の男はこの爆乳を押し当ててもらえたら、怒りなんて忘却の彼方だと思うよ。


「ほれ。アティ。そろそろ入れてやらんか」


 あ。メロウさんの存在忘れかけてたわ。


「そう……だね。アキラ……入って」

 

 2人に促されて、家の中へと入る。


「造りは大体、シェレンさんの家と同じなんだな」


 道中の家屋も、全部ログハウス調だったし、島全部がそうなのかも。


「これはアティが建てたんじゃよ。シェレンの家もそうじゃ」


「マジで? すげえな、アティ」


「別に……普通。私だけじゃ……なくて……大工みんなで……だし」


 とは言いつつ、ちょっと照れ気味だ。

 と。


「あれ? お客さん? しかも……もしかして今話題のアキラじゃない?」


 家の奥から声がした。パタパタと足音(なんかSEじみた安っぽさがある)がして…………え?


「いらっしゃい」


 いや。声はするんだけど、姿が見えない。な、なにこれ。どうなってんの。


「ただいま。お母さん」


「ただいまじゃ。アキラにお茶を淹れてやってくれんかの?」


 2人は平然と話してるし。お、俺だけが見えないのか?

 混乱の中、再びSE風足音が響き、すぐに遠ざかっていく。インビジブルお母さんが、メロウさんに言われた通り、お茶を淹れに行ってくれたんだろうけど……


(ちょ、ちょっと! 女神さ〜ん! ヘルプ!)


 分かんないことがあれば呼べと言われてたし。

 今でしょ(激古)。

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