保険金申請と個人情報と呆け進行疑惑
年配の方が手術をして、保険会社に診断書を送る時に相談されました。
今年2024年の事です。
保険会社からは封筒が2枚来たそうです。
1枚には「これは郵送用ではないので、直接ポストに投函しないでください」と書いてあります。派手な色の封筒です。
もう1枚には何も書かないで投函する様にとの事でした。こちらは白の封筒で、保険会社の宛先が印刷されています。
その方の相談は、診断書をどうやって送れば良いか分からない、との事でした。
私が見たのは封筒2枚と診断書のみなので、もしかしたら送り方を書いた説明書も他にあったのかも知れません。
ですがその方は、投函してはいけない封筒がどうして付いているのか、投函してはいけない封筒に診断書を入れるとあるけれど、空の封筒だけ投函するのか、訳分かんない、と思っていました。
郵送用ではない封筒には宛先は書かれていません。封筒の中に模様が描かれていて、中身が透けて見えない様になっています。
郵送用の封筒は紙が薄手で、中を透かそうとすれば出来そうです。
まず診断書を郵送用ではない封筒に入れ、それから郵送用ではない封筒を郵送用の封筒に入れて投函する様に、と説明しました。
そうすると、これは郵送用ではないし投函するなって書いてある、と反論されました。
それなので、直接ポストに入れてはダメなだけで、郵送用ではない封筒に宛先を書いたり切手を貼ったりして投函するなと言う意味だと伝えます。
次には、郵送用の封筒に何も書かないなら、誰から何が送られたのか分からないと心配しています。
ですから、私が想像した保険会社の運用を説明しました。
まず保険会社には郵便物を受け取る部署があって、そこで開封します。それぞれの担当部署にバラバラに郵便物が届くと管理が大変なので、郵便物を一括して開封する部署がきっとあるのでしょう。
郵送用封筒を開封すると診断書が入っている封筒が出て来るので、担当部署に回します。もしかしたら管理しやすい様に、書類の種類毎に封筒の色が違っているのかも知れません。それに社内で配送する時にも個人情報が漏れない様に、中が透けない封筒になっているのでしょう。
担当部署に届いたら診断書が入った封筒を初めて開けて、中の診断書を確認します。病気や怪我の情報も外に漏らさない様になっているのだと思います。
これらは個人情報漏洩対策になっているのだと思います。それなので郵送用の封筒に差出人名も診断書在中なんて事も書かせない方針で、何も書かずに投函する様になっているのでしょう。
ここまで推測を説明したら、納得してくれました。
その方は、自分は呆けちゃってて分からないから訊いて良かった、と言いました。
でも確か昨年も入院していて、保険料請求の為の書類を投函していた筈です。その時はどうだったのか尋ねたら、同じ保険会社だけれど今回みたいではなかったと言いました。
つまり呆けちゃった訳ではなく、方法が変わったけれどそれが伝わっていないのかも知れません。
もちろんこの1年で呆けちゃって、去年と同じだった事も忘れてしまったのかも知れません。
しかし今回の封筒に書かれている文章から、郵送の仕方が分からなくなるのは仕方ないと思います。
投函しない封筒がなんの為に付いているのだろうとか、差出人名も書かずに診断書がちゃんと受け付けられるのかとか、むしろ呆けていたら気にしないのではないでしょうか?
それに心配性な人なら、普通に疑問に思う内容だと思います。保険金が下りなかったら大変なので、心配になりますしね。
でももしかしたらこう言う変化が、年配の方の自信を奪って、呆けを進める原因になっていたりしないでしょうか?
個人情報の扱いが年々厳しくなる事はあっても、今後緩くなるとは思えません。
もしかしたら来年はまた保険金の請求方法が変わっていて、手順が増えていたり難しくなっていたりするのかも知れません。
自分が同年輩になった時、ちゃんと時代に付いていけているとは思えなくて、ちょっと気分が暗くなりました。
そもそもそれまで生きているかどうか・・・
いけませんいけません。年金の元を取るまでは絶対に死ねないのでした。受け取れるのが何歳からになっていても、絶対です。
来年になったら保険金請求方法がどうなっているか、自分に理解や推測が出来るかどうか気になったので、その年配の方に教えて貰える様にお願いしようとしましたが、思い止まりました。
その方に取っては、保険金を請求する様な事が起こらない方が、良いのですから。