表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いずれ最果てへ至る神殿師  作者: きりきりきりたんぽ
第二章 神殿祈祷祭編
31/54

プロローグ・二人目

 その少女は走っていた。


 槍に穿たれ、出血の止まらない肩を抑えながら、ゆっくりと、必死に。


 冷たい石畳を素足で蹴りつけながら前へ、前へと。


 遠のきそうになる意識を痛みと絶えず流れる流血で無理やり踏み止めて。


 そこは神殿。とても危険だが、その最奥に至ればなんでも願いが叶うという伝説を持つ神殿である。


 しかし少女は賢しかった。そんな甘言に乗せられないほどに。


 しかし少女は人情に溢れていた。誰かのためであれば自らを犠牲にするのをためらわないほどに。


 しかし少女は非力だった。魔力持ちではあるものの、身体能力は一般人のそれと大して変わらないほどに。


 しかして少女は神殿へと足を踏み入れ、致命傷を負い、それでも前へと進んでいく。


 陽の光は届かず、風も吹かない。ただ冷たい空気が満ちるこの空間をただ一人で。


 しかしてとうとう、少女はその最奥へとたどり着いた。


 なぜ?


 これまで幾度も大人数の攻略隊が組まれたが、それを全て叩き返していたのに。


 なぜ?


 それらは全て強力な魔力持ちで構成されていたのに。


 最奥に置かれた祭壇を前に少女の胸には疑問が沸き上がってきた。


 しかし同時にそれらが今はどうでもいいことを本能で悟る。


 そうだ。少女はただ恩人の命のために自らの命を捧げたのだ。


 恩人を救うための力を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ