7話 ソフィアに護衛が配属されました
「申し訳ございません。現在女性担当の護衛は別のところで配属されてしまっていて……」
「お気になさらず。そもそも私などに護衛をつけてくださらなくとも良いのですよ」
「そうはいきませんよ。ソフィア様は我々騎士団だけでなく、王女も救ってくださったお方なのですから」
何度も私の魔法で救われたと言われて、ようやくビギナーズラックとはいえケルベロスを退治できたんだなと実感してきた。
だが、次同じようなことが起きたらおそらくは倒せないだろう。
ケルベロスのようなモンスターはそうそう簡単には現れないだろうけれど、今後王都を出ていった後のことを考えると今のうちに魔法のことは覚えておいたほうが良さそうだ。
私はそのようなことを真剣に考えていたとき、アーヴァイン様がとんでもないことを言い出した。
「もし……、少しでも私のことを信用していただけるのでしたら、私がソフィア様の護衛をしますが」
「え!? 騎士団長ですよね!? そんなに凄い人が私の護衛を?」
「本来は女性には女性の護衛を配属させるのが本国のマナーではあります。しかし、ソフィア様に誰も配属させないというのはあまりにも失礼すぎますので……」
「むしろ、良いのですか?」
私は嬉しさと申し訳さの気持ちで戸惑っていた。
アーヴァイン様は申し分のないほどの良い顔をしている。
服で隠れ切れないほどの引き締まった筋肉はさすが騎士団長といった感じがする。
見た目も素晴らしいが、王子様のような人柄でもある。
今までこんなに優しく対等に会話をしてくれる人がいなかった。
これほど完璧とも思えるお方が私のために時間を割いていただいてもいいのだろうか。
それだけが気がかりだった。
「私でも良ければ喜んで命に変えてもソフィア様をお守りします」
アーヴァイン様の真剣な眼差しを見て、私の心臓の鼓動が著しく上昇したような気がする。
なんなのだろうか、この胸のドキドキ感は……。
「よ……、よろしくお願いいたします」
奴隷生活だった私ですが、ついに護衛ができました。
♢
騎士団長のアーヴァイン様が訓練場で活動するというから、私も見学させてもらった。
騎士団というから剣技の訓練かと思っていたが、この国ではそういった概念がないらしい。
騎士団とは名前だけで、剣技や投擲武器、魔法なども全てひっくるめて騎士団というそうだ。
アーヴァイン様は剣技と魔法を使いこなし、魔法で強化された剣で岩をいとも簡単に一刀両断していた。
動きや真剣な表情を見ていて、私はうっとりしている。
カッコ良すぎて、目の保養になるし一生見ていられる気がした。
ところで気がついたことがある。
魔法も騎士団の訓練として可能ならば、私も魔法の訓練をここでさせてもらえないだろうか。
私はアーヴァイン様にお願いをしてみた。
「ソフィア様ならば大歓迎ですよ。ただし、王宮は壊さないように加減をしてくださいね」
「そんな威力はないと思いますけど……」
「ソフィア様はケルベロスを一撃で仕留めたほどの魔力をお持ちですからね……」
「私、自分ではよく魔法のことをわかっていなくて……。実は、この前の件で初めて魔法を放ったんですよ」
「なんと!?」
アーヴァイン様がとても驚かれていた。
そりゃそうか。
ビギナーズラックで倒したとなれば、私に対する評価も落ちることは間違いないだろう。
「素晴らしすぎる! その魔法の才能、是非基礎から学んで活用していただければ!」
「凄いのですか?」
想定外の返事が返ってきてしまった。
外にいるとき、『雷が光ったと同時に爆音が轟いて作者が恐怖する』という経験してきました。
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更新、今日はもうちょっとだけ頑張ります!