2.戦闘開始!
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「……おう。お前が、ダリス・アークライトか?」
「お前は、誰だ……?」
舞台に上がると、そこには昨日の男以外にもう一人。
身の丈二メイルはあろうか、という屈強な偉丈夫がいた。漆黒の鎧を身にまとい、肩には巨大な戦斧を担いでいる。強面なその顔に、不器用な笑みを浮かべて。
こちらが何者かを訊ねると、その男性は若干嬉しそうにこう名乗った。
「俺様の名は、ガイアス・ロードベル。この街最大のパーティー『獅子の咆哮』をまとめるリーダーだ」――と。
そして、彼――ガイアスはゆっくりと戦斧を下ろし、こう言うのだ。
「時に、ダリス。お前さんに訊いておきたいことがある」
「訊いておきたいこと……?」
「あぁ、そうだ」
何かと首を傾げると、ガイアスは口角を歪める。
そして、
「お前、以前は王都にいなかったか……?」
そう、口にした。
その問いかけに俺は、特に迷いもなく答える。
「あぁ、そうだな。俺は以前まで、王都で――」
だが、そこまで言った瞬間だった。
「っしゃあああああ! それなら、手加減なんて必要ねぇなぁ!?」
「なっ……!?」
突然に、ガイアスが声を張り上げ戦斧を振り下ろしてきたのは。
間一髪でそれを回避した俺は、不意打ちとしか思えないそれに抗議した。
「なに、考えているんだ!?」
「いいじゃねぇか。これくらいなら、避けられて当たり前だろ?」
だが彼は、続けざまに攻撃を仕掛けてくる。
「………………! ターニャ、下がっていろ!」
「は、はい……!」
とっさに弟子へ指示を出し、俺は剣を抜き放った。そして――。
「く、ううぅ!?」
「ほう……? 右腕一本で、俺様の攻撃を受け止めるのか!」
どうにか、ガイアスの一撃を防いだ。
しかし圧力が桁違い。並の戦士のそれではない。
間違いなく、このガイアス・ロードベルという男の実力は本物だった。
「いやぁ……。嬉しいぜ、ダリス……!」
「嬉しい……?」
膠着状態の最中。
ふと、ガイアスは俺の名を口にして笑った。
こちらが眉をひそめると、彼は静かな声色でこう語るのだ。
「こんな辺境の街で生まれた俺様には、対等な相手がいなかった。だけどまさか、そっちから出向いてくれるとは思わなかったぜ……?」
また一つ、ニヤリと口角を上げて。
「『世界最強の剣士』様、よぉ……?」――と。
そこで俺たちは一度、互いに距離を取った。
仕切り直し。俺は呼吸を整えながら、真っすぐに剣を構えた。
「なるほど、な……」
そして理解する。
どうして、この男がここまで歓喜しているのか。
それを知ったからこそ、俺もまた小さく笑って答えるのだった。
「悪いな、ガイアス。俺はあくまで――」
しっかりとした声で。
「世界最強『だった』剣士だよ」――と。
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