3.『獅子の咆哮』との決闘。
ここまででオープニング。
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「師匠……。その、すみません。僕のせいで……」
食事を終えて街を歩いていると、ターニャがそう口にした。
どうやら、先ほどの酒場での出来事のことを言っているらしい。たしかに、相手の冒険者に食ってかかったことは評価できなかった。
それでも反省しているようだし、何よりも――。
「いいや。ありがとう、だな」
「へ……?」
俺はそう言って、少女の頭を撫でた。
するとターニャは驚いたように目を丸くして、こちらを見上げる。
「あの時、俺を庇ってくれたんだろう? 自分より強い相手に、真っすぐに意見を述べる、ってのは相当の勇気がないとできないからな」
そんな彼女に、俺は笑顔でそう告げた。
あの時のターニャは、目に涙を浮かべていたのだ。恐怖心があったに違いない。その中で俺を助けようとしたことを、褒めてあげたいと思った。
「し、師匠……!」
すると少女は、どこか感極まった表情になる。
しかしすぐにまた、不安げなそれに戻って――。
「でも、勝てるのでしょうか……」――と。
そう、声を漏らした。
その言葉を聞いて、俺は改めて思い出す。
「たしかに、いきなり決闘ってのは面食らったところはあるな」
あの冒険者の男は、言ったのだ。
ターニャの応戦に対して、それなら『獅子の咆哮』と戦え、と。
それは決闘の申し込みに違いなかった。その後に聞いたところによると、そのパーティーはシルディで最も大きな一団だという。
「でも――」
そこまで考えてから。
俺は改めて、ターニャの頭を撫でながら笑うのだった。
「ターニャの師匠は、世界で一番強い、だろう?」――と。
◆
「ほう……? ダリス・アークライト、か」
「リーダー、申し訳ございません。勝手に決闘を……」
「なに、今回に限っては不問にする。ずいぶんと、面白くなったからな」
冒険者の男は『獅子の咆哮』のリーダーである男性に、事の次第を報告していた。当然ながらに叱責される、と思っていたのだが。
リーダーである男の反応は、予想外のものだった。
「へっ……。単なる同姓同名か、この目で確認してやる」
「え、リーダー……? まさか――」
「おう。この決闘、俺様が出る!」
そう言うと、男は立ち上がる。
そして、大きな声で自身の名を口にするのだった。
「この街最強の戦士、ガイアス・ロードベル様がなァ!!」――と。
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