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2.師弟関係。

弟子ができました(あっさり

(*‘ω‘ *)応援よろしくお願いいたします!








 少女――ターニャは、ソロの冒険者だった。

 もっとも一人の理由というのは、まだ年端も行かない少女である、ということから。まだまだ幼いゆえに、どのパーティーからも門前払いされたのだ。

 中には、何かの冗談だろうと彼女を嘲笑した者もいた。



「きゃあああああああああああああああああ!!」



 だから、そんな人たちを見返したい。

 そう思った負けず嫌いのターニャは無謀にも、単身でダンジョンへと潜った。どんどんと奥へ進んだ結果、巨大なドラゴンに追われることとなったのだが……。




「う、そ……」




 そんな少女の目の前に現れたヒーローは、隻眼隻腕の人物だった。

 右腕一本で剣を振るい、あのドラゴンを一刀両断。やや長い黒髪をなびかせて、こちらを振り返った彼は眼帯で隠していない金の眼差しを細めた。

 そして、ターニャに訊ねる。



「大丈夫、だったか?」――と。



 その瞬間、少女は言葉を失っていた。

 胸の高鳴りが凄い。それでもなにか答えなければ、と。

 そう考えた末に、彼女の口から出てきたのはこんな台詞だった。



「ぼ、僕を――」



 赤の髪を揺らし。

 青の瞳を輝かせながら。



「弟子に、してください……!!」――と。









「――って。たしかに、お願いしましたけど。本当に良いんですか!?」



 街の酒場で食事を摂っていると、ターニャが今更ながらにそう言った。

 俺は切り分けた肉を口に運んでから、ゆっくりと頷く。



「あぁ、こちらも仲間を探していたからな」

「え、いや。仲間ではなくて、僕はダリスさんの弟子に……!」

「同じようなものだろう。俺はキミに剣を教え、共に戦うのだから」

「それはそう、ですけど!」



 ――なんだか、対等なようで申し訳ないです。


 彼女はそう言って、縮こまってしまった。

 そんなターニャを見ながら、俺は次にエールを口に含む。弟子にしてくれという申し出には、多少の驚きはあった。

 だが俺も、そういったことの経験がないわけではない。

 それに――。



「ターニャは、いつから剣を握ったんだ?」

「え、一昨日……ですけど」

「ほう……?」



 やはり、俺の目は間違っていなかった。

 その確信を得て、もう一度頷く。



「それは、凄いな」



 そして、心の底からそう思った。

 何故ならこの少女は、なんら訓練を受けていないのに軽々と剣を振るっていたから。剣というのは、当たり前だが鉄の塊だ。そのためターニャのような小さな子供が使えば、剣に身体を持っていかれる。


 それなのに、だ。

 彼女は狙いこそ定まらないものの、自在に剣を振るっていた。



「相当、体幹がしっかりしているか。あるいは――」

「おう。そこの除け者二人!」

「……ん?」



 そこまで考えた時だ。

 俺たちを罵倒する奴が現れたのは。振り返ると、そこにいたのは――。



「お前ら、パーティーを組んだんだってな!」

「あぁ、昼の……」



 ダンジョンに赴く前。

 俺のパーティー加入を断った冒険者だった。

 赤ら顔になった彼は、馴れ馴れしく肩を組んでくる。



「いやぁ、お似合いだな! 役立たず同士で傷を舐めあうわけだ!」



 そして、下品な笑い声を発しながらそう言った。

 俺は大きくため息をついて、無視を決め込む。しかし、



「しかし、本当に可哀想だな。せめて腕か眼、どちらか一方でもあればマシだったのによ。悪いことは言わねぇから、冒険者なんてやめとけっての!」



 男はこちらの反応に気付かないのか、そう続けるのだった。

 これは、いい加減に一言した方が良いのかもしれない。



「すまないが――」

「師匠から、離れてください!!」



 呆れつつ、俺が口を開いた瞬間だった。

 ターニャが激昂して、男に向かって牙をむいたのは。



「師匠は貴方みたいな人より、何倍も強いんです!」



 少女はそう叫んで、冒険者の男を押しのけた。

 すると、相手も怒りのスイッチが入ったらしく……。



「あぁん!? 『獅子の咆哮』の一員である、オレより強いだってぇ?」



 そう言って、喧嘩腰に構えた。



「『獅子の咆哮』ってなにか分かりませんけど、師匠の方が強いです!」

「おう。それは喧嘩売ってる、って意味で良いんだよな……?」

「いくらでも売ります! だって――」



 半分涙目になりながら、ターニャはこう言うのだった。




「ダリスさんは、世界で一番強いんですから!」――と。




 


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― 新着の感想 ―
[一言] なんだか、ワクワクしますね。
[良い点] 更新お疲れ様です(◍•ᴗ•◍) [一言] ほう、僕っ娘かね? よかろう、ブクマして…………もうしてたか
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