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遊びたい盛りの暴君  作者: 豚家 
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夜の番

風の導きがティラノサウルスを討伐した後アルフリード達はジュラスの町へと歩みを進めていた。荷馬車の後ろを歩くアルフリードは同じく荷馬車の後ろで警戒にあたっているザックに声をかけた。

「ラプトルの群れにティラノサウルスまで、こんなに出るもんなのか?」

「俺たちはランドさんの護衛で何度もここを通っちゃいるがいつもはラプトルが出てきても三、四匹くらいだ。あんな規模のラプトルの群れは初めてだしティラノが街道に出てくるなんて想像もしてなかったぜ」

「ふーん、森で何か起きてんのかもな」

「そうだな、帰ったら協会に報告しとくか」

アルフリードはジュラス領に初めて来たため王領とは違いこんなにも出るのかと感じていたが、どうやらいつもとは違い様子がおかしいらしい。

アルフリードとしては魔物は沢山出てくれた方が楽しいので内心ラッキーと思っている。護衛の依頼を受けていなかったら今すぐにでも森に突っ込んでいきたいくらいだ。そんな気持ちをぐっと飲み込んでアルフリードは護衛に専念した。

休憩を挟みつつ進むこと数時間、日は傾き夕刻が訪れる。

「そろそろ日も傾いてきたので野営の準備をしましょう」

商人のランドの提案に従い、アルフリード達は夜に備えて野営をすることにした。商人のランド、冒険者パーティー風の導き、そして、アルフリード達、それぞれテントを設営する。薪を集めて火を灯し、焚火の上に鍋を置く。具材を煮込んでスープを作り硬いパンと共に食らった。王族であるアルフリードが普段食べることのない簡素な食事だったが、不思議と悪い気はしなかった。むしろ、冒険者をやっていると感じ満たされた気分だった。

「じゃあ夜警の分担を決めよう。そのまま俺たちとアルフリード達で分けるのでいいか?」

「いいぜ」

「四時間交代でいくか。先と後どっちがいい?」

「じゃあ、後で」

ザックとアルフリードで話し合い夜警の順番を決めた。

「ランドさんとアルフリード達は先に寝てくれ。いざって時は起こすんでそのつもりでいてくれ」

「わかった、それじゃ」

ランドとアルフリード達は各々テントに入っていった。ソラとサラと一緒のテントに入っていくアルフリードを風の導きのメンバーは羨ましそうに見つめていた。

ランドとアルフリードがテントに入った後、風の導きのメンバーは周囲を警戒しながら会話していた。

「アルフリード達って何者なんだろうな?」

サイモンが言った。その疑問は風の導きの全員が思っていたことだ。出会った時に冒険者証を確認してアルフリード、ソラ、サラ、それぞれランク2であることはわかっている。しかしラプトルの群れを蹴散らしたあの実力はどうみても異常だった。

「恐らく冒険者になりたての貴族の子息ってところだろう。所作が明らかに庶民のそれとは違う。ソラとサラはお目付役ってところかな」

答えたのはザックだ。ザックの予想は大まかに当たっていた。ただ違うのはアルフリードは貴族ではなく、王族であるということだ。流石にザックもアルフリードが王族だなんて思いもしなかった。

「貴族だったら敬語とか使った方が良くないか?」

「いや、向こうは貴族としてじゃなく冒険者として名乗ったんだ、同じ冒険者として接するのがいいだろう。ここら辺の話はあまり深入りしない様にしろ」

アルフリード達が貴族かもしれないと聞いたニックは敬語を使うべきか確認をしたがザックの言葉で冒険者として接する方針に決まった。

周囲を警戒しつつ会話を楽しんでいると森の方から何かが近づいてくる。いち早く気配に気づいたジョッシュが風の導きのメンバーに警戒を促す。

「ラプトルが来るぞ、3体だ」

「俺に任せろ」

サイモンが前に出る。最初に飛びかかって来たラプトルを左手の盾で殴り飛ばすと次に向かって来たのを剣で深々と斬り裂き流れで3体目のラプトルの頭を斬り落とした。そして、盾で殴られてよろめいているラプトルにすぐさま剣を突き刺しとどめを刺した。倒したラプトル達を魔法の鞄に収納し、再び警戒にあたる。その後は特に何事もなく時間が過ぎていく。

「っともう時間だな、アルフリード達と変わるか」

ザックが懐中時計を確認して呟いた。ザックはアルフリード達に声を掛けて夜警を代わりテントで眠りに着いた。






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