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遊びたい盛りの暴君  作者: 豚家 
20/35

迷宮の殺人鬼

第八階層で血の匂いに気付き、現場へと駆け付けたアルフリード達が目にしたのは、倒れた冒険者四人の死体とそこに立つ血の付いた剣を握る男だった。

「お前がやったのか?」

「うん、突然この四人組に襲い掛かられてね、結果はこの通り返り討ちさ」

アルフリードが立っていた男に問いかけると、男はゆっくりとアルフリード達の方を振り返り答えた。

「僕はこれから地上へ帰るところだからもう行くよ、君たちも気を付けてね、それじゃ」

アルフリード達へ声を掛けると男はアルフリード達の横を通り過ぎていく、そして、アルフリードの後ろに来た瞬間剣と剣がぶつかる音が遺跡の中にこだまする。

「へぇ、よく防いだね」

「殺気が漏れすぎだ」

ぶつかったのは、アルフリードの剣と男の剣だ。後ろに回った男の斬撃をアルフリードは殺気を感じ取り防いだのだ。不意打ちを防いだアルフリードはお返しとばかりに剣を振るう、それを男は後ろに飛びのきよけると一息ついた。

「おっと、危ない危ない、良いね君、さっきの四人組じゃあ手応えなくて不完全燃焼だったんだ」

「やっぱてめぇの仕業か」

「まあね、悪い?」

「当たり前だシュバイツ王領で好き勝手することは許さん」

賊がどこで何しようがアルフリードは気にしないしどうでもいいと考えているが、それが、王家が治めるシュバイツ王領となれば話は別だ、王族の責務として賊は排除しなければならない。

「アル様この者は恐らく血濡れのアルバートです。連続殺人鬼として国際指名手配されています」

ソラがアルフリードに報告する。どうやら男は国際指名手配されている連続殺人鬼で名をアルバートという様だ。

「そうか、懸賞金はいくつだ?」

「生死問わず金貨200枚です」

「そうかじゃあ殺しても問題ねぇな」

アルバートの懸賞金を聞いたアルフリードはニヤリと笑うと、剣を構えなおした。

「殺せるもんなら殺してみなよ。まぁ無理だと思うけど」

アルバートは一気にアルフリードとの距離を詰めると斬りかかる。アルフリードはアルバ―トの剣を迎え撃つとそこから激しい打ち合いが始まった。

「はははっ強いね君、それでこそ殺しがいがある」

アルバートは打ち合いのさなか不敵に笑うと高速で魔術を発動、魔法陣から風の刃がアルフリードへと襲い掛かる。それに対しアルフリードも負けじと魔術を発動、魔法陣から飛び出した大地の槍が風の刃を打ち破りアルバートへと飛来する。

「まじかっ」

自身の魔術がアルフリードの魔術に破られたことにアルバートは驚き横に転がりながら大地の槍を躱す。

そして、アルバートが顔を上げるとそこにはアルフリードの膝があった。強烈な膝蹴りがアルバートに直撃し、アルバートは転がり飛んで行く。膝蹴りを食らったアルバートは転がりながらも受け身を取りすぐに立ちあがる。その顔からは滝のように鼻血が流れている。

「まいったな、想像以上だよ君、それでこそ殺しがいがある」

鼻血をだらだらと流しながらもアルバートは笑っている。アルバートはありったけの魔力で身体を強化すると、アルフリードに接近すると眼にもとまらぬ速さで斬りかかる。しかし、それをアルフリードに指でつまんで止められた。

「何!?」

「わりぃな遊びは終わりだ」

渾身の一撃を摘まんで止められ動揺しているアルバートの首をアルフリードはあっさりと斬り落とした。

そして、アルフリードは切り落とした首を袋に詰め、ソラに投げ渡した。それを、ソラは闇の中にしまった。

「これで金貨200枚か楽だな」

「アル様そろそろ帰還しなければ夕食に間に合いません」

「じゃあ、今日はこん位で帰るか」

「今日の夕食なんでしょうかぁたのしみですねぇ」

国際指名手配犯血濡れのアルバートを打ち取ったアルフリードは八階層から帰還することに決めた。



迷宮から地上へと帰還したアルフリード一行は冒険者組合で今日の戦果を換金している。魔石や道中見つけた魔道具そして、アルバートの首を提出、突然生首を出された受付嬢は驚いて悲鳴をあげちょっとした騒ぎになったが、無事換金と懸賞金の受け取りを済ませることができた。換金を済ませたアルフリード一行は憩いの宿で夕食を取り一夜を明かした。


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