新ヒロイン登場!?
月曜日、芦原が学校に着くと妙にざわざわしていることに気づき視線を感じ取った。
周りの様子を伺うと、やはりと言うべきだろう。 芦原が愛生と恋華と出かけているながらバレてしまったらしい。
それも仕方がないのだ休日に大型ショッピングモールに買い物に行く学生が居ないわけがないのだ。
しかも、美少女と歩いているのだから余計に目立ってしまう。
なにより芦原が怪訝している事は愛生がまた怒ってしまうのでは無いかと言う事だ。
「胃が痛い……トイレに籠るか……」
芦原は生徒があまり寄り付かない離れのトイレに向かった。
「おわっ、ごめんなさい!」
「こちらこそすまないね。と、君はもしや今生徒の間で話題に上がっているああああ君ではないかな?」
廊下の曲がり角で誰かと思い顔を上げて確認したところこの学校の生徒会長ーー黛葵恋である。
美少女と言うより美人といった感じだろう。
吊り目の真っ黒い瞳に同じくらい黒いショートボブなのだがやけに触角が長い。
さっぱりとしている雰囲気で体育会系の活発な印象だが何処か妖艶な色香を放っているのはどう考えてもその胸のせいである。
愛生も恋華もそれなりにはあるのだがそれを遥かに凌駕するその胸はまさにエベレスト級である。
「ま、まぁ、そうですけど」
「君は女誑しなのかな?」
「側から見ればそうとしか言えないですね」
「ふふっ、君は素直なんだな」
「無駄な言い訳をする方が見苦しいでしょう」
「そう言う性格の人は好きだぞ」
「ありがとうございます」
「ずっと気になっていたのだが君はどこを見て話しているんだ?」
葵恋がそう聞くが最早世の男性なら分かってもらえると思うが芦原は葵恋の胸に釘付けになってしまっていたのだ。
男の本能がそうさせているのだから仕方がない。
「す、すいません!」
芦原がどうにか豊満な胸から視線を逸らせた。
「君はいつもそんないやらしい目で女性を見ているのか?」
「そ、そんな事ないですよ!」
「その慌てっぷりは怪しいぞ?」
「もうその辺にしてください俺の心が持ちません、生徒会長……」
「む、君に名前を名乗った覚えは無いのだが?」
「全校集会の時に前に出て話してるじゃ無いですか。流石に分かりますよ」
「あぁ、そうか。改めて生徒会長の黛葵恋だ。よろしくな」
「一年のああああです。よろしくお願いします」
芦原は自分の名前を言った筈なのだがこの世界ではああああ、と言ってしまうらしい。
本当にこの名前になってしまったのかと実感した。
「では、またな」
「はい、失礼します」
そうこうしている内にチャイムが鳴り響いてしまったので急いで教室に戻った。
「ねぇねぇ、ああああ君」
席につくなり隣の席から恋華が話しかけてきた。
「どうした?」
「土曜日にああああ君がA組の笹木さんと一緒に歩いてたって話し聞いたんだけどほんと?」
恋華は表情は笑っているのだがどう見ても心は激怒しているように芦原の目にははっきりと映ったのだ。
愛生が怒るのは想定していたが恋華がこんなに怖い顔をして詰め寄ってくるとは思ってもいなかった。
「あ、あぁそうだけど」
「ふーーん。因みに私と笹木さんどっちと出かけた方が楽しかったの?」
ーーピコンーー
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1.恋華
2.愛生
3.どちらとも
ーーーーーーーーー
ここで選択を間違ってしまったらもう恋華は口を聞いてくれないんじゃ無いかと思って1を選ぼうとしたが愛生と全く同じ状況になってしまった場合に愛生と答えれば流石に都合が良すぎるのではないかと言う思いが込み上げる。
どちらとも本当に楽しかったのだから素直な気持ちで言うべきだと判断した芦原は3を選択した。
「どちらも楽しかったよ。二人は違う魅力があってどっちが優れているかとか決めたくない」
「ああああ君は優しいんだね。まぁ、私が笹木さんに勝てば良いだけだからね」
「へっ?」
芦原は恋華が愛生と何を勝負しているのかが分からないため間抜けな顔になってしまった。
「こっちの話だから気にしなくて良いよ」
「そ、そうか?良かった………」
「それでなんだけど今週の土曜日も遊ぼうね」
「え?」
「だから今週も遊ぼうねって言ってるの」
「わ、わかりました」
助かったのだと安堵すると同時にまた新しい嫌な予感を直感で感じ取った。
あと1人ヒロインを登場させようと思っています!
メインヒロインは4人で進めていく予定なので今後ともよろしくお願いします!
分岐点を作ってルートを作って行こうとも思っているので興味がある方は是非下の評価の方をお願いします!