後悔と後悔と少しの期待
本日投稿二本目です!
よろしくお願いします!
芦原がキャラ名を適当に考えてしまった事を後悔しながら呆然と愛生に腕を引っ張られながら歩いていると堂々と佇んでいる建物が目の前に立っていた。
そう、この建物こそがこのギャルゲーの舞台となる高校『愛城高校』である。
「あんた本当に大丈夫なの?昨日はあんなに楽しそうにしてたのに。入学式だー!青春するんだー!って言ってたのはどこの誰さんですか?」
「あぁ、そっか入学式から始まるんだったな」
芦原が愛生に対して素っ気なく相槌を打ったのも仕方がない。なんてったって怒濤の展開すぎてまだまだ今の状況に追いついていないからである。
「はぁ……入学式始まっちゃうからとりあえず教室行くわよ?クラスが違うけど大丈夫?」
「多分どーにかなるんじゃ無いかな…確か1-C組だったよな?」
「あんたはそーだけど私は1-A組だからここでお別れね。入学式終わったらここで待っていてね。」
「あぁ、じゃあな」
芦原が愛生に別れを告げて1-Cの教室に向けて歩き出した。
「てか、説明書読んだのヒロインの名前と初めの展開だけなんだけど。ここからどーしたらいいの?」
芦原が一人ぶつぶつと呟きながら歩いていると1-Cと書かれた教室を発見した席順を確認すると芦原は最後列の一番端の席だった。
「おはよう!これからよろしくね!」
芦原が席に座ると横に座っていた美少女ーー東雲恋華ことこのギャルゲーのヒロインの一人である。
彼女はロシアと日本のハーフと言うことあって触れてしまえば溶けてしまいそうな真っ白な肌でパッチリとした青色の瞳で髪は白髪に近い金髪だ。
「………あ、お、おはよう!こちらこそよろしくね!」
芦原は目の前の美少女に眼を奪われ思考回路が全て遮断されたがなんとか動揺を隠して挨拶を交わした。
「そんな緊張しなくていいのに?」
「そんなこと言われてもなぁ、こんなに可愛い人が隣にいて緊張しないとか無理だろ」
「ふふっ、ありがとね」
「やっぱり可愛いとか言われんの慣れてんの?」
「嫌になるほど言われて来たわ。まぁそれは置いといて自己紹介しましょう!」
「なんか悪りぃな……」
「もう気にしなくていいから!私の名前は東雲恋華!あなたは確かああああで良かったよね?」
「………うん、合ってるよ」
「どーしたのああああ?改めてこれからよろしくね!っと先生来たみたい」
ーーガラガラガラーー
扉が開く音を聞くと同時に芦原は安堵を浮かべていた。芦原は恋華の話している時に他のクラスメイトからずっと睨まれていたのだ。だが何が一番芦原にとって辛かったか、それは考えるまでもない主人公の名前を『ああああ』にしてしまったからだ。今日だけでどれだけ後悔する事になるのやら……
「こんなに睨まれてたら友達も作れねぇしなにより名前変えてぇぇ………」
ーーーー放課後ーーーー
あれからも恋華の隣と言うことだけで睨まれた芦原は案の定友達を作る事ができなかった。
「まだ大丈夫一日目だしな!」
「何が大丈夫なの?ああああ、帰ろ!」
「愛生、こっちの話だ気にするな」
後悔と後悔と後悔と………それでも美少女と付き合えるのでは、と言う少しの期待をを胸に秘めて帰宅するのであった。
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