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法律の意図を無視する輩、災禍をもたらす

『AIもロボットも完全に人間の制御下にある』


ことを担保するために今なお努力が続けられているわけだが、残念ながらその意図を理解しない人間というのがいるのもまた事実。


<AI排斥主義者><ロボット排斥主義者>もその一例なのだが、実はそれらとはまた別の厄介な事例が存在するのだ。


法律の意図を無視し、ただ自分達にとっていいようにかいくぐろうという輩が。


それは、今から三十年余り昔に起こった事件だった。


中堅ロボットメーカー<マータイレン社>が、自社ブランドで発売していたメイトギアに搭載していたアルゴリズムを、ほぼすべてAI任せで作っていたということが、内部告発により明らかになったのである。


マータイレン社は、機体のコンポーネントは他のメーカーから買うことで開発費を節約し、加えて独自に<開発>したアルゴリズムを搭載することによってコストを削減、価格競争に勝利しようとしたのだが、その、


<独自に開発したアルゴリズム>


というのが、人間によるチェックは、


『ランダムに抽出した数箇所を見るだけ』


などという実に杜撰なもので、それによりアルゴリズムの開発費を抑えるだけではなく、さすがにそれだけでは逆に安くなりすぎてしまうので実際に計上された開発費は大幅に水増しされたもので、その差額を<暴利>という形で貪っていたという悪質極まりないものだったため、火星全土でマータイレン社に対する抗議デモや不買運動が起こると共に当然のこととして司法の手が入り、経営陣の九割と開発責任者の八割が逮捕されるという異例の事態に至ったのだった。


しかも事態はこれだけでは収まらず、マータイレン社の本社ビルで<AI排斥主義者>の過激派による自爆テロが起こり多数の死傷者を出すという痛ましい事件となってしまった。


さらには、マータイレン社の不正が事実だったことで、


『AIもロボットも完全に人間の制御下にある』


という大前提さえ揺らぎ、<AI排斥主義者><ロボット排斥主義者>らに、


『AIもロボットも完全に人間の制御下にあるなど嘘だ! 虚言だ!』


などと声を上げさせる根拠となってしまい、<AI排斥主義><ロボット排斥主義>が支持を集めるという結果も生んだ。


現在はこの奇禍を教訓とし、人間によるチェックが徹底されている。


はずである。少なくともJAPAN-2(ジャパンセカンド)社においてはそれが徹底されている。


なので、千堂アリシアがアルゴリズム開発班に来たのは、今日、彼女が得たデータの抽出のためであった。


なお、スペルミスなどのチェックはAIを用いて行ってもよいことになっているものの、最終的にはやはり人間がチェックすることが大前提なので、アリシアは一切タッチしない。



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