JAPAN-2社について
今回はJAPAN-2社について詳細に触れたい。
現在のJAPAN-2社は、端的に言うなら、
<限りなく国家に近い複合企業体>
である。
これは、日本に存在したありとあらゆる業種の企業が一つのグループに収まり<JAPAN-2社>という巨大企業を形成すると同時に、それ自体があたかも一つの国家のように機能している状態なのだ。
JAPAN-2社内だけで、生産も金融も物流も消費も完結しており、日本という国の支援がなくても、機能の上では独立国家として成立しているのである。
もっとも、『日本に存在したありとあらゆる業種の企業が一つのグループに収まり』とは言うものの、これは元々存在したすべての企業が参加したのではなく、母体となった複数の企業がそれぞれ様々な業種の子会社を設立し、自グループ内で融通しあっていたものが<JAPAN-2社>設立と共に、その時点ではまだ不足していた業種の企業をさらに合弁で設立していった結果、日本に存在したあらゆる業種が一つのグループ内で賄われるようになったのだ。
すべて。そう、すべてである。一次産業も二次産業も三次産業も含んだすべてがJAPAN-2社内には<部署><部門>として存在している。
一企業としては非効率的にも思えるこの形態は、地球にある日本から遠く離れた火星においては日本から資材や物品が届くのを待っていては何も進まず、かつ意思決定の効率化、流通の効率化を図った結果、生まれたものである。
故に、JAPAN-2社で働く者達とその家族は、いわば<JAPAN-2という国の国民>でもあった。
その人口は現在一千万人。<都市としてのJAPAN-2>の面積は、実に日本の関東地方の倍近くにも及んでいる。
そんなJAPAN-2社においてロボティクス部門は、国における国民総生産に相当する数値の約三割を生み出していた。
また、三次産業も含むということは芸能部門も存在しており、しかも本家である日本のいわば直系でもあることから火星においても人気のコンテンツとなっている。
それら華々しい部門もあれば、当然、あまり注目されることもない、しかし欠かせない存在である部門もある。
リサイクル品を回収したり、JAPAN-2全体の清掃を請け負う部門だ。
そういう部門は多少のトラブルが生じても話題になること自体があまりないので、どうしても問題を起こしがちな人材が当てられることが多かったのだった。




