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0.陛下は床で眠るのがお好き?

「……陛下。今、なんて仰って?」

「ですから、王妃。

 今日はお疲れでしょう。

 貴女はどうぞお気になさらず、ベッドでゆっくり横になってください。

 僕は床で寝ますから。

 ああ、大丈夫。慣れていますから。

 では、おやすみなさい」


 彼はシャルロットににっこりと微笑みかける。


 ああ、一国を治める国王陛下が寝室の床で寝るなんて、『お気になさらず』に見過ごせる王妃がいるというのならば教えてもらいたいものだ。


 それ以上説明する気もないのか、アルフォンス国王陛下は慣れた様子で毛布を手に取ると、ベッドから離れた床に一人、ごろんと横になる。

 ベッド脇で怪訝な表情のまま立ち尽くすシャルロット——ついさっき、正式に王妃にしたばかりの——に背を向けて、国王陛下はすんなりと眠りに落ちていった。


 残されたシャルロットは思わず呟く。


 ねえ、いったいどういうこと?

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