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3.猫、異世界へ降り立つ

本編的な感じです。といっても、ほぼ説明(?)回で全く進みませんが……。

軽く網膜を灼く木漏れ日にくすぐられ、俺は目を覚ました。


「ん……あぁ……?」


ふわぁ、と大きく欠伸をし、起き上がろうとするが急に壮絶な違和感を感じる。


「…… はっ…………?」


まず、うまく立ち上がることが出来なかった。


そして、どうやらここは森のようで、そこらかしこに俺の身長の少なくとも半分はあろうかという幹の太さを持つ木々が何本も生えていた。


何とか四つん這いの体勢に落ち着いたが、四つん這いをしているにしてはやけに視線が低い。

ちなみに今の俺の視線高さ=木の根位だ。

俺の背が縮んだか、木の根が大きすぎるのか。

どうにか後者であってほしいものだが…。


そして、第二に、いや、これが1番驚くべきことなのだが。


「…………!!!」


見えている腕に、毛が生えていた。

ふわふわっと。まるで猫のように。

更に見れば、全身にも毛が生えていた。

まるで猫のような毛が。


俺は文字通り四つん這いで這いつくばるようにして、丁度近くにあった、水が涌いて大きな泉のようになっている所にどうにかたどり着いた。

そして、そこに映っていた姿は…。


「…猫…だな、うん、完璧に…」


猫だった。それも、俺は動物、特に猫が好きで、今までに何匹という猫を見てきたが、純白、等と言葉で表すことができないような美しい毛色、毛並み、ルビーのような透き通る紅い瞳を持つ

…猫だった。


全く関係の無い話だが、俺はとても寝起きが良い方だと自負している。

それこそ、布団のなかで目を覚ませば直ぐに頭が冴えて、即行で布団を出られるほどに。

だが、目が覚めて一分もたっていないのだが今さえは、直ぐにでも意識を手放しそうだった。



◇◆◇◆◇◆◇



暫く唖然としながら、水面に映る猫を見つめていた。

確かに『転生したい自分をイメージしろ』と言われて、なにも考えていなかった俺が悪いのかもしれないが…。


しかし…と、

俺は再び水面に映る猫を見つめる。


昔、ぐーたらと寝ているタマを見て、『俺も猫になりたいなぁ…ははっ…』等と言った覚えは確かにあるが…。よもやそれが現実になるとは。人生とは全く想像のつかないものだなと考えさせられる。


と、そんなことを考えつつ、水面に映る猫を見つめていると、不意に直接頭へと言葉が響いてきた。


能力(スキル)・『鑑定』を発動しますか?》


能力(スキル)?鑑定?よく分からないが、字面から察するに、何かを、いや、この場合はこの猫の体を調べるのか…?確かにこの体についてはとても気になる。というか、気にならない訳がない。

取り敢えず、はいと答えておこう。


すると、


能力(スキル)・鑑定を発動します。以降は脳内で、もしくは口頭で唱えることで発動します》


という説明の後、今度は声ではなく、文字が頭のなかに浮かんでくる。


=== ===


名前:ヴァイス


種族:猫(?)


能力値(ステータス)/

筋力値:SS

物防値:S

魔法値:SS

魔防値:S

魔力量:SS


所持能力(スキル)/

通常能力(ノーマル):『鑑定』

特殊能力(エクストラ):『成長補正・極』『状態異常無効・極』『万能言語』

固有能力(ユニーク)絶対防御・固有能力(ガード・ユニーク)』『(絶対王者)


所持称号/

『転生者』『史上最強の猫』


=== ===


名前…ヴァイス……?そう言えば、確か神様が名前を決めて世界とどーたらとか言ってた様な気がするが…。


不思議と呼ばれたことも無い名前のはずなのに、全く違和感がない。いや、むしろかっこよくて嬉しいかもしれない。元の名前を覚えていないからだろうか?


それはそれとして、俺さ、結構RPGとか、ゲーム全般好きで、よくやってたんだよ。

別に、俺はこの世界に詳しい訳じゃないし、そもそもなんも知らないんだけどさ…?

これだけは分かる。


俺、もしかしてかなり強いんじゃ……。

大体のゲームとかだとSって高いステータスだし、

SSとかが最高ランクのゲームとかも多い訳だが…。


しかもそれでいて状態異常無効とかおかしいだろ!?

こんなんゲームに出てきたら間違いなくコントローラーぶん投げるか無言でGE○るぞ!?


と言うか、昔俺が猫になりたいって言ったのは、

確か丁度その頃昇進のかかった仕事があって、

そのせいで毎日が忙しくって、

それで丁度ごろんごろん…ぐでーっと気持ち良さそうに寝転がるタマを見て、俺もあんな風なスローライフ(?)を送ってみたいなぁ…という意図で言った訳で…。

決してこんな明らかにヤバい猫になりたかった訳じゃなかったんだけどなぁ…。

そもそも猫じゃなく猫(?)になってるし……。


……まぁ、俺も男ではあるし、こんな超常めいた力を手に入れて、どこかかなり喜んでいるような男心があるのだが…。


それはそれとしてと、もう一つ。


(絶対王者)ってなんだよ…意味わかんな過ぎだろ…」


そう、呟いた。



◇◆◇◆◇◆◇



これは暫く見ていて気づいたことなのだが、

どうやら、このステータス画面、持っている能力(スキル)や称号の詳細を調べられるらしい。

取り敢えず、と全部の能力(スキル)

調べてみた。その結果は、


=== ===


『鑑定』

自身が視認したもの、人、もしくは触れたもの、人の情報を、詳細に確認できる。

ただし、妨害系の魔法によって防がれる事もある。


===


『成長補正・極』

レベル上昇時のステータス上昇量が飛躍的に上昇する。また、スキル入手に必要な熟練度が低下する。


===


『状態異常無効・極』

ありとあらゆる状態異常を100%無効化する。


===


『万能言語』

あらゆる存在と言語による意思疎通を交わすことが出来る。自信が発した言葉は相手にとって最も理解しやすい言語として認識され、逆に相手が話した言葉を自身の最も理解しやすい言語へと変換される。

また、筆記の場合は、自信がこの能力(スキル)を意識して書いた時のみ、効果を発揮する。

ただし読む場合は無条件。


===


絶対防御・固有能力(ガード・ユニーク)

相手からの害意ある固有能力(ユニーク)による干渉を全て無効化する。この力は、たとえ相手の力により、星が砕かれようとも自身はその影響を受けず、ダメージを受けることはなくなる。


===


(絶対王者)

種族:猫である場合のみ、全ステータスに極大補正。

ただし、人化、変化等の変身魔法使用時には効果を発揮しなくなる。


=== ===


称号『転生者』

異なる世界から記憶を失わずに生まれ変わった者に与えられる称号。レベル上昇に必要な経験値が少し減少する。


===


称号『史上最強の猫』

猫、という括りの中で史上、最も強く、猫の領域を超えた者に与えられる称号。

この称号を有するモノは究極の存在であり、

性別が消滅する変わりに、寿命という概念が消滅する。


=== ===


取り敢えず分かったことは、俺が完全に化物性能になっているという事だ。

寿命も無いって…それ…やばくないですかね…。

…さらば我が息子。結局1度も使う事は無かったが。


いや、もしかしたらこの世界ではこの位の力が普通なのかもしれない…というかそう願いたい…。



誤字脱字、意味不明な文章等ご指摘いただけると非常にありがたいです。ちなみに、ヴァイス(Weiß)はドイツ語で白という意味です。はい。そのまんまです。それはそれとしてドイツ語ってカッコいいですよね。

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