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第2次働き方改革法案

作者: さきら天悟
掲載日:2018/04/09

201X年、政府は通称、働き方改革法案を成立させた。

裁量労働制である。

あらかじめ決めた「みなし労働時間」を基に残業代込みで賃金を支払う制度だ。

これにより労働時間は短縮でき、労働者のためと言うが、

あきらかに企業の要請である。

でも、日本経済いやシステムを支えている企業を優遇するのは当然だろう。

まあ、それが嫌なら共産党に1票入れるという意思表示しかない。


ただ、明らかに不満である。

言葉を紡ぐ作家の私としては。

(言葉を並べるだけで、紡いでいるとは言えないが)

働き方改革?

そこには本当に労働者の意志は入っているのだろうか。

間違いなく企業側に立った法案。

『働かせ方改革』と言うべきだ。


そう言えば前にもあった。

それは『競争社会』。

経営者や有能な社員はそうかもしれないが、

多くの労働者にとっては『競争させられ社会』になってしまった。

労働者は、知らぬ間に競走馬にさせられ、

その子も競走馬いや労働者に。

こうして労働者のサラブレッドが育成されていくのだろう。


話を戻す。

残業である。

なぜ、日本は残業時間が長いかだ。

問題の一つは、純粋に未知な領域に進むから。

企業は市場に最新技術の製品を提供しなければならない。

その未知の作業時間を見積もるというのは土台無理な話だ。

リスクを考えて多くの時間を確保すると無能と思われるし。

そして、納期ありきの日程。

これを優先させるなら、残業せざるえない。

でも、最も大きな問題点は上司の無能だ。

日本企業の多くは上司が方針を示さない。

まず部下に調査させる。

あまり意味がない調査と知っていても。

なぜ、しっかり調査しなかったと上司に責められないために。

だから、多くの社員は無能な上司を納得させるために

資料を作らなくてはならず、残業するのだ。

まるで国会答弁書を作る官僚のようである。

つまり、上司が率先して問題に当たり、

その解決に権限がある上司が取り組めば残業は著しく減るのだが。


しかし、この法案が十数年後、労働者を救うことになるのは皮肉である。




202X年、第2次働き方改革法案が成立した。

労働者の反逆だった。

労働者が提案した真の働き方改革だった。

それは、予想外の発想だった

「人事評価をAIにし、すべて公表する」という。

ずっと、労働者は人事評価に不満だった。

仕事の内容、残業時間より。

本来、会社にまともな人事評価ができるはずない。

評価を低くした方が、賃金が抑えられ、会社がもうかるから。

一時期、人を確保するため評価は上がったが、

AIが導入され、また評価は下がっていった。

こんな状況での正当な評価は無理なのだ。

だから、労働者はAIに頼ったのだ。

AIはすでにその能力を十分持っていた。

裁判所でも正式運用に向けてのテスト中だった。


経営者はこれを受け入れた。

会社としても管理職削減は大きなコストダウンとなり、

さらに公正さは良い社会アピールとなるからだ。




そして法案成立後10年が経った。

会社は経営者とAI、それに賃金の安い労働者となった。

賃金の安い労働者を高額なAIと置き換えるメリットは少なく、

雇用確保は企業の使命のようなモノになっていた。

資本主義社会を存続させるための。




労働賃金を抑える働き方改革、それは日本の未来を支える法案だった

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