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人生プログラム  作者: ya-you
1/1

1話 - 日常 -


電車に揺られて今日も一日


どっこいしょっと。


席に座る。通勤時間は1時間30分。

会社勤めな俺はこの電車で1時間20分かかる。

貴重な睡眠タイムだ。


女性「ちょっと」

俺「は、はい!」


目の前で立っている20代くらいと思われる俺と同じくらいの年代の女性が声をかけてきた。

普段こんなことないからびびってしまった。


女性「席譲ってくれませんか?」

俺「え・・・あ、どうぞ」


なぜか、俺は反射的に席を譲ってしまった。なんで同じくらいの年代の女に席を譲らねばならない?!

俺が早く来て手に入れた席を・・・この女!


ちらっと顔を見てみた。思わずドキッとした。

めちゃくちゃ可愛いじゃねぇかー!なんだっけ、古垣綾だっけ?アイドルの。

それに似た感じの顔だな。


女性「・・・?」


さっとスマフォを取り出して流行りのゲームアプリを開く

おっといかんいかん、見すぎだ・・・怪しまれる・・・平常心平常心

ってかこの女可愛いからって席譲ってもらえると思ってんのか?!いくら可愛いからって

堂々とそんな態度とられるとむかつくな。、、と思った矢先に目の前の小さい女の子がすっと立ち上がり

俺を威圧してきた。


女性「席譲りたくなかったの?だったら座れば?!!」


大きな声で女が俺に対して怒鳴りつけた。

周りの視線は一気に俺の顔に釘付けだ。


俺「は、はぁ!!?」


さすがに俺も切れた口調で怒鳴ってしまった。

くっそ、これから仕事でトラブル起こしたくないし、隣の車両に移ろう、うんそうしよう。


女性「逃げんのー?」


女は挑発的な声で話しかけてくる。俺は理解した。

こいつは当たり屋だ。関わると絶対にろくなことがない。

そう思うと怖くなってきた。早くこの場から逃げよう。


周りの視線を浴びながら俺は隣の車両へと急いだ。

くそ、なんて辱めだ!あの女・・・覚えとけよ!!!


俺は隣の車両に乗り移り、席を座ろうとした・・・が当然席はもう空いているわけもなかった。

俺は会社につくまでずっと立っている羽目になった。



****************************



俺は会社に着いた。もういろんな意味で疲れでいっぱいだ。

集中してコード書くつもりだったのに・・・一気にやる気が削がれてしまった。


俺はゲーム会社のプログラマーをしている。

子供のころからゲームが好きでずっとプログラムを書いて自分でゲームを作っていた。

将来の夢がゲームプログラマーで、今はその夢も叶いゲームプログラマーとして働いている。

夢を叶えるためにそれ一筋だったから彼女もいた試しがないし、今もそれは変わらない。


いいのだ。これが俺の人生。こういう人生も悪くない、そう思っている。

いや思わなきゃならないのだろう。色々犠牲にして手に入れた夢だからだ。

それほどまでに手に入れた人生をなぜ悪いと思うのだろう?思うはずない。


会社の俺の席に着き、Windows PCを立ち上げる。起動完了まで数分。

俺は椅子にもたれ掛かっていつもの起動音を待った。


が、いつまでたっても起動音がならない・・・もしやPC壊れたか?

と思い画面を見てみると、見たことがない文字が表示されていた。


「人生プログラム、やってみませんか?」


俺は頭を抱えた・・・PC起動中にこんな画面にいくなんて・・

まさか、ウイルス感染してしまったのか?!いつの間に?

怪しいサイトも見てないし、怪しいメールも見ていない。くそ、とりあえずこの画面の写真を撮っておくか。


パシャ


写真を撮った。途端Windows PCのいつもの起動音がなった。その後は普通にログインできて、

何もおかしな動作はしていない。ウイルススキャンしても何も警告はでない。


むーなんだろうな。とりあえずPC管理本部に連絡しとくか。

俺はPC管理本部に先ほどの画像を添付してメールを送った。後でPCに何か変なの

入っていないか見てもらおう。


「おはようございます。家谷くん」


上司の腑月さんが来た。敏腕の女性プログラマーだ。


家谷「あっおはようございます。腑月さん。聞いてくださいよ。今日は本当にひどいことばっかりで・・・

 PC起動したらこんな文字が表示されたし、これってやっぱりウイルスですよね。。」


腑月「あら、、何かしらこれ。こんなウイルスの報告は聞いていないわね。心あたりはないの?」


家谷「んー進入経路考えたんですけど、思い当たらないんですよね。とりあえずPC管理本部にメールしてみてもらうことにしました」


腑月「・・・そうね。何かおかしなことがあったら教えてくださいね」


家谷「はい、お手数おかけします。すみません。」


腑月「いいのよ。大事なのは異常なことが起きてからの対処の仕方よ。

それは家谷くん、ばっちりできてるじゃない。ネットワークも切断しているし、写真もとったし、メールも管理本部に送った。

優秀な子でうれしいわ。」


なんていい上司だ!腑月さん年上だけど綺麗だし尊敬するなぁ。結婚するならこんな人だよなぁ。


家谷「ありがとうございます。今日はPC使えなさそうなんで、違う仕事できるだけやります。何かあったらいってください。」


腑月「あら!それはありがたいわ!そういえば、今日は新入社員がいるのよ。OJTしてくれるかしら?」


家谷「ほんとですか。わかりました。」


???「おっはようございまーす!!!」


なんだ、この元気な女性アイドルみたいな挨拶は・・・


腑月「あら、いらっしゃい。千坂さん。あなたの席は家谷くんの隣の席ね。家谷くん、この子が新しい社員の子よ」


家谷「どうぞ、よろしく、、、っていいい!」


千坂「よろしくおねがいしまーすってええええ!!!今朝の!!!」


腑月「あら、知り合い?お友達?」


家谷・千坂「違います!!!」


まさかもまさか、新入社員は今朝のむかつく電車女だった。

本当に今日は最悪な日だな・・・・


見てくださりありがとうございます!

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