魔王側の転移者
遅いですね更新とっても。
読みづらいでしょうがお願い致します
目を開けると、目の前は真っ赤に染まっていた。
「ここは…?赤い…て絨毯か。」
記憶が混濁している。今自分がどこにいるのかわからない。
「お、気付いたか。こっちを向け。」
「あ?」
なにやらいきなり命令口調で偉そーなやつに呼ばれたっぽい。
誰だよ全く…?
頭に見えるのは真っ赤な貴金属で出来ていてその中央に紫色の宝石がはまっている王冠。
眼が赤、髪は黒、日本人の様な顔つきだが、何か違和感を感じる。
「よし、こちらを向いたな。貴様をこの場に呼んだのは他でもない我だ。我が名はレクイエム・ヴァナディース。魔帝国シェイクスピアの魔王だ。まずはこの度の召喚の非礼を詫びよう。こちらの都合で他の世界から呼び出してしまった。そちらにも都合があるであっただろうに…
ふむ、もう準備はできたか。
早速始めるとしよう。」
魔王?なんだこいつ?頭いかれてんのか?
演劇かなんかか?召喚?本当かよ。
オカルトだの、ファンタジーなんて存在するわけねぇじゃん。
魔王とか、そっち側に召喚されたってことは悪役ポジションてこと?そういう役?バカバカしい。
メイドが手で合図と敬礼をしてるな。
準備?演劇の続きの仕込みか?
「おいおい、演劇かよ?そんなことに付き合ってる暇はこちとらないんだよ。今からあー、あれだ。金の支払いいかなきゃならんのよ。今日中に払わんと電気止まっちまうからよ。」
「まだ、この世界を異世界と信じないのか?」
「そりゃ、お前の目はカラコンだろ?とくに置いてあるものも豪華に見えねえし、メイドも人間に見えた。魔物や悪魔の将軍がいるなら信じやすいんだけど、そんなんいるわけないだろ?」
「そうか、まあいい。用意はできている。」
魔王?は手を上げて
「解放しろ」
と一言。
後ろの大きな扉が開いていく。
「さあ、奴を喰らえ。」
「は?」
扉の先にいるのは…え?
なんだあれ?でかい、扉の高さ役4メートルぐらいの、スライム、か?
「はーよくこんなん作ったな。てか邪魔だからどかしてもらえる?」
「ダメだ。」
「え?」
「このスライムは溶解王獣という種類のスライムでな。伝説級の能力を持っている。
それは、触れたものを取り込み力を全て飲み込む。そしてあらゆるものを喰らい尽くす暴食の王。」
「いや説明はいいけど、こっち近づいてきてんだけど?てか、なんでも取り込むってまさか…俺を食おうとしてるってことか?」
「さあ!喰らえ!」
いや、これは演劇ではなく夢のようだな。
どうせ食われて死ぬような感覚が来れば目も覚めるだろう。さっきから思考も少しばかりあやふやだし、きっとそうだ。
ここは潔くこのスライムに食べられよう。
「わかったよ。もう、お前らはどーせ夢なんだろ?俺がこいつに食われればそれでおしまいな訳だろ?。じゃあさっさと食ってくれや。」
「む?何か勘違いをしてるようだな。」
「勘違い?夢の事か?そりゃ夢の住人が夢だのなんだの言うわけねぇし肯定するわけもないわな。」
「いや違う。そこでない。」
「あ?」
もう間近に迫るスライム?を背に向けて魔王に向き直す。まあいつ食われても構いはしない。
「お前が食われることはない。」
んー?何言ってんだ?この野郎?
てお!プニプニしたスライムの表皮が当たってる。これから喰われるらしい。
「お前が溶解王獣を喰うのだ。」
「は?」
スライムの表皮は完全に俺の体に被さった。のにもかかわらず、一向に俺の服や俺自身も取り込まれているような気がしない。
てか、夢から覚める気がしない。
「やはり、転移者の誓約は本当のようだ。」
いつの間にかスライムがいない。と、思ったら急に体が重く、なっ、て?
「おめでとう。少年。貴様は今溶解王獣と融合した。その力は君のものだ。この世界で生きていくために有効活用したまえ!」
「何言ってやがるこのクソ野郎?こちとら体が重くて動きゃしねぇんだ、どーにかしろ!」
「そいつは失敬。おい、転移者をベットに連れてけ」
「御意」
メイドが俺を軽々とお姫様だっこして連れて行く。さすがに恥ずかしいんだが!?
え?俺どーなったの?え?えーー?
ダークサイドの主人公でし。