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暇人日記  作者: 新玉ジャガ
日記帳の出来事
4/10

デート①

デート回です。

血へど吐きませんでした。理由は読んでください…………。


僕は騒がしい音が聞こえる方向に思いっきりの平手を打ちこんだ。すると騒がしい音が鳴りやんだ。

・・・なんだ,目覚ましか。にしても今日はゆっくり寝れたんだな。いつもは目覚ましがなる一時間前くらいに起きるはずなのに。


「ふぁ~~~。・・・!?」

僕は体を起してあくびをした時声が何だかおかしい事に気づいた。

「あー。あー。どうも,小野○輔です。キリ!」

なんちゅ~イケボになっとるんじゃ!!!おいおいこんなに声よかったらガチで声優とか目指せんじゃね。

そんなバカなことを考えていて今自分が置かれている状況に気が付くのが少し遅れてしまった。

部屋の中を見渡すと,白と黒を基調とする,シンプルでかつかっこいいデザインの寝室になっていた。


おっと。これはどういう訳なんだ。僕が住んでいたのは月1万3千円の風呂ありトイレ共同の築35年平屋立ての、おんボロアパートだったはずなのに。

今僕が起きたこの部屋は,まず寝室がちゃんと一つの部屋としてある。なんてうらやましい事なんだ。と言うより,もう一つ違和感を感じていたことがある。

そう,体が何だかいい感じの筋肉質になっていて、しかもスタイル抜群な体になっているではないか。

「お~~~!」

上腕二頭筋に力瘤を作りながらほれぼれ眺めていると,枕元に置いてあった,スマホが鳴りだした。

電話の相手は美麗になっていた。

そう言えば夢の中できれいなスーツ姿の女性が名前と写真を見せてくれた事を,思い出した。

あわてて電話をとった。


「もしもし?りょう~。今日の約束忘れたの~」


・・・そうだった。この日はデートの日だったんだ。な

んかイケボになったりスタイル抜群になったりと奇想天外な事のオンパレードだったので,すっかり忘れていた。


「あぁわりぃわりぃ。忘れてたわけじゃなくて,ちょっと着て行く服を決めかねていたんだよ。ごめんね」

・・・なんだ?僕,なんかしゃべったか?なんだか口が勝手に動いたような気がする。

と言うよりも,なんだか記憶がおかしい。

今までの暇人な生活をしてきた記憶と,もう一つ別の人生の記憶が存在していた。なんとも,リア充な記憶ばっかが存在していた。


いいなぁ。おいしい事ばっかしてんな。いや。今は僕の記憶でもあるのか。確か夢の中の女性は「起きてみればわかります」っと言っていたがもしかしたらこの人の記憶がある中に、僕と言う人格の記憶を入れ込んで,自我を僕の方に移しこんだのかもしれない。


僕はそんな,ぶっ飛んだ事を考えた。まぁこういう感じに解釈しないと今置かれている状況は,僕には到底理解できない。

「ねぇ~。聴いてる~。ちゃんと待ち合わせ時間には間に合わせてよね!」


電話越しで,彼女(だと思われる)美麗がしゃべりかけて来た。僕が今の状況を飲み込もうと必死に頭をまわしていたので彼女のことをすっかり忘れていた。

「うん。それは,大丈夫。確か11時からだよね。待ち合わせは××駅だよね?バッチし決めて行くよ」

「うんわかった!それじゃ~。またあとでね」

「おう!」

ピッ。

・・・これから戦争が始まる。服選びと言う名の。

なぜかというと僕にはファッションセンスの欠片もない。

どこに行くのも,たいがいジャージに左右非対称のスリッパ。

コンビニに行くのは,寝巻で十分というダサさぶり。そんな僕に着こなせるような自信は・・・。


いや。そう言えばこいつの,菊池亮輔の記憶がある。

このリア充真っ盛りのイケボでスタイル抜群な人間の記憶が。


と言うか,今思ったがちゃんと自分の顔を,亮輔の顔を見ていなかったな。そう思って,洗面所に向かって行った。ついでに部屋を出る前に時計を確認。9時32分を示していた。


まだ時間はあるな大丈夫。そんなことを考えながら,洗面所に行ったが,なんだこのリッチな間取りは!なんだよこれ!独り暮らしで住む部屋じゃねーだろ!

間取り的に2LDKくらいはあるぞこの部屋。


おい!亮輔。ガチ金持ちなんじゃないの。うらやましい。僕にこづかいちょうだいよ。月に2,3万くらいはいいだろ。

なんて考えながら,洗面所の鏡を見た時,僕は絶望という言葉を改めて理解した。


・・・わかっていたんだよ。すんげ~イケメンじゃねーか。クソッたれ。少しでも元の僕にその一部をくれよ。

でもまぁ,今日はこいつ自身が僕な訳だしそれで良しとしますか。

僕は,亮輔の記憶を頼りに,と言うか日常的に慣れたような手つきで髪の毛をセットし,その後,クローゼットの中から白いスキニーパンツに,上は赤のTシャツ。上に紺色のカジュアルなジャケットを羽織って,指にはシンプルなデザインのシルバーのリングを右の人差し指にはめ,胸元には彼女から貰った(と記憶されている)ユリの紋章がくり抜かれたドックタグを付けてから,もう一度鏡の前に行き再度確認した。


うん。かっこいい。なんだよ僕かっこいいじゃん。っとなんかナルシスト感が半端なくにじみ出てきた事に,キケンを察知し僕は少し自嘲することにした。

そうしなければほんとに気持ち悪い人に見られそうで怖かったので・・・。これも暇な生活を独りで過ごしていた時の性格があとを引いているんだな。

人の目を過度に気にしながらも,それでもそれを察知されないようにずぼらに生活していた僕の繊細な心が・・・。


そうこうしていると約束の時間まで後1時間を切ろうとしていた。

確か××駅までは歩いて20分くらいはかかったな。

まだご飯を食べていないんだよな。さっきからお腹が「めしぃ~」っと叫んでいるようにグ~っとお腹がなった。


適当なもので済ませようと思い、確か冷蔵庫にマヨネーズが入ってたような気がしたので,マヨネーズでも飲もうか・・・。

まてよ,その記憶は僕の記憶で、亮輔の記憶上では確か,サンドイッチを作り置いていたはずなので,冷蔵庫に食べに行った。

咀嚼していると,ふと気になる事に気づいた。

まぁ気になることはこれまでもたくさんあったわけですが,テレビを見ていると,なんだか僕の知っているニュースとはなんだか違うような出来事が,ちょくちょく出て来た。こんなに極端に変わるはずないと思うんだが,と思っていると待ち合わせ時間の23分前になっている事に気づきあわてて食器を片づけて,スマホと財布をセカンドバックに入れて,急いで駅に向かって歩いて行った。


すいません。次回はちゃんと彼女だしますのでご了承下さい。

次回こそ、干からびる可能性が大です………………。

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