一週間目 ①
まだまだ本格的な話じゃないです…………。
読んでいったらまだほかに注意書きがしてあった。
<どの日からやり直すかその日にちの下部にある□にチェックを入れてください>
などと言った注意書きが書いてあった。
ほかにもあったがまぁめんどくさいから後から読むことにして,書いてあった内容を自分なりに噛み砕きながら考えて行った。
結局のとこ自分が思った日にち戻せれてその書いてあった添削内容の出来事がほんとかどうかわからないが自分の身に起こるかもしれないということは分かった。なんとなしにそう思っていると俄然気分が高揚してきた。僕はその気分のまま一週間分の日記を読み進めて行った。
<4月15日
今日は初めてできた彼女との初デートの日だ。まぁあんまりこういう日記は書かないけど楽しみだから朝早く起きてしまい手持ちぶたさになってこうして日記に書いている。さっきも髪の毛をセットしたりして服も何にするか決めたけど一度吟味し直そうかな~♪あぁ~ほんとに楽しみだ~♪>
・・・・・・。なんのこっちゃ。今の今までモテたことのない僕にそんなことが起きるはずがない。つか,短いな。そんなことを日記に向かって毒づきながらすぐ奇妙なことに気づいてしまった。
内容も内容だが,僕は昨日の一日しか日記を書いていないのに添削内容は昨日より一週間前のものから日付が打たれている。
そんなに深く考えなくてもいいことかもしれないが・・・。
そのまま次の日に読み進んでいった。
<4月16日
今日は僕がやっとのことで採用されたコピー機関連の会社の初出勤の日だった。
今まで親に「もういい年なんだからちゃんとした仕事をしなさい!」っと言われ続けて来たので自慢げに出勤してきますとメールしたら「そんな報告するくらいならちゃんと勤労しなさい!!」と電話で怒鳴られてしまった・・・。そんなに強く言われたら心折られちゃうよ・・・。そんな気持ちで出勤してきました。>
おっと。いきなり現実じみた内容だな。
親からの電話もなんかそれっぽい感じだしな。あと,すぐ心折れそうになるとことかも・・・。
まぁ現実にはコピー機関連の会社すら入れる訳がないのだが。ある意味ではこの内容もいい内容だな。
こんなニートまがいなやつが就職できるなんて,普通の社会人になれるなんて夢のまた夢だもんなぁ。
さっきの彼女の話よりも今後のためにもなりそうだしな。収入もあればこんなボロいアパートからも出ていけるしな。そんなひそかな願望を胸に秘めながら,読み進んで行った。
<4月17日
今日は朝から大忙しだった・・・。隣の家が火事になってしまい僕の住んでいる木造二階建ての築57年の古アパートにもうちょっとで火がうつりそうになっていた。運よくその火事のあった家の人は外出中で火事の原因はその家の旦那さんのたばこの不始末だったそうです。そのあとご迷惑をおかけしましたと,迷惑料として100万円の小切手を手渡された時には正直ビビった。そのお金をもとに何をしようか考え中です。>
「おお!!金もらえんのか!!」
欲丸出しで叫んでしまった。
そんな声が隣の住人に聞こえたのか隣でッドン!!っと壁を思いっきり叩く音が聞こえた。
いや。ほんとなんかすんません。隣人さん。っと心の中で謝罪しながらも,この日の内容は予想以上だった。読んでいてこの日なんかほかの二日よりもぱっとしないなと思っていたが,最後にいいことが起きてんな。
つか,100万円か~。何に使おうかなぁ~。まぁ現状は貰えてないんだけどね・・・。だが是非ともこの日にも行ってみたいもんだな。
なんとなしに読んで行っていると,僕はこの日記に暇つぶし以上のことができるのではないかと思い始めた。こんな日記を読むだけでも楽しくなってきた。そんな好奇心に駆られた僕は前向きにこの添削内容について考えだした。
<4月18日
・・・。なんでこんなことに!!つい叫んでしまいそうになる一日だった。>
なにがあった!!おい!これだけかよ。いくら文章力のない自分でももうちょっとは文章かけるぞ!起承転結守ってかけよ!添削したんじゃないのかよ。
などと思いながらも,なんとなくこの日は回避した方がいい事だけは確かな日だな。うん。
やはりいい内容ばっかではなさそうではあるな。
さて,次で最後の添削になっているようだ。どんなのかと読んで行くと自分は目を疑った。
<4月19日
今日は初めて学校での体育がありました。僕はドッチボールをする班に加わりみんなで楽しく遊びました。>
短い文章だったがその文には意味不明な事だらけだった。
いまの自分は学校なんて通う年でもないし,しかも学校の体育でドッチボールをするなんてまるで小学生・・・・・・。
そんなわけないよな。いくら日記に赤字で添削が書かれていても,一週間もの時空移動すらできるはずないのに,十数年となると,これはまた信じがたい内容になってきた。
「なぁんだ・・・。やっぱでまかせかな。たしかに赤字でこんなこと書かれてたらちょっとは信じたけど,小学時代に戻れるなんて信じられんな」
僕はその日記を閉じ布団の上にぽーんと投げた。
それから寝巻のまま朝飯調達のために,コンビニへとことこお腹をぼりぼり掻きながらいった。
扉が閉まると同時に布団の上に投げ捨てられた日記が勝手にパラパラとページをめくり,あるページで止まった。
そこに書かれていた赤字の内容は,
<なお,添削内容は筆者の行動一つで改変できる可能性もあります>
だった。
次回やっと説明が終わる………はずです。