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うみマニアのやりこみ冒険記  作者: ふんにゃり
 闘魚(ベタ)の章
84/145

第76魚 1月13日~1月15日⑩

 6回戦終了後控え室にて


 「勝ったってのに酷いブーイング受けちまったぜ……。ナックルだけで倒せたと思ったんだけどなぁ」


 控え室でヒロはベルダンディの体力を一度削りきったのに生きていた為見せるつもりのなかった4つ目の武器を晒してしまったことを少し後悔していた。5本目は槍による攻撃なので斧までバレてしまっては対策をとられかねない。とられたところで問題ないかもしれないけどな……。


 そう考えている所に控え室に入ってきた人物達がいた。


 『貴方って女の子相手でも容赦しないのね。私が観戦席に着いたとき丁度妹が真っ二つにされるところだったから驚きすぎた上、怒りの余り乱入しそうになったわ』

 『私は最初から見てたけどお兄さん強いですよねぇ。もしかしたら3回戦で戦うかもしれないからよろしくね。あと私にもあの技使っても良いですよ?避けて見せますから!』


 ウルドとスクルドである。後ろには『ごめんね。つけられちゃった』と手を合わせているベルダンディの姿もあったが。



 「その姉妹さん達は妹さんをぶった切った俺に文句を言いにここへ?」

 『いいえ?そのことは別にリアルじゃないからいいのだけど……妹から聞いたのよ。陣営を移籍するってね。妹が移籍するなら私も大会後にでも条件次第で移籍しようと思ってね?いいかしら?』

 『あ、私もです!』

 「……妹さんを巻き込んだとはいえ何でまたこんな弱小陣営に入る気になったのかはまあ良いとして条件と言うのを聞いても良いですかね?」

 『えぇ、スクルドも似たような条件だから一緒に話すわね』


 こうしてウルドさんから【魔王の陣営(仮)】に入るにあたり条件を出してきた。ヒロとしては予選を見る限り二人とも火力としては問題ないと判断していた為誘ってみるつもりだったので手間が省けると言うものだ。


 ウルドからの条件は①武器の支援②陣営のホームとなる場所(集まれる場所)があること③早熟期間終了後の育成手伝い(稀にPTを組む程度で良いとのこと) の3つ。

 スクルドからはウルドと同じく①~③に加えて④お兄ちゃん と呼ぶことの許可だそうだ。


 ……何故お兄ちゃん……



 「……わかった。その条件なら問題はない。ウルドさんとスクルドの加入に関しては、明日の大会2日目の終了後に気持ちが変わらなかったら連絡をくれ」


 『一日くらいじゃ気持ちは変わらないと思うけど分かったわ』

 『それじゃ、お兄ちゃん。多分また後でね!』

 こう言うとウルドさんは観客席にスクルドは次の試合だったので転送の光に包まれていなくなった。


 「……ベルダンディさんは賭けで負けたから決定で良いよな?とは言ったが無理強いはしないけどどうするよ?」

 『流石にあそこまですっぱりと斬られちゃったら負けを認めないといけないものね。加入するに決まってるわ。あとこれからは ベル と呼んでいいわよ。私もヒロって呼ぶから』

 「おう、そいつは助かる。実は言いにくかったんだw」

 『……だと思ったわ。これからよろしくねヒロ』

 「あとで残りのメンバーの紹介……っていってもハヅキとベルが予選で斬ったメリルしかしないけどな」

 『予選で?……あの鍋の子かな?』

 「そうそう。覚えてたんだな。ベルに取っちゃ有象無象になってると思ったが……」

 『もちろん覚えてるわよ。クラスは違うけど同じ学校の留学生枠の子だもの』

 「同じ学校の相手を斧でぶった切るとか……ベルお前何気に酷い奴だな……てことはハヅキとも同じ学校ってことだな」

 『え?鍛冶師の子も一緒の学校?……あんな可愛いのに私の記憶にはないんだけど……』

 「……さすが女子高ってことか。この発言もしかして人選誤ったか……?」


 この後、ベルに【陣営勧誘ひきぬき】を使いベルの所属していた【空の陣営】から【魔王の陣営(仮)】に無条件移動させたのだった。




 ちなみにこの作業の間に七回戦も八回戦も終わってしまっていた。

 ……すまんハヅキ。可愛い君の姿を見なかった俺を許してくれ……



 七回戦の勝者はやはりスクルド。相手を寄せ付けることのない魔法の嵐で試合時間5分で終わらせたようだ。


 八回戦のエンオウVSハヅキだがエンオウは【爆発魔法】よりも強力な【大爆発魔法】を使いハヅキを倒したらしい。ハヅキも所持していた錬金アイテムで善戦していたらしいがまことに残念だ。

 ……まあ勝ち残っても見た限りスクルドに負けただろうけどなぁ。


 個人戦ニ戦目の組み合わせはこうだ。

 2-1戦目 ウルド     VS アーデルハイド

 2-2戦目 ジャン=ジャックVS シャカ

 2-3戦目 クラウド    VS ヒロ

 2-4戦目 スクルド    VS エンオウ



 2-1戦目 ウルド VS アーデルハイド は非常に見ごたえのある戦いだったと言えるだろう。現時点においていわゆる魔法の頂上決戦と言うにふさわしいものだった。

 ウルドは封印解除された【豪雷魔法】と巨大な斧を使った戦いをした。アデルの奴も【融合魔法】でオリジナリティ溢れる魔法でウルドの攻撃のことごとくを潰した。

 ……それにしてもアデルの奴完全に魔法型だったんだな。となると相性悪いかも知れんなぁ。ウルドさんも【豪雷魔法】使う以上俺の天敵だしな……どっちも負けて欲しいぜ。頼むぜ?つぎ戦うであろうジャックよ!


 試合時間25分を超え互いに疲労が見えてきた頃【豪雷魔法】の詠唱をミスしたウルドが、アデルの放った土と火の【融合魔法】で体力を削られ敗北した。



 2-2戦目 ジャックとシャカの戦いは言う間でもないがジャックが勝利した。うむ、ジャックの手の内くらい晒させるくらいはして欲しかったぜシャカよ。



 そしてとうとう因縁?……いや腐れ縁の対決が始まろうとしていた。

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