表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うみマニアのやりこみ冒険記  作者: ふんにゃり
 鯉(コイ)の章
73/145

第65魚 1月4日~1月12日⑫

毎日更新を目指してますがいつ止まるかわかりません。


修行自体は終わりましたが修行編は後1話ほど続きます……きっと。

 1月9日午後20時00分


 夕食を終えてログインしたヒロはシーベビー(雷魔法Ver)を戦闘訓練をしている。

ケルピオーネと全く同じ魔法という訳ではなかったが、雷魔法に慣れるという意味では都合のいい相手だ。


 ケルピオーネのおもな雷魔法は放射状に発射される【サンダーネット】と単体高威力魔法【ライトニングブラスト】でシーベビーの雷魔法はフィールド設置型の罠魔法【トールズトラップ】と【サンダーネット】だ。

 シーベビーの魔法とはいえ、どの魔法でも食らったら非常に大ダメージを食らうので非常に良い訓練となった。


 23時15分


 この日の修行でコソコソ使ってきた【土魔法】がレベル最大になり、既に最大レベルとなっている【風魔法】と一緒に上位進化させるべくスキルリストを開くと


 【風魔法】からは【中級風魔法】と【雷魔法】と【霧魔法】

 【土魔法】からは【中級土魔法】と【樹木魔法】【雪魔法】

が派生していた。


 ここでまずは【土魔法】の派生である【樹木魔法】から取得することにした。なぜかというと【樹木魔法】は【船大工】との組み合わせで派生スキルがでることがわかっているからだ。


 【船大工LV20】+【樹木魔法 LV10】=【修復リペア師】 これのことだな。


 そして【風魔法】の方だが、こちらは先ほどまで【雷魔法】の回避訓練をしており嫌なイメージを持ってしまっているので【霧魔法】を取得していた。【霧魔法】であればいらなくなった場合でも【水マニア】のエサにできるだろうからな。



 23時30分


 ここまでのスキル取得を終えログアウトした後は、いつもどおり修行で擦り切れた精神を癒す為、葉月との会話の時間である。


 「もしもし~こんばんわ~」

 『もしもし?洋さん。今日もお疲れ様です。私の方も洋さんから頂いた新しい素材のおかげで生産スキルが30を超えて生産スキルに派生が出てきました。もちろんすぐに取得しちゃいましたよ~』


 「おぅ。それはよかったぜ。……それで新しい派生って情報掲示板に載っているものなのか?」

 『いえいえ、私もついさっきログアウトしてから調べてみたんですけど、全く新しいスキルみたいなんですよね。私としては情報公開するか迷っているんですけど……』


 「ふむ、それって俺に教えてもらえるか?」

 『はい、もちろん構いませんよ。洋さんのおかげで他の人より早く成長できているんですから!……じゃあまずは新しいスキルの名前からですけど【天啓鍛冶師オラクルスミスLV1】といいまして取得したら鍛冶以外の育てていた生産スキルも3つ消えちゃいました……。取得してから条件を見たんですけど【中級鍛冶LV30】・【中級錬金LV20】・【中級道具製作LV20】・【中級彫金LV20】ですね。

 まあ【中級調薬】だけでも残ってくれて安心しましたけど……』


 「うはぁ……それはまたメインスキルがごっそり減ってしまったなぁ。折角いっぱい育ててたのにきついもんがあるだろ」

 『そうですね。それで新しく取得した【天啓鍛冶師LV1】なのですが、ためしに生産作業を行ってみたのですがスキル熟練度が全く上がらなくて困ってますね。その代わりに製品作りの成功率は低いんですけど作ることができれば基礎攻撃力が半端なく高いものが作れたんですよ』


 「それはつまり、生産成功率が下がったけど生産成功した場合は強い武器が作れるようになったと?」

 『その認識で大丈夫だと思います。スキルをとってから10本ほど武器を打ってみたのですが1本しか成功しなくて……素材費用が高くついちゃいましたよ』


 「成功率1割程度なんだなぁ。そのまま【天啓鍛冶師】を育てるよりも消費したスキルの取り直しをしてやり直してたほうが良いんじゃないか?」

 『あ、それはもう下級から取り直しは完了してるので大丈夫ですよ。この取り直しのおかげで私もスキルペナルティでちゃいましたけどね』


 この後も続く会話で葉月ハヅキはどれだけ新しいスキルを取得する際にスキルを消費することになっても生産スキルを取ることはやめないと明言しており カッコエエ! と思ったのは内緒だ。


 その後もスキルについて楽しく会話をしていると葉月が突然

 『あ!そうだ洋さん!この前私に【看破】を取得した方が良いって言ってくれましたよね?なのでこの数日頑張って【鑑定】を進化させましたよ!』



 この会話で思い出されるのは、今ヒロが装備している2本目の槍のあの説明文だ。今までのハヅキの鑑定では武器の性能と作る過程に使った素材の説明しかよめない。【看破】になると更に詳しい説明文が表示されることなどきっと知らないだろうからな。


 洋は葉月の作る装備が色々な意味でどれ程異常なすごい物なのかを思い知って欲しかったので【看破】取得を勧めたのだが、いざこのネタバラシのタイミングになるとやはり葉月の反応が心配になってくる。

 だがここで葉月自身の作る装備がどういった評価を受けているかを知れば喜ぶだろうか?……いや、あの表現はどう見ても喜ばれる説明文ではないよな。


 『どうしたんですか突然黙ってしまって……?』

 「あ、あぁ悪い悪い。少し考え事してしまったぜ。看破を勧めた理由だけど、自分で確認したほうがいい物なんだ。そのアイテムを明日渡すから夕方にでも会おうぜ」

 『はい、分かりました。それでは明日に』




 1月10日 17時15分


 学校を終え、葉月にメールでログイン時間を聞くと、この時間にくるというので約束の時間通りログインしたヒロはハヅキの露店へ急ぐ。


 「やあハヅキ。この槍を看破で見てくれればいい。俺はすぐに転送されちまうから見届けられなくて悪い。じゃあな!」

 『え?あ、はい。いってらっしゃい』


 転送された後は、いつもどおり23時まで修行をこなし魔法スキルの育成を行った。

 意外に【霧魔法】が使えるものと分かったが全体的な説明は次の機会にしようと思う。



 23時30分


 ログアウトしたヒロはハヅキに電話を掛けてみたがハヅキが電話に出ることはなかった。






 1月11日 17時00分


 この日もログイン前に葉月に電話とメールをしてみたがどちらも反応がなく心配になったがどうすることもできそうにないので今はできることをやろうと思いログイン。


 そしてこの日の修行はケルピオーネとのリベンジマッチを行い、ヒロは【霧魔法】の〔魔性の霧マジカルミスト〕を使うことでケルピオーネの使う雷魔法を回避しリベンジ成功となった。

 この〔魔性の霧マジカルミスト〕は確率で呪文の効果を無効化する能力を持っていて、対魔法使いに役に立つ魔法である。


 この日、ダゴンとオケアノスの二人から本来の《序の口の入り口コース》は修了認定をもらうことができた。だがまだ丸一日残っていることもあり、ヒロは先日行った村(ハーフの人が多く住む村)で生産スキルを育てられないか考えたのだ。前回訪れた時は鍛冶屋と村の広場しかまともに見ていないので他にも有用な施設があるかもしれないからである。




 22時00分


 再度オケアノスに乗せてもらい村に着いたとき

 『これで今回の修行は終わりだから、ここでお別れにしようか。あとログアウトしたらアーリルに戻れるからね』

 「えらい突然だな……。まあしょうがないな。一週間世話になったな。ダゴンにもよろしく伝えてくれ」

 『どういたしまして?あとダゴンちゃんはもうシークインと一緒に沈没船に帰ったよ』

 「……はやいな」

 『あ、そうそう、認定ついでに例の指輪の封印一つ解けてるから後で確認しておいてね?それじゃーねー』

 「え?ちょおおおまてぇぇ!ってもういねぇし。……指輪の封印を解かないことが修行参加の条件だったはずなのに両方とも終わってしまってるとか、俺騙されてんじゃん……」


 村の有用な施設を探すどころではなくなったヒロはすぐに指輪の確認してみると確かに封印が一つとかれていた。



 六海星封神の指輪(解除済み=★★・未解除=☆☆☆☆):封印を解く毎に所有者に有利な能力が開放されていくアクセサリで最後まで封印が解かれると真の姿が現れる。※取引不可・他人からの閲覧不可・ユニーク装備

 ★=危険な場所で行動すればするほど行動ボーナス(スキル熟練度獲得量)が多くなる。

★★=固有能力アビリティ【新陣営作成】・【陣営勧誘ひきぬき】・【陣営クエスト作成】を使用可能となる。

★★★=以降不明。封印開放されるごとに発現。



 「戦闘には役に立たないものでよかったぜ……って、んな訳あるか!なんだよ!【新陣営作成】って!!

説明文どおりどこまで俺得な展開になっていくってんだぁ」


 その後もヒロはNPCしかいない村で喚いていたが鍛冶屋のおっさんに営業妨害だ!と叱られ正気に戻った。渋々ながらヒロは村の中を散策していたのだが鍛冶屋以外は見つからず村の外へと出ることにした。


 そこには古びた桟橋と壊れかけた船が何隻か、あとはなぜか木材があったので気分治しをかねて【船大工】スキルを使い壊れかけた船を全て修理した所数をこなしたことでボーナスがかかりすごい勢いで【船大工】スキルが成長した。



 渡漁船:漁に行くことが可能となる船。船自体の耐久力は普通なので強いモンスターに襲われると壊れるので注意。耐久値8200/8200



 黙々と船を直す作業を繰り返した後村に戻ってきたヒロは鍛冶屋のおっさんが入り口に立っているのが見えた。どうやらヒロを見ている(睨みつけている?)ようだ。

 ここでヒロは置いてあった木材を勝手に使用し船を直したことに気づき、やっちまったぁ……という表情になった。そんな心配をよそに鍛冶屋のおっさんはふと目つきを緩めて笑いながらヒロに話しかけてきた。


 『おう!魚人の兄ちゃん!おめぇ船大工もできたのか!?……いやぁ助かったぜ!実はおめぇが直してくれた船だが村の者で直そうとしても修理ができる奴がいなくて困ってたんだ。だが、おめぇのおかげでまた漁に出ることができるぜ。コイツは礼だ。受け取りな!』


 気分転換で勝手に行った船の修理クエストが発生し、いつの間にやら消化してしまっていたようで、鍛冶屋のおっさんからは序盤とは思えないほどの大金(事実このクエストは序盤で受けれるものではない)と古びた航路図をもらえた。

 古びた航路図は、へーゲンベルグ神国の主要都市のひとつである港町セレナルへの航路が書かれてある。セレナルへ行く機会があればこの航路図を船乗りに渡すことでこのハーフ族の村の外界との交流は再開しそうである。

 この事から航路図を入手すれば新しい場所へいけるようになることが分かり掲示板に載せておこうと思った。





 0時30分


 その後もハーフ族の村で細かいイベントがあったのでできるものは全て消化していった。鍛冶屋のおっさんからもらった報酬に比べると大したことはないのだが、アーリル・ウッドデックの次に訪れるべき央都メルビルにも到達していない状態ではこの時点でもらえる鉱石や宝石は波紋をもたらす素材になるに違いない。早めにハヅキに渡して加工してもらいたいと思う。


 こうしてハーフ族の村で現在やれることを全て終わらせたヒロはログアウトし就寝するのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ