第56魚 1月4日~1月12日③
修行編って意外と難しいなぁ。もっと簡単に纏めるつもりだったのに纏めようとするとなぜか逆に文字数が増えてしまい……。(他の方のものよりは少ないんですけどもねぇ)
読みにくかったら報告くださいませませ。
同じようなネタの使い回しをしているようで申し訳ないですが、おそらくグダグダになってしまいそうです。(修行編がということではなく全体的に表現が難しいのと作品に混ぜていける難しい言葉を知らないのが問題になっております)
本編次話は1月5日6時に予約済みです。1月4日中は気分がよければクラウド辺りの閑話を入れるかもしれません。あくまでも かもですがね。
1月5日朝6時30分~7時20分
何度も言うが洋の朝は起きて顔を洗い近所を走りこみをするのが日課である。とはいえ洋の住む辺りも最近はだんだんと冷えがひどくなり、外に出るのが億劫になるものである……。
「はぁはぁ、さみぃな。今日は一段と冷えている気がするぜ」
そんな事をいいながらも自宅~四龍飯店前を経て、自宅から直線距離で15分の距離にある大型ショッピングモールの吹き抜けを全力ダッシュで走り抜けていく。
『海島君、今日も走ってるのね』
そう声を掛けてくるのはおなじみのフレアさん……ではなく四龍飯店の陽華さんだ。
洋はこの時間にショッピングモールを走っていると7割くらいの確率で陽華さんに声を掛けられている。
それというのも彼女はショッピングモールの近くにある問屋で四龍飯店で使う食材等の仕入れを担当しているからだ。とはいうもののメインに使う肉等はもっと早い時間に親父さんが仕入れ済みなので、陽華さんが担当するのは調味料や、ちょっとした野菜に店の備品などである。
「おはようございます。陽華さん。相変わらず重そうな荷物ですね。もしなんでしたら手伝いますよ?」
『いつもありがとうね。今日はいつもより重かったから助かるわ。……じゃあお願いするわね』
洋が声を掛けると出会った頃は遠慮していた陽華さんだったが、最近は言っても言わなくても普通に持たせてくる。
洋としても、美人な陽華さんと話ができるのでこの時間は有意義だ。陽華さんがフラグメントをプレイしていると知ってからは大体四龍飯店まで戻る時にその話で盛り上がっている。
『私……というか私達ね、昨日終わったイベントダンジョンで称号を取れたのよ』
「へぇ?そうなんっすか?ちなみにどんな?」
『《迷宮攻略者》って言う称号で効果は迷宮内取得熟練度2%アップだったかしら……』
「……2%って……微妙っすね」
『あはは。まあね。でも私にとっては初めて取得した称号だから嬉しいのよ』
とこういった話をしながら帰路についていた。
8時00分
「とうとうログインすることになっちまったか……。まあしょうがないか約束は約束だからな」
洋は食事を終えVR機器の前で気合を入れなおし、フラグメントへとログインした。
こうしてヒロとしてログインした後は持ち物の確認をしておく。一応昨日落ちる前に今日使うと思われる回復アイテムと料理をハヅキやメリルから購入済みだ。新しい槍も昨日ハヅキから受け取ってあるので多少はマシになっているはずである。こうしてログインしてから5分するとヒロの体は転送の光に包まれまだ見ぬ国へと飛ばされていった……。
『やあ、ヒロ待ってたよ』
『ワラワを待たせるとは100年早いわ!』
ヒロが飛ばされた場所は深海の神殿のようだ。そこで声を掛けてきたのは少年と美女もとい五大海魔王の一角であるオケアノスとダゴンである。
そして少しは覚悟していたとはいえ朝っぱらからダゴンの姿は目に毒である。沈没船と同じ格好では目のやり場が……沈没船内は薄暗いのでくっきりとは見えないのだが、朝のこの時間にそのような大きな山を頂上部分まで見せられては純粋?な高校生として困る。
「お、おはよう?……なあ、ダゴン。頼むから何かを羽織ってくれないか?健全なプレイヤーからするとこれはイケナイ視覚状態なんだよ……」
そういいながらもヒロの目線はその一点?をロックオンしてしまっているのだから性質が悪い。
『む?なんじゃ?ヒロよ。体を隠せとはワラワの体が醜いとでも言うつもりかの?事と次第によっては……』
『あー、あぁ、ダゴンちゃん。そういう意味じゃないと思うよ?ヒロは人という目線で困ってるんじゃなくて性別的な問題で困ってるみたいだから……ハイコレ上げるから上から着といてね』
グチグチと不満を言いながらもダゴンは、オケアノスが気を利かせて渡したコートを着てくれたのでこれで本題に入ることができるようになった。ちなみにオケアノスがダゴンに渡したコートを看破してみた所恐ろしい事実が表示されたいた。
極・魔王のコート(女性用):陸、海、空のそれぞれに存在する魔王(女性)が着れるイベント専用装備。
効果:体力、精神力、攻撃力が5倍になり体力の10%以下の全てのダメージを無効化、状態異常にかかる可能性99%カット。
「イベント専用装備じゃなかったら……ち、チートや!チーターや!と心底いいたい気分だな……てか魔王って海魔王だけって訳じゃないんだなぁ」
ちなみに沈没船時に看破した時のダゴンのステータスはこちらだ。
五大海魔王ダゴン 魔王/水棲/ボス
体力 2558000
精神力 1825000
攻撃力 9500
……この数値が5倍になるといえば先の叫びにも共感してもらえると思う。だが、俺としてはこれはイベント用ステータスであり攻略組達がストーリー進行上でダゴンと戦う場合はかなり弱体化されると思っている。俺はもうダゴンと戦う気なんて全くないぜ?仮に戦うことになったとしても、逃げるか大人しく死ぬ事を選ぶだろうな。ついでに言うとオケアノスの看破結果はダゴンよりも上とだけ言っておこう。
そんな二人がヒロの修行に付き添っているので安心と不安がごちゃ混ぜになっている。
『さてと、ヒロ。改めて……ようこそ僕の支配領域である破海溝フィールド(通称魔の海域)へ!僕らがいるこの辺りは君たちが言う《へーゲンベルグ神国》のエリアに当たる。先ほどまでヒロのいた《ハルツォーネ共和国のアーリル》とは何もかもが違うので戸惑うこともあるだろうが僕たちがフォローしてあげるから修行を頑張ろうね』
『クックック、ワラワも戦い以外の目的で自分の支配領域から出るのは初めてじゃ。おぬしの指導に熱が入り過ぎないように注意せんといかんな』
「マジでお手柔らかに頼むぜ?魔王様たち」
こうして始まった修行だったがオケアノスは初めから戦闘による修行をさせたわけでは無い。おそらくヒロが底力の3倍くらい力を発揮できればこの辺りの最弱なモンスターなら倒せるというからだ。そしてそのためにますは知識を教えられた。最弱モンスターの知識だけだが知っていると知らないでは大違いだからだ。たった1種類のモンスターだが覚えることはたくさんあったのでヒロは必死に行動パターンと主要攻撃スキルの対処法を聞いた。《彼を知り己を知れば百戦殆うからず》というものを実践する為だ。
座学の時間が2時間ほどあり、それが終わると学んだことを実践することになった。
海底の神殿から二人を連れて出ること数分して、このエリアの最弱モンスターである〔ヴンダーフィッシュ〕に遭遇した。
『ではヒロよ。早速じゃがおぬしの戦術を見させてもらうとするかの。勝つに越したことは無いのじゃが、負けても良いので戦ってみるが良い』
『ヒロ。座学の途中でも言ったけど、君には力が眠っている、いや君たちには……だね。それを目覚めさせるにはやはり強者との戦いの経験は必要になってくるんだ。普通に行動していたら数ヶ月かかるだろうことをヒロにはこの7日間の間にコツだけでもつかんでもらいたいと思っているんだ。ダゴンちゃんも言っていることだけど負けてもいい。きっと君にならできる!』
二人の魔王から励ましの言葉を頂戴したヒロはすぐにモンスターに向かい合い看破を発動した。
ヴンダーフィッシュ 魚類
体力 30000
精神力 9999
攻撃力 2820
ドロップアイテム:至魚肉・至魚宝玉・至魚骨
「一番雑魚で攻撃力3000近いとか聞いてた以上にひどいよな……。さてとコイツの攻撃方法はというと
①距離が離れていると音魔法と上級水魔法を使いわけて遠距離攻撃をしてくる。上級水魔法は食らったらおそらく即死級代わりに音魔法のほうは威力自体が低いので運がよければ生き残れるが状態異常になる可能性があるっと。
②近距離戦闘の場合【回避】スキルを持っているので大きな一撃を狙うより細かい攻撃をしたほうがいい。だが、その場合攻撃や反撃を食らった時点で即死っと。
③戦闘時間が長引いているとヴンダーフィッシュを餌にしているモンスター〔サーペンター〕が来るので時間稼ぎは程々にするっと。
軽くあげた中でどれを選んでも俺が死ぬ運命は変えられないんだけどなぁ……まあ死んでも敵に攻撃を当てることさえできれば熟練度は稼げるんだしやるだけやってみっか!」
3分後ヒロは海底神殿の復活ポイントにいた。理由はもちろん一撃も当てることなく死んだからである。
水魔法で水の流れを変えようとしてみたり音魔法で状態異常を狙ったりしてみたが悉く外れてしまい今に至る。
「だぁぁ!無理だ!理屈で分かっていても体が動かねぇ!ぶっちゃけスキル構成が悪いんだと思うんだよな。とすればスキルの見直しと新スキルの取得をしないといけねぇよな」
(武)中級槍技能LV40
(魔)中級水魔法LV42
(魔)音魔法 LV37
(技)採取 LVMax
(技)看破 LV40
(技)水中戦闘 LV32
(技)体力強化 LV31
(特・技)水の加護 LV26
(技)ソナー LV26
(魔)風魔法 LV28
控えスキル:(生)生け簀LV1(生)釣りLV11(生)船大工LV18
(武)弓LV11(魔)土魔法LV24(魔)氷魔法LV9
(技)波乗りLV17(技)機械術LV1 (技)船舶LV5
(特・技)統率LV8(特・U)水マニアLV1
所持スキルポイント:21
今の状態がこうなので強敵との戦闘に役に立ちそうなスキルを探した。
そして新しく見つけたのは【水中回避】・【処水術】という特殊・技術系スキルだ。
(特・技)水中回避:水中で行動もしくは戦闘時、水中行動補正と物理回避力が大幅アップするが以後メインスキル枠にあっても無くても地上、空中での戦闘時回避率が0になる。LVがあがるごとに回避能力が上がる。
スキル出現条件①水中戦闘LV30以上 ②水中での戦闘回数1000回以上
(特・技)処水術:水中限定スキル。自分の周りの水の流れを操作することにより水中での魔法回避率が上がる。水中行動補正あり。LVがあがるごとに水の操作範囲が広くなり水中行動補正も幾ばくか上昇する。
スキル出現条件①【~術】というスキルのいずれかを持っている ②【~(属性)の加護】もしくは【中級もしくは派生以上の属性魔法】のLVが20以上 ③属性(火・水・地・風)を感じたことがある
「なんか面白そうなスキルがでてるな。【水中回避】は俺のためにあるようなスキルだな。地上や空中で行動とか…俺にどうしろって言うつもりだ?!取得条件のほうだがいつの間にか満たしていたから一覧にでたわけなのだが戦闘回数って1000回越えてたのか。
んで次のスキルが……【処水術】…なんだこりゃ?えっとなになに……自分の周りの水の流れを操作って水魔法でもできてたんじゃねぇのか?部屋限定だったけど……予想で言うと水中にいる限りどこでもできるようになるってことだろうか?スキル条件はっと①と②はまあ理解できるが③が分からんぞ?
属性を感じるってのは今回の場合【水泳】とか水関連のことなのだろうか。もしくは【波乗り】の事だろうか?…まあどっちかで満たしていたんだろうってことで良いよな」
上記のスキルどちらも習得には3ポイント使うので2つのスキルで6ポイント消費した。ついでに【採取】LVMAXになっていたので4ポイント消費の上位進化して【超採取】となった。……超って……。
超採取:採取の上位スキル。上位に進化したことで自分の視界内の採取ポイントを回ることなく採取ができるアーツを取得……アーツ使用時1箇所あたりから採取できる素材の個数が減る。(最悪0個もあり) LVがあがると一度に採取できる採取ポイント数とその採取ポイントで何が手に入るかが分かるようになる。
なお、アーツを使わず今までどおり個別に採取に行った時はデメリットは現れない。
……これはまた使うタイミングが難しいものになったもんだな。まあ採取は今の修行中多用することはないだろう。たとえば採取ポイントに強敵がいるけど戦いたくない……等の時に使えるだろうからな。
スキルの設定を終わらせると目の前には魔王が二人興味深げにヒロを見ていたので少々焦った。
『ふむ、ヒロの中に感じた魚神の加護に少々動きを感じたので見ておったのじゃが、おぬしらプレイヤーというものはなかなかに面白い進化をするようじゃのう。今おぬしの中で動いた加護を育成すればこの海域でも戦闘ができるようになるやも知れぬな。この調子で加護を育成していくが良い』
『フフッ、ダゴンちゃんの言うとおり面白い進化をしそうで僕も楽しみだよ。しばらくはその力を使いこなす為に使ったほうがいいね。ちょっと別メニューを考えておくよ』
魔王二人がそう言って話し合いを始めた所でヒロはデスペナ回復待ちもあることだし魔王に一声掛けてから一旦ログアウトすることにした。
ステータス
名前 ヒロ
性別 男
種族 トリトーン(魚神の僕)
体力 790(150+440+200)
精神力 460(80+340+40)
攻撃力 177((55+122))
装備
武器:禍つ神の呪槍
サブ武器(非表示):トリプルホーントライデント
頭:水棲の額当て
体:鮫革のウェットスーツ
足:ヒレ(着脱不可)
アクセサリ1:六海星封神の指輪★
アクセサリ2:孤独のリング
(武)中級槍技能LV40
(魔)中級水魔法LV42→LV43
(魔)音魔法 LV37→LV38
(技)採取 LVMAX→(技)超採取LV1
(技)看破 LV40→LV41
(技)水中戦闘 LV32→LV33
(技)体力強化 LV31→LV32
(特・技)水の加護 LV26→LV27
(特・技)水中回避 LV1 new
(特・技)処水術 LV1 new
控えスキル:(生)生け簀LV1(生)釣りLV11(生)船大工LV18
(武)弓LV11(魔)土魔法LV24(魔)氷魔法LV9(魔)風魔法LV28
(技)波乗りLV17(技)機械術LV1 (技)船舶LV5(技)ソナーLV26
(特・技)統率LV8(特・U)水マニアLV1
所持スキルポイント:21→11
武器スキルの場合 偶数レベルごとに攻撃力3上昇
魔法スキルの場合 偶数レベルごとに精神力+5
技能スキルの場合 5LVごとに体力と精神力が5上昇
生産スキルの場合 奇数LVごとに生産性効率や品質に上方修正
特殊スキルの場合 5LVごとにで全ステータスが5上昇
Uスキルの場合 LVアップごとに全ステータスが5アップ
称号:臣下にすら認められない魚神(笑)
初めての魚神島発見者
初めてボスを単独で討伐した者
五大海魔王(蛸)の友達第一号
初めてユニークスキルを解放した者
単独でダンジョンを制覇した者(初級)
 




