6/145

第3魚　12月23日③

本日3話投稿です。

　16時00分

　めでたく？称号【臣下にすら認められない魚神（笑）】を取得したヒロは落ち込んで……等いるわけもなく、称号効果を見てさらなるやる気を出していた。

　「不名誉な称号って書いてる割には、称号効果がすごいな。とはいえ今の俺じゃあの魚たちに勝てないのも事実。さてどうしたものかね」

　ここまで何度も挑み全てにおいて負けているヒロは必死に戦いに勝つ手段を考えている。そして思いついた対処法が次の項目である。

①体力や精神力が少なく戦闘中に精神力切れなどを起こし攻撃手段が減る為、体力と精神力の最大値を増やすスキルを育てる。（水泳や水中呼吸などをメインにできるだけ戦闘は除く）

②上記に関連スキルを育てた後に同じ上昇効果を持つスキルを取得し同じく育てる。（要するにやることは1と同じなんだが）

③回復アイテムの手持ちがなく資金も既に0ｓ（このゲームでのお金の単位で読み方はソル）なので海の中で見つけた珊瑚や海草を売って資金を得て装備も一新していく。

　以上とりあえずはこの3つを重点的にこなそうと思う。

1に関しては南で死ぬ覚悟で泳げばいいだろうし2に関してはキャラ作成の時に幾つか候補が挙がったものを選べば間違いは無さそうだ。

3ははじめにこなしてしまうとデスペナ関連で痛い目を見そうなので最後の最後にまわすことにした。

　16時45分

　自分で立てた計画を遂行する為ヒロは早速南の海岸へ向うと海の中へ潜る。やはり南の海は東より綺麗で遠くに海中ダンジョンらしきものまで見えるのだ。

　ヒロはその場で停止していても仕方ないので、スキルのレベルを上げるため全力で泳ぎ始める。途中ウツボっぽいモンスターに追われたが逃げることに集中していた為ウツボの攻撃範囲外まで逃げ延びギリギリ助かった。

　全力で泳ぎつつも景色を見ることも忘れないヒロはこの風景写真がほしいなと思っていると脳内でカシャッという音が聞こえたのだが確認の為に停止してしまうとおそらくモンスターに殺されてしまうだろうから回遊魚の如く泳ぎ回っていた。

　南の海岸からそれなりに離れた場所まで泳いでいると前方に小島があったので休憩がてら上陸することにしたのだが……。

　「てか、海岸からこんな島見えなかったはずなんだが?」

ヒロが記憶している限り岸からはこの島が見えなかったのは間違いない。しかしこの島からはテアトルの街が見えている不思議現象に遭遇している事実。

　「まさか隠し要素だったりしてな……んなわけないか」

ヒロは気づかないが実はこの考えは正解でこの島は本来、上級スキルの平均が30位でやっとたどり着くはずの場所である。ヒロは偶々運よく海神系列の種族だった為この島の周りを回遊する凶悪護衛モンスターに遭遇しなかっただけなのだ。

　島に上陸したヒロはとりあえずスキルのチェックとウツボに追われたときに聞こえた謎の音について調べることにした。

　「うはっ！？水泳と水中呼吸が25で方位知覚が20になってやがる！早すぎるわ!他のスキルはまったくあがって無いけどな。それに体力と精神力も結構上がったな」

ちなみ水泳と水中呼吸が急激に上昇したのは格上のフィールドで常に全速全力で泳ぎ回っていたからである。

　　ステータス

名前　　ヒロ　

性別　　男

種族　　トリトーン（魚神の僕）

体力　　150（+25）

精神力　80（+45）

攻撃力　8（+6）

装備

武器：初心者の槍

頭：なし

体：海人の服

足：ヒレ（着脱不可）

アクセサリ１：なし

アクセサリ２：なし

　（武）槍技能　　LV6

　（技）水泳　　　LV7→LV25

　（技）水中呼吸　LV7→LV25

　（生）生け簀　　LV1

　（生）釣り　　　LV1

　（魔）水魔法　　LV3

　（技）波乗り　　LV1

　（技）鑑定　　　LV3

　（生）船舶　　　LV1

　（技）方位知覚　LV3→LV20

所持スキルポイント：6

武器スキルの場合　偶数レベルごとに攻撃力2～3上昇

魔法スキルの場合　偶数レベルごとに精神力+5

技能スキルの場合　5LVごとに体力または精神力が5上昇

生産スキルの場合　奇数LVごとに生産性効率や品質に上方修正

称号：臣下にすら認められない魚神（笑）・初めての魚神島発見者new

　「へぇ……ここって魚神島いうのかぁ……ってまた称号増えてるじゃねぇか！」