第53魚 1月1日~1月3日 終
連投しますが2本目は紹介なので大事ではありません。
次話本編は12月31日予定です。
19時00分
いつもより早く集合したヒロ達三人はイベントダンジョンへ向う。明日の夜でイベントダンジョンが終わるのでハヅキとメリルは素材集めに必死だ。よって二人は深夜1時までなら頑張るというのでヒロもそれに付き合うことにしたのだった。
一周目は海洋ダンジョンでヒロ無双で約20分でクリア、ニ周目は塔でハヅキ無双(相変わらずの錬金アイテム)で30分でクリア、三周目、四周目は鉱山ダンジョンで協力して各1時間でクリア、五周目はお待ちかねの城砦型ダンジョンだった。
五周目~城砦型入り口周辺~
『やっとでたわね。城砦型のダンジョン。ハヅキ。ここにレアな金属素材があるのよね?』
『うん。そのはずだよ。いつも私のお店に来てくれるプレイヤーさんが教えてくれたことだから嘘じゃないと思う』
『あぁ、あの攻略組を名乗る男たちの事ね?あの人たち最近馴れ馴れしすぎないかしら?』
『あ、ちょっとそこで採掘してくるね』
『最初は遠巻きからだったのに最近は平気で触れようとしてくるのだけれど?ってもういないのね…』
「触ろうとって……メリルボディにか?」
『私のボディって……。ヒロったら気になるのかしら?』
「ん?まあ多少は気になるが俺が一番気になるのはハヅキに触れるやつがいないかって事くらいだな」
『あら?ご馳走様?最近私にもそういう風に話してくれるようになったわね?ハヅキの前では相変わらず暴走気味だけど?』
「余計なお世話だ!……それで、ハヅキに触れようとした奴はいるのかいないのか?」
『私が知る限り一人だけかしら?まあソイツのことはハヅキも嫌ってはいないようだし?』
「なん……だと?そこを詳し……」
『ただいま~。あれ?二人とも何を話してたの?』
『あらおかえり。ハヅキがほしい金属素材ってなんだろうって話してただけよ』
『そうなんだ?この周辺は全部採ったから先に進もうよ。時間制限もあるし』
「そうだな。いこうぜ」
詳しいことは聞けなかったので何かモヤモヤするが仕方あるまい。こういうモヤモヤはモンスターにぶつけるに限る!ステータス低下中だけどな……。
城砦型ダンジョンでは、亜人種や人を模したモンスターが数多く存在した。一層ではレプラコーンとか言う小型の妖精種モンスターが大量に襲い掛かってきたが年明け早々、火魔法と調理スキルの派生で出現した炎の料理人となったメリルの火炎魔法で黒焦げになっていくのでヒロのでる幕がないのだ。
ヒロは後ろからチマチマと弓を射つ位しかしていないが、意外と熟練度が稼げているので問題ないだろう。一層のボスはノームというレプラコーンを巨大化したボスだった。レプラコーン自体が小さいのでそれが大きくなった所でヒロ達プレイヤー程度のおおきさなのだが深くは言うまい。
メリルの火炎魔法とヒロの弓とハヅキの錬金術の攻撃アイテムにより5分ほどで倒されたノームの素材を入手し二層へ向った。
二層はRPGの定番ともいえるゴブリンやコボルトといったモンスターで出現数が多く少しだけ手間取った。基本戦術としてはヒロが風魔法や土魔法で行動阻害を狙いつつメリルが止めという形だ。ハヅキは補助スキルを二人に掛けた後は錬金アイテムで攻撃に参加している。
二層のボスはマウントオーガという(自主規制が)デカい奴だった。粗末な腰蓑しかつけておらず手に持った棍棒を振るうたびに変な物がチラチラと見えるのだ。もちろんこれには女性二人が切れました。
『アンタァァ!乙女になんてモン見せてんのよォォォッ!〔ファイアバースト〕』
『〔消滅手榴弾〕うえぇぇん。なんかプラプラしてたぁぁ!!!』
メリルはともかくハヅキが怒りのあまりあれほど使ったり作ったりしたらダメって物を投げていました。それも威力が向上してるもの……いや、この場合は仕方ないんだよな?そうだよな?
当然二人の攻撃の後には何も残らず(しかしドロップアイテムは入手できる)一面焼け野原である(城砦なのに)
「えーっと、おつかれさま?」
ヒロが恐る恐る声を掛けるとメリルもハヅキも泣いていた。よっぽど嫌だったのだろう。…当然だが。
このままでは進めそうにないので(先に進む必要性もないのだがこの時のヒロは混乱していた)二人を必死に落ち着かせる為にヒロは大胆?な行動に出たのだ。
二人を抱き寄せギュッと抱きしめたのだ。最初は気づかなかった二人だが、1分、2分と時間が経つにつれて気持ちに余裕ができたのか自分達の状況に驚いた。
『ヒ、ヒロさん!?なな、何で抱きしめて??』
『ヒロ!あんた、何をトチ狂って……』
「二人が泣いてたから慰めようと思ってだけど、やっぱマズかったか?リアルでやったら流石にヤバいけど、こっちならいいかなっと思いました。すんまっせんした!」
もちろんヒロは抱きしめた瞬間に混乱から覚めていたが自分からやったことをすぐに離れることをせずそのままにしたのだ。リアルだったらどれだけ良かったことか……。おそらくメリル辺りには殴られそうだがその位は甘んじて受けようと思う。
二人も何故ヒロがこのような奇行(ヒロ的には嬉行?)を行ったかを理解していた為口頭注意だけにおさめてくれた。二人とも真っ赤になっていたので怒っていた事は間違いないだろう。その後は二人が何とか通常運転に切り替え、三層へ進むこと数分でボス部屋を発見。
『このダンジョンをクリアすれば一応情報にある全てのダンジョンを制覇したことになるから、次回から回るとなればほしい素材のある場所にいけるわね』
『そうですね。私には鉱山と城砦が一番素材が手に入るので気に入りました。二層以外はですけどね。また時間が有れば来たいです』
「まあ俺は言うまでもなく海洋型だな。他のダンジョンには水場の、みの字もなくて非常に残念だったぜ」
料理で体力と精神力の回復を済ませた後、ヒロは弓と魔法、ハヅキは錬金アイテム(新たな奥の手含む)の残数確認、メリルはヒロ達の了解を得て途中入手した素材で基礎ステータスアップ系料理を作成して振舞う。準備を終えて城砦の3体目のボスと相対することになった。
キャッスルゴーレム 無機質/守護者/イベントボス
体力 17000
精神力 2200
攻撃力 550
ドロップアイテム:メリハリコン・高級石材・中級石材・初級心核・????
見てのとおり体力が高い。ダゴンの触手並だな?まああれはイベント戦闘で恐らく勝てない種類として考えられるのだが。
「俺が前に立つからメリルは攻撃集中。ハヅキは補助魔法を頼む」
珍しくヒロがスキル【統率】を使うことで二人の能力を底上げしている。ヒロ自身もゴーレムの射程ギリギリまでつめてから弓だったり魔法だったりで攻撃を加えているのだ。この近距離からならば相手が巨体な為、弓は必中だ。(ダメージは別としてな)
土魔法はやはり効きが悪かったので音魔法と入れ替えをし風魔法と交互に使用して少しずつ体力を削り取っていく。メリルは指示通り大魔法を詠唱し精神力がなくなったら自分の料理を食べて安全に回復しているので長期戦をするならかなり安定するメンツだろう。
そんな中ヒロはハヅキがゴーレムのある一点をジッと見ている事に気づいた。
「ハヅキ?どうした?戦闘中なのに上の空か?」
『あ、いえ違うんです。あのゴーレムを見たときからゴーレムの右脇だったり脳天だたりがボンヤリ光っているので何かなと思いみてたんです』
「俺には光なんて見えないぞ?それってハヅキのスキル効果じゃないか?なにか思い当たるスキルはないのか?」
『え?そうなんですか?……思い当たるのは【鉱石の知識】くらいですけど……このスキルって鉱石を使う生産時に改心の一打がでやすいようになるものだとばかり……』
「スキルレベルが上がって見えるようになったんじゃねぇのか?まあそれは後で聞くとして今は光ってる所ってのを教えてくれ。この場合多分光ってる場所が弱点ってことだろうからよ。メリルにも教えてやってくれ」
『わかりました。あ、今光ってる場所は左足付け根です』
ハヅキから弱点っぽい場所の位置を聞き出したヒロは槍に持ち替えその箇所に突き出す。
ゴーレムとは思えないほどあっさりと貫いた感触と苦しそうなゴーレムの見て弱点を狙い続けるようにハヅキたちに指示を出した。
その甲斐があり、戦闘開始から20分後ゴーレムの体は崩れ落ち大量の石材ドロップを入手し、謎の素材メリハリコンも複数個入手できた。
町に戻ったハヅキは素材の分配をする際、先ほど入手したメリハリコンを全て買い取りたいと申し出た。理由はもちろん戦力強化のためである。どうやらハヅキはヒロの為に2本目の槍の製作に使う素材を欲していたことを話してくれた。
それを聞いた瞬間ヒロはハヅキに抱きついていた。それはもうギュゥっと……しっかりと。
『ワヒャァァ?ヒヒ、ヒロさん。ははは離れてくださいぃ』
『こら!そこの野獣!離れなさい!』
ハヅキは湯気が出そうなほど真っ赤な顔でふにゃふにゃ言っているし、メリルはそんなハヅキの様子を見て嫌がっていないと判断した為、口で言うほど必死に引き離そうとはしていない。むしろ面白そうにしている。2分もするとハヅキはあまりの緊張に意識を落とし強制ログアウトとなった。
「お?ハヅキ落ちちゃったぞ?」
『アンタのせいでしょうが!』
「そうともいうな?後で電話で謝っておかねぇとな」
予定では深夜まで頑張るはずだったが(ヒロのせいで)ハヅキが落ちたのでそのまま解散となったのだ。
23時45分
もちろん洋は宣言どおり、ログアウト後ゆっくりしてから携帯を取り出し葉月に電話を掛けた。
電話口で怒っている様なそうでもないような妙な口調で葉月に説教をされた後製作の件をあらてめて頼みなんだかんだで初めての電話で話に花が咲き気づけば1時になっていた。途中メリエルとも会話をしたのだが最後に頑張ってといわれた。空気を読まない洋は、その励ましが気持ち悪いといってしまい、その後数日フラグメントで会う度にメリルに口うるさく文句を言われることとなった。
ステータス
名前 ヒロ
性別 男
種族 トリトーン(魚神の僕)
体力 760(150+410+200)
精神力 420(80+300+40)
攻撃力 161((55+106))
装備
武器:トリプルホーントライデント
頭:水棲の額当て
体:鮫革のウェットスーツ
足:ヒレ(着脱不可)
アクセサリ1:ウロコのブーストリング→六海星封神の指輪★
アクセサリ2:孤独のリング
(武)中級槍技能LV36→LV37
(魔)中級水魔法LV37→LV38
(魔)音魔法 LV33→LV35
(技)採取 LV45→LV46
(技)看破 LV36→LV37
(技)水中戦闘 LV25→LV27
(技)体力強化 LV24→LV26
(特・技)水の加護 LV21→LV22
(技)ソナー LV22→LV23
(魔)風魔法 LV21→LV24
控えスキル:(生)生け簀LV1・(生)釣りLV11・(特・技)統率LV8・(技)波乗りLV17・(武)弓LV1→11・(技)機械術LV1 ・(魔)土魔法LV1→16 ・(技)船舶LV5・(生)船大工LV12→LV14 (特・U)水マニアLV1
所持スキルポイント:8
武器スキルの場合 偶数レベルごとに攻撃力2~3上昇
魔法スキルの場合 偶数レベルごとに精神力+5
技能スキルの場合 5LVごとに体力または精神力が5上昇
生産スキルの場合 奇数LVごとに生産性効率や品質に上方修正
特殊スキルの場合 5LVごとにランダムでステータスが5上昇
Uスキルの場合 LVアップごとに全ステータスが5アップ
称号:臣下にすら認められない魚神(笑)
初めての魚神島発見者
初めてボスを単独で討伐した者
五大海魔王(蛸)の友達第一号
初めてユニークスキルを解放した者




