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うみマニアのやりこみ冒険記  作者: ふんにゃり
 鯰(ナマズ)の章
52/145

第48魚 1月1日~1月3日③

本日も一話のみ予定。


次話は22日 月曜日6時投稿予約済み


誤字脱字報告よろしくお願いします。

 19時00分


 ヒロ・ハヅキ・メリルの3人はアーリルの街のすぐ近くに設置された新年イベントのダンジョンへきている。このダンジョンではクリア報酬にスキル球が出ることもあると発表されている為ダンジョン前は元旦にも拘らずたくさんのプレイヤーがひしめいている。


 「こりゃまた人が多いな…」

 『そうですね。でもダンジョンはサーバーが複数に分かれているとかで全員が同じサーバーで行動するわけじゃないのでラグなどは少ないそうですよ』

 『ハヅキ、それ私がハヅキに説明したセリフそのままなんだけど?』


 ヒロの呟きに答えたハヅキとそのハヅキに同様の説明をしたメリルがツッコミを入れている。

メリルのツッコミにはそ知らぬ顔でそっぽを向いているハヅキが可愛いのでヒロ的には情報の出所がどこであろうとも関係は無い。


 たくさんのプレイヤーがいるとはいえ回転が速いようでヒロ達3人がダンジョンの入り口へ到達するにはそう長くかからなかった。3人はアイテムの最終確認をした後ダンジョン内へ入っていくのだった。




 『うわぁ!ここのダンジョン素材採取のポイントがたくさんあるね!』

 『確かにたくさんの素材があるけど私が使いたいと思う食材が無いのが残念な所だわ』


 イベントダンジョンは2時間という時間制限つきで入るたびに別のダンジョンが作成されるらしく

現在の夕方までに出た情報によると

塔型・森林型・鉱山型・城砦型・海洋型が確認されておりヒロ達3人が入ったのは鉱山型のダンジョンだ。なお、ダンジョンは全て3階層で構成されており一度クリアしたダンジョンは自分で選んで入場できるようになるらしい。


 同じく鉱山型ダンジョンに入ってきた幾つかのプレイヤーパーティとも会話などの交流をしているので

手に入るアイテムも大体把握できている。鉱山型ダンジョンでは大抵が鉱石類なのだが先日ハヅキがヒロの武器のために購入したというレア鉱石も稀に採掘できるとのことでハヅキはかなり気合が入っている。


 ヒロはというとやはり特殊なイベントダンジョンとはいえ種族補正は受けるらしく能力値が80%下がっている状態でスタートとなっているのでぶっちゃけ物理攻撃においては戦力にならない。ハヅキが採掘した素材などの荷物もちがメインになりそうである。

 一方メリルはと言うとこのダンジョンにおいては自分が望むものは手に入りづらいと判断し最初から戦闘スキルで固めそれなりの頻度で襲い掛かってくる蝙蝠やワームのモンスターの討伐に精を出している。



 1階層においてハヅキは販売用素材に使う鉱石を大量に集めホクホク顔である。メリルはここ程度のモンスターに苦労するということもなく着実にスキルの熟練度を稼いでいる。

 そしてヒロだが音魔法で援護する以外、先ほども言ったとおり見事に二人の足を引っ張る形で金魚の糞といった感じだ。



 「ほぼ荷物もちしかやることがないってつらいもんだな。攻撃力が下がっている以上魔法しか使えねぇしなぁ。採取しようにも銅とかのクズしか拾えねぇし、海洋型ダンジョンが来て欲しかったぜ」


 『まあまあヒロさん。そんな事ばっかり言ってないで気持ちを切り替えましょうよ。前回のイベントでは私達がヒロさんにお世話になりっぱなしだったんですからこういうときに恩返しさせてくれないと困るんです』


 『今のヒロはヒモってことね。フフフ。貢いでくれる女が二人もいてうらやましいわね?』

 「ぐぬう。メリル!今の発言は問題ありだと思うぞ!発言撤回を要求する!」


 『却下よ?…それよりもほら2階の階段とフロアボスがいるからヒロは注意してね』

 メリルが言ったとおり階段がありその前にはサルのモンスターが鎮座していた。




 ミザール 獣類/イベントボス

 体力 3250

精神力 1000

攻撃力 250


ドロップアイテム:サルノコシカケ・サルの尻尾・サルの毛皮・サルの目



 『前回のイベントボスの5倍強化よりは弱いわね。あれより強かったらどうしようかと思ったけど』


メリルはヒロの看破した情報を聞き安堵している。このダンジョンにおいてメイン火力であるメリルが削りきれる相手でないといけないからである。


 ここで忘れてはならないのがまだこのフラグメントというゲームは正式サービス開始2週間弱しか経っていないのであり、普通のプレイヤーたちからするとこのボスのステータスでも脅威なのだ。このボスより強い雑魚モンスターを常日頃から倒しているヒロが異常なだけでそれに連れ回された経験のある二人も普通のプレイヤーからすると異常なのだ。…二人は気づいていないのだが。



 ミザール自体は大した攻撃もしてくることなくヒロの音魔法により混乱した隙を突かれメリルの火炎魔法(火魔法の中級スキル)で止めを刺されている。



 2階層も1階層より少し強い程度のモンスターと少しレアな鉱石が拾えたくらいで特に言うことは無い。

そして3階層前の階段にはまたしてもサルがいた。


 キカザール 獣類/イベントボス

 体力 3550

精神力 1000

攻撃力 280


ドロップアイテム:サルノコシカケ・サルの尻尾・サルの毛皮・サルの耳



 このボスモンスターには残念ながら音魔法は無効化されてしまったためヒロは各種属性魔法のスキルレベルを上げるためにターゲットを取り、1階と同じくメリルの火炎魔法で討伐した。



 3階層はだだっぴろい円形のフィールドで中央にサルのボスが3体居座っていた。

看破をするとミザール・キカザール・イワザールというもので前者2種については下層で倒したものと同じ個体だった。


 イワザール 獣類/イベントボス

 体力 4000

精神力 1000

攻撃力 300


ドロップアイテム:サルノコシカケ・サルの尻尾・サルの毛皮・サルの舌・サルの脳みそ



 ボスは三位一体で襲ってくるのかと思いきやイワザールは行動せずミザールとキカザールが尖兵として襲ってきたので無難な対処をしていく。

ミザールには音魔法による混乱付与で一時無効化し火炎魔法でとどめ。キカザールは2階と同じく各種属性魔法でチマチマとターゲットのヘイトを稼ぎ背後からの火炎魔法で止めを刺す。


 問題は3体目のイワザールだった。このサルは2体が倒されたと分かると怒り狂って襲い掛かってきたのだがなんと一定時間ごとに魔法を封印してくるという難ボスであり非常に苦労したのだ。

 メリルもヒロもこのダンジョンでは魔法をメインに使ってきたので攻撃手段が無いに等しい。

ただし一定時間の封印時間を耐え忍び次の再封印スキルを使用してくるまで1分ほど時間が空くのでその隙に稼げるだけダメージを稼ぐという方法にしたのだ。


 だがこの方法では限られた時間に少しずつしかダメージを与えることができないので滞在可能時間にひっかかってしまう可能性が非常に高いのだ。1層ごとの攻略に時間は掛けていないが採取などで時間を消耗している。


 3度目の魔法封印を食らう頃には残り時間が15分をきっており攻撃できても後2回しかできない。そしてその2回ではボスの体力を削りきることはできないのだ。


 ここで満を持して登場したのがハヅキだった。ハヅキは自身の錬金スキルで幾つか作っていた攻撃アイテムを取り出した。


 『ヒロさん!メリル!。ボスから離れてぇ!!』


 その声に反応したヒロとメリルはハヅキを見て驚いた。正確にはハヅキの持っていた物に…だが。

それは手榴弾といわれるもので普通のプレイヤーは扱ってもいないし作れることも知らないのだ。



 『いっけぇぇぇ!』


 ハヅキは叫んで手に持った手榴弾をボスに放り投げそれは見事に直撃した。その瞬間



 ドッゴォォォォォォン!!……


 凄まじい音と爆風が吹き荒れたがヒロとメリルにはこの爆風によるダメージは発生しない。

爆弾系アイテムは爆発時周辺にのみダメージ判定があるためだ。

 そして音と爆風が収まった後にはサルの姿は残っていなかった。



 「すっげぇ威力……だな。ハヅキは一体いつの間にこんな凶悪なもん作ってたんだよ……」

 『し、知らないわよ…。それよりも私にも黙っていたのがちょっと腹が立つわ』


 この爆弾で木っ端微塵に消し飛ばされたイワザールのドロップアイテムが入手できていたのは謎である。…どうしてこうなった?



 『私のとっておきを使ってみたんですがどうでしたか?』

のんきに感想を求めてくるハヅキにヒロはビシッとチョップをいれ、メリルは羽交い絞めをするべく後ろに回っている。



 『ひぅ?痛いです!ヒロさんなにするんですか!それにメリルは何で私の後ろに回ろうとしてるのぉ』


 「あんなモンを使ったハヅキが悪いからお仕置きしてるんだ!」

 『そうよ?あんな危険なアイテム作って誰にも知らせずにいたなんてハヅキは現在において一番の要注意人物になったわよ。…ヒロなんか目じゃないほどにね』



 …こらメリルさんよ?何故最後俺を引き合いに出した?俺はいたって普通のプレイヤーじゃないか!

爆弾を作るような可愛い女性と一緒にされては困るぜ?



 そんなこんなで危険物を作り出したハヅキに厳重注意をし、以後当分の間爆発物の使用を禁止することを言い含める。

 ここまで来る頃に滞在可能時間が残り5分となったのでボス討伐後に現れた宝箱の中身の回収とボス部屋の採取、採掘ポイントを急いで周り都合よく幾つかのレア素材を入手することができ、ダンジョンの外へ転送された。



 21時20分


 「最後に厄介ごとがあったが無事終了だな。おつかれさん」

 『『お疲れ様 (でした)』』

 「この後だがどうする?もう一度潜るか?」

 『そうね。アイテムにはまだ余裕はあるしもう一回潜りましょうか』

 『私も大丈夫ですよ。もうアレは品切れですから使えませんけど』

 「……作るのもダメだぞ?」

 『……はい』


 こうした会話の後新設された預かり所に素材を突っ込みイベントダンジョン入場の為並びなおす。


 2度目のダンジョン探索は森林型で昆虫種族のモンスター系素材と食材が多く手に入った。

ボスも大抵虫や野獣系列だったのでメリルの火炎魔法でことごとく燃やしつくし一周辺り1時間で攻略することができた。


 3度目も森林型だったため同じく周回し素材をメインに集めボスを撃破しクリア報酬がアクセサリ2つと生産道具球が1つの計3つ集まったので分配をして解散することになった。


 なおヒロが入手したのは孤独のリングといわれるもので詳細はこんな感じだ。



 〔孤独のリング:一人で行動する際ステータスに補正がかかる。効果ソロ時攻撃力+20・ソロ時モンスター遭遇率アップ〕



 「今はなきフェスティバルリングを装備していた箇所に装着しておくか。明日も夜はダンジョンにいくし、いいモンが手に入るといいんだが…」


 23時前になり寝不足ということもあったのでヒロはログアウト後すぐに就寝することとなった。

ステータス

名前  ヒロ 

性別  男

種族  トリトーン(魚神の僕)

体力  700(150+380+170)

精神力 360(80+240+40)

攻撃力 141((55+88))


装備

武器:トリプルホーントライデント

頭:水棲の額当て

体:鮫革のウェットスーツ

足:ヒレ(着脱不可)

アクセサリ1:ウロコのブーストリング

アクセサリ2:孤独のリング new


 (武)中級槍技能LV31

 (魔)中級水魔法LV32→LV33

 (魔)音魔法  LV29→LV30

 (魔)風魔法  LV10→LV14

 (技)潜水   LV48

 (技)看破   LV32

 (技)同化(水)LV48

 (技)水中戦闘 LV18

 (技)体力強化 LV17→LV18

(特・技)水の加護LV15


 控えスキル:(技)船舶LV1・(生)生け簀LV1・(生)釣りLV11・(特・技)統率LV8・(技)波乗りLV17・(武)弓LV1・(技)機械術LV1 ・(魔)土魔法LV1 ・(技)ソナーLV20(技)採取LV43・(生)船大工LV8

(技)水泳LVMAX (技)水中呼吸LVMAX



所持スキルポイント:6→4


武器スキルの場合 偶数レベルごとに攻撃力2~3上昇

魔法スキルの場合 偶数レベルごとに精神力+5

技能スキルの場合 5LVごとに体力または精神力が5上昇

生産スキルの場合 奇数LVごとに生産性効率や品質に上方修正

特殊スキルの場合 5LVごとにランダムでステータスが5上昇


称号:臣下にすら認められない魚神(笑)

初めての魚神島発見者

初めてボスを単独で討伐した者

五大海魔王(蛸)の友達第一号

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