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うみマニアのやりこみ冒険記  作者: ふんにゃり
 鰯(いわし)の章
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第2魚 12月23日②

 ログアウトをしてお昼ご飯に買い置きのカップラーメンを食べたひろは気を取り直してゲームへ再度ログインした。



 13時30分


 「きてよかったぁぁぁぁぁ!」

 テアトルの町を散策中通りの中心でヒロは大声で叫ぶ。

NPCの通行人がビクッ!としていたがヒロをチラッと見る程度でさっさと街の雑踏に消えていく。


 テアトルの町は先ほど?説明したとおり港町になっており入ってきた門のある道を除いて全てが海に囲まれている。

 簡単な説明をすると街の北側には最初の町アーリルから続くこの街の門。


 中央には転移門が設置されており今の所この施設を使用することで俺はアーリルへ行くことができる。


 入ってきた門番NPCから得た情報によると町の西側には海水を飲み水に変換する施設や生産街などがあり、東側と南側には難易度の違う海のフィールドが広がっている。東側には中級者向けの海岸、南には上級者向けの海岸である。


 今おかしい説明に気づいてもらえただろうか?

この街にはヒロのような初級者向けの狩場など存在しないということに。

当然この様な情報など他プレイヤーは誰も知らないので指摘すらされないのだが。



 「もう陸での戦いはイヤなんだ!敵が強くても良いから早く海に向おう」

俺は言うなりの海岸に来ていた。南へ来た理由は単純で中央から一番行きやすかったからである。


 南の海岸の浜辺より始めての海へ入っていくと、目の前には揺らめく海草や紅白の珊瑚など美しい景色が広がっていた。他に遠目に船の残骸らしきものもいくつか見えるしこのゲーム内容が凝ってるなと感心したものである。


 「これは……すごいな。というか海に潜っただけで水泳と水中呼吸スキルのLVがあがっちまったし」


 ヒロは気づかないが南の海は難易度が高く気を抜かずともあっさり死ねるレベルのフィールドでありヒロ程度のスキルレベルなら数秒いるだけでも熟練度が上昇するのだ。


 とのんきに海を堪能しているヒロの視界の隅になにやら影が見えたのでモンスターかと思い身構えようとするヒロだったが次の瞬間目の前が真っ暗に暗転していた。




 「あらま?ここはどこだ?」

ヒロが周りを見るが見たことの無い建物の中だ。とりあえず起き上がったヒロが玄関らしき場所から外へ出ると前方にテアトルの街の門が見える。改めて自分の出てきた建物をマップ情報で調べてみると

どうやら神殿のようで戦闘などで死亡した時に最後に立ち寄った街の神殿で復活する仕様だと知る。


 「ん?てことは俺死んだのか?気づかなかったわ」

死んだことに気づいたヒロは少し考えた末南の海のモンスターが強いと仮定して(事実なのだが)次は東の海岸へ向うことにする。

 ちなみに死んだ際のデスペナルティだが、スキルLVの合計が30に満たない間は発生しないらしい。仮にデスペナを食らったとしても手持ちの金額が半分になる事と一定時間体力・精神力の最大値が5%~20%(スキルレベル依存)減る事なのでヒロにとって今現在気にするほどのものではなかった。



 東の海岸に着き南での失敗を踏まえて手には槍を持ち戦闘を行う準備もしてから海へ入っていく。景色は南の海ほどいい物ではなかったが、それでも十分に落ち着く景色だった。


 そして南と同じく視界に影が映ったので戦闘体勢へ入るヒロ。

水の中ということもあり地上でスライムや蛇と戦った時とは段違いに体が動くことを体感できた。


 影を見つめていると徐々に文字が浮かび始める。どうやらこれはスキル【鑑定】の効果のようだな。


 マッドフィッシュ 魚類

 体力  300

 精神力 100

 ドロップアイテム:????・????・????


 「さっきと違って今回が海での初めての戦いだな!倒してやるぞぉぉぉ!」


マッドフィッシュが早さを活かして体当たりをしてくる。めっちゃはやい。

何とかギリギリ避けることができたが次逃げれるかわからない速さだな。

なんて事を考えているうちに、Uターンしてきたマッドフィッシュのヒレでの攻撃を受け大ダメージ!


 ヒロは何度も槍を突き出したり水の魔法で水流操作を試みたが何れもスキルレベルが低すぎてマッドフィッシュの体勢を崩すことすらできなかった。



 結果 惨敗……。


 「うぅ、またここか。ちくしょう!もう一回だ!」

そういってヒロは何度も東の海のマッドフィッシュやウォームアングラーというアンコウのようなモンスターと戦うが全敗を喫することになるのだった。


 そうして10連敗して神殿に戻ると変化が起きた。


 《【臣下にすら認められない魚神(笑)】の称号を取得しました》

【臣下にすら認められない魚神(笑)】:水を統べる種族に産まれながらも下位存在である臣下に何度も負け続けた為取得できた不名誉な称号。効果水中戦で勝利時スキル熟練度取得量が大幅アップ。



 な、な……なんだってぇぇぇ!!!

 ステータス

名前  ヒロ 

性別  男

種族  トリトーン(魚神の僕)

体力  150(+5)

精神力 85(+5)

攻撃力 8(2+6)


装備

武器:初心者の槍

頭:なし

体:海人の服

足:ヒレ(着脱不可)

アクセサリ1:なし

アクセサリ2:なし


 (武)槍技能  LV6

 (技)水泳   LV5→LV7

 (技)水中呼吸 LV5→LV7

 (生)生け簀  LV1

 (生)釣り   LV1

 (魔)水魔法  LV3

 (技)波乗り  LV1

 (技)鑑定   LV1→LV3

 (生)船舶   LV1

 (技)方位知覚 LV3


武器スキルの場合 偶数レベルごとに攻撃力2~3上昇

魔法スキルの場合 偶数レベルごとに精神力+5

技能スキルの場合 5LVごとに体力または精神力が5上昇

生産スキルの場合 奇数LVごとに生産性効率や品質に上方修正


称号:臣下にすら認められない魚神(笑)

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