第35魚 12月26日~12月28日 終
色々意見をいただき感謝しております。
前向きに検討しますのでこれからもよろしくお願いします。
少し前にも書きましたが最近仕事が忙しく執筆時間がとれません。
今回は何とか書くことができましたが当面の間平日の更新は1日だけになります。
次話予定土曜日12時に予定しております。
長くお待たせいたしますがご了承くださいませ。
20時00分
ログインしたヒロはあまり気が進まないが約束は約束である為、ダゴンの住処の沈んだ船へ転移した。
「ダゴン様よー。きたぜー?」
相手は魔王なんだし呼ぶときだけは様付けで会話は普通で良いだろう。
『遅いぞ!ワラワは待ちくたびれたわ!後数刻ほど来なかったらそこらの港町を沈めに行くところじゃったぞ』
「それは済まない。こっちも用事があるのでこちらに来れるタイミングはどうしてもバラバラになるのでね」
『まあよい。約束を守ったことで許してやろう。でじゃ、今日は何か話を聞かせてもらおうかの?』
「話?たとえばどんな話が良いんだ?」
『おぬしの話でよいぞ?そうじゃのう。この世界に生まれてからの話を聞かせるがよい』
「この世界に生まれてから……か。それだと期間的には1週間も無いがいいのか?」
『かまわん。おぬしがどこでどう行動をしたのかが分かればよい』
ヒロはキャラクタ作成から今に至るまでの不名誉な称号を取得したことや魚神島で巨大魚に潰されたことなどを話した。ヒロが潰された話の所でダゴンが大笑いしていたがヒロは構わず続けた。
友人ができたことやイベントに関することなど相手がNPCとはいえ話を聞いてもらう事は意外と良いものだと思った瞬間だ。
『なるほどのぅ。面白い体験をしてきておるな。それにあぬしのいう魚神島じゃったか?
あそこの遺跡がまだいきておったとはのぅ。ワラワは昔あの遺跡でよく遊んだものよ』
「ほぅ?ダゴン様は魚神島に住んでたことがあるのか?」
『住んではおらぬな。ワラワは当時のネプトゥヌ、今でいうネプチューンと遺跡でよく喧嘩をしておったものじゃ。なつかしいのぅ』
ダゴンはどうやら昔の思い出に浸り始めたようで、小刻みに笑いをこらえている様子や突然怒り出したりと急がしそうだ。
「ダゴン様。そのネプチューンという人について教えてもらえるか?俺の知識どおりだと神様みたいなもんだと思うのだが?」
『む?おぉ、放置してスマなんだな。アヤツのことはここ数百年ほどあっておらぬがよく覚えておるよ』
そういってダゴンはよく喧嘩していた頃から成長し海神派と海魔王派に分かれるまでの話を聞くことができた。
海神派とはポセイドンという有名な神が主となり海を平和的に治めようとする神が集まった派閥。
海魔王派とはネレウスを筆頭とするダゴンやクラーケンといった平和にはさして興味の無い部類の神が海神派に嫌がらせする為に集まった派閥である。
「海魔王派って嫌がらせ目的で作られたのかよ!なんてがっかりなヤツラなんだ」
『くっくっく、まあそういうでない。ワラワたち海魔王は相手の嫌がる事をするのが何より好きなのじゃからな!断じて海神派が嫌いという訳では無いぞ?海魔王派でも諍いは起きておるのじゃしな』
「あー、そういや同じ海魔王のクラーケンに住処を追い出されたんだっけ。思い出させたようでスマン」
『かまわぬ。ワラワも力をつけ近々クラーケンのヤツを住処を追い出してやるわ。その時はおぬしにも手伝いを頼むのでちゃんと強うなっておくが良い』
「え!?俺ってその喧嘩に参加決定されてんの?それもダゴン様派として?」
『なんじゃ?不満なのかのぅ?ワラワの加護で強くなったじゃろう?アレが先払いの報酬じゃよ。クックック』
…ぐぬ!ダゴンの策略にハメられたなこれ。まあ今更いらないといってもどうにもならんし仕方ない……のか?いや諦めるにはまだ早いか?戦いになってもダゴンと二人で戦うには厳しすぎるだろ。ダゴンたちに比べたら俺ってば超雑魚なのにな?
『む?何を難しい顔をしておる?心配せずともおぬしにクラーケンの阿呆の相手はさせぬよ。おぬしの相手するのは海龍じゃ。昨日いうたがクラーケンのやつは応援として海龍をつれてきおったからな。
ワラワとクラーケンのタイマンであればほぼ互角じゃが2対1では流石のワラワも引かざるを得なかったのじゃ』
「なるほど。その海龍自体の強さとはどのくらいなんだ?俺で勝てる…とはいわなくても戦える相手なのか?」
『今のおぬしでは、3秒も持たぬじゃろうな。じゃからもっと強うなるがよいといっておろう?』
「ダゴン様。俺には無理と思うぞ?この辺りのモンスターにさえ苦戦してるってのに。こんな俺が強くなるには年単位で時間が必要だぜ」
『くっくっく。その点はぬかり無いわ。おぬしらでいう次のアップデェトなるものの後にオケアノスのヤツに頼んで良い修行場に連れて行って貰うからな。そこにいけば3日で1年分くらいは修行ができるわぃ!』
「……マジで勘弁してください。ただでさえ俺は他のヤツラから抜きん出てる能力を持ってるのにこれ以上強くなったらえらいことになっちまう。今でも十分目立っちまってる気がしてるんで困るんだ」
『ふん。力は行使してこそ生きるのじゃ。力を使わぬということほどおろかな選択なぞ無いわ!
……とはいえおぬしにはおぬしの事情があるのも事実じゃ。なのでこういったものをやろうではないか』
ダゴンが取り出したものは〔封印の指輪〕というアクセサリだった。
【封印されし指輪:魔王の力によって色々な力が封印されている指輪。効果????(1/1以降あるイベント終了後に封印が解除される)※特定の日付を過ぎるまでアイテムボックスから出すことができない】
「…これをどうしろと?」
『くっくっく。それは封印が解除されてからのお楽しみじゃよ。取りあえずは持っておくが良い。なぁに悪いようにはせんよ』
…やばい。嫌な予感しかしねぇ。ダゴンの薄ら笑いが非常に気になる。
「ぐ、わかった。持っておけばいいんだな?」
『そうじゃ。もっておくだけでよいぞ』
ヒロはダゴンから半ば強制的に指輪を渡されアイテムボックスへ入れるとその瞬間から指輪がロックされ取り出すことができなくなってしまった。
「さて悪いがそろそろ帰りたいんだが?」
『うむ、かまわぬよ。聞きたいことは聞けたしのぅ。毎日とは言わんがチョクチョク顔を見せに来てくれれば良いぞ?』
「わかった。アップデートまでには最低一回は来るわ」
こうして少し困ったことにヒロは海魔王達の陰謀にドンドン巻き込まれていくことになる。
転送装置でアーリルに戻ったヒロは精神的に疲れたのでログアウトし掲示板を見たり書き込んだりして時間を潰し眠りについた。




