第26魚 12月26日~12月28日③
2話目です
3話目執筆していますが場合によっては明日の投稿分に回すかもしれません
12時20分
ログアウトし昼食を食べていると携帯電話に着信が来たので相手の名前を見ると空と表示されている。
さっき別れたばっかなのにもう用事があるのか?と思ったが通話ボタンを押し応答する。
「現在電話にでることはできねぇつってんだろぉが!空気を読みやがれコンチキショウ!」
『何でいきなりキレてんだよ!?俺なんかしたかぁ~?』
「おっと悪い悪い。ちょっと気分が乗ってたから…ついな?」
『電話が通じたと思ったらいきなりキレられその理由がつい…だと?いつもながら意味がわからないぞ洋。……っと、それよりだ!』
空よ、俺の理不尽な言いがかりをそれよりで済ませていいのか。
『さっき洋が調べてくれた所のように他のダンジョンにも結構水場がある事が分かってな?
知り合いに声を掛けて水泳スキル持ちに調べてもらっているんだ。結果のほうは分かり次第報告するとして、だ。お前にも手伝って欲しい案件が幾つか出たんだ』
空が言うには俺たちがさっき行った試練の洞窟の他にも今まで無視していた水場がありそれを他のプレイヤーに調べてもらっていると。だが水場を調べるにしても現在俺ほど水中探索に長けた者がいないので
他のプレイヤーでは調べられない場所にある水場を調べて欲しいということだった。
「なぁ。空わかってるか?調べるべき場所が遠いって事は俺が陸上を移動する必要が出るってことだぞ?……俺の言いたいことは分かってくれてるよな?」
『あぁ、地上での護衛に俺らのパーティがつくから地上での戦闘は任せてもらっていいぞ。美雪さんにも頼んでみるつもりだしな。だから頼むよ。
…あぁでも、その水場で取れたアイテムも分配にまわしてくれよ?』
護衛してもらえるのはありがたいんだがなぁ。俺としては南や東の探索を進めたいんだよなぁ。
さてさてどうしたもんか。……あ、そういやハヅキやメリルも水中スキル大分育ってたはずだな。
あの二人にある程度カバーしてもらえば何とかなるか?
「手伝うのは吝かでは無いんだけどな。俺ばっかり連れ回されるのは俺の目的の阻害になってしまう。
だから俺だけじゃなくて俺とハヅキとあと一人水中探索ができるヤツがいるからそいつらに確認を取って
探索に関してはお前らからの依頼という形でなら受けてもいいぞ?」
『わかった。それでいいから頼むわ。後でそのもう一人の知り合いって言う人も紹介してくれよ?』
「おうよ。とりあえず夕方にならいると思うからその時に連絡するわ。後確認なんだが攻略には関係ないだろうし急ぎじゃないよな?」
『あぁ、前もって探索予定日を決めて連絡するから、そこで都合が悪いなら断ってくれていい。
何度も連続で断られると困るんだけどな?』
まあ、その辺は空がじっくり考えてくれるだろうから構わないな。
とりあえず今日の夕方もう一度試練の洞窟の水場の探索と俺が見つけたボスの討伐をするという形で話がつき電話を切った。
食事を再開するころには美雪ねぇが目の前で食事をしていたので空からの提案について話し、偶になら護衛についてくれると約束してくれた。あと美雪ねぇからスキルの派生についての見解を聞いた。
……どうやらスキルLVを最大まであげなくても組み合わせ次第で派生スキルは出るらしい。
現在周知されているスキルで派生が見つかっているのは
【風魔法LV15】と【気配察知LV15】で【音魔法】
【火魔法LV10】と【風魔法LV15】で【爆発魔法】
【土魔法LV15】と【採掘LV10】もしくは【地形調査LV15】で【地脈魔法】
etc……
上記以外の組み合わせでも同じ名称の派生スキルが出たと(いう報告があるらしいが)判明している。
……俺個人としては音魔法が気になるな?ネットで調べてみると【ソナー】というのは音の反響を利用したものらしいから音っていうのは関係ありそうだ。
たしかスキルポイントはたくさんあったはずだから音魔法くらいは取得して試してみるか。
美雪ねぇに情報提供のお礼を言い、ジャックのサイトでスキル派生について更に調べてみると
派生スキルによって出現したものを習得すると元となったスキルは使用不可能になる。
派生の元となったスキルが再度使いたいなら派生を習得した後に、また1から属性魔法を習得しなおす必要がある。
「ふむふむ。てことは【音魔法】を取る時に【風魔法】と【気配察知】が手持ちスキルから消えるからまた使いたいなら再度覚えろってことだな。
……あれ?そうなるとスキル所持数によるペナルティに関係してくるのか?派生により消えたスキルは所持数ペナルティに数えられるのか…? 要検証ってことだな」
スキルの派生について調べているうちにもう夕方になっていた。
……しまったな。色々考えてると楽しくて時間が足りないわ。
とりあえず、ハヅキとメリルに水中探索を手伝ってもらえないか打診する為ログインした。
16時10分
ログインしてフレンドのログイン状況を見ると全員ログイン表示されていたのですぐに二人に相談したいことがあると連絡。
返事を待つ間に彼女達の露店がある場所へ向おうと歩き始めると返事が届いた。
『いまメリルと試食会しているのでそこで話しましょう』と。
もちろん俺は急ぎその場へ向ったさ。
だってさ、試食してるものが【たこ焼き】なんだぜ?是非とも食いたいじゃないか!
「たぁーこぉーやぁーきぃーくれぇい!!」
メリルの露店へつくなり俺は叫んだ。周りのプレイヤーは何事か!?と吃驚してこっちを見ていたが俺はそんなことは気にしない。今はたこ焼きのほうが大事だ!
『もうヒロ!そんな大声で叫んで恥ずかしいじゃないの!……もうすぐ焼けるから良い子にして待ってなさい』
「イエス!マム!」
ヒロがその場にきっちりとお座りするとメリルは呆れながらたこ焼き作りを始めた。
ハヅキはそんな俺を見て大笑いしているがそんな笑っている顔も可愛いよ!?
「う、うぅまぁいぞぉぉ!」
メリルの作ったたこ焼き(材料は南のモンスターのキラーオクトパスだ)をバクバクと食べながらヒロが叫んでいる。
『私もさっき食べたけど凄くおいしいよね。現実側ではたこ焼き食べたこと無いんだけどちょっと興味が出てきてしまいました』
なんですと?ハヅキさんは美味いたこ焼きを食べたことが無いと?チャンスだ。こ、これは誘うしか無いだろう。
「そんじゃあハヅキ今度おいしいたこ焼きを一緒に食いに行こうぜ?」
俺がそんな事を口にしたらハヅキは突然の事に驚いたようで
『え?あの、それは現実側でってことですか?』
「オフコース!嫌じゃなかったらだけど、現実のハヅキと一緒に食べに行きたいな」
ふっ、なんていいタイミングで切り出した俺。ほめてやるぜ。
だがしかし、運命は俺に味方しなかった……。
『あの、ごめんなさいヒロさん。お誘いは凄く嬉しいのですけど、現実で会う自信がなくて……』
ガッデェム!ショックのあまり俺は天を仰いだ。
『でも私に自信がついたらご一緒しましょうね』
これってやっぱ遠まわしに自信がつかないと思うから無理ってことっスよね。グススンスン。(鼻を啜る音)
『はぁ、ヒロもハヅキもラブコメってないで食べなさい?たこ焼き以外にもあるんだからね?』
見兼ねたメリルがフォローしてくれたので多分残念な空気は霧散した……と思う。
試食会を終え露店で売るときの値段決めも終わった所でヒロは本題を切り出すことにした。
「あ、二人に手伝ってもらいたい案件があるんだ。ハヅキは朝一緒に行動したから話を聞けば理解してもらえると思うんだけどさ、この先のフィールドや色々なダンジョンに他のプレイヤーじゃ探索できないレベルの水場が幾つかあるらしくてその探索を手伝って欲しいんだ。
俺が頼まれたことを二人にお願いするのはどうかと思うんだけど、俺一人じゃ厳しくてな。二人はイベントのおかげ?で水中行動に慣れてるしかなりの即戦力になるんだ」
『生産の時間を取れる様に調整してくれるなら構わないわよ?戦闘スキルも育てたいしね?』
『私もメリルと同じ意見です。私の場合は攻撃スキルが乏しいですから護衛が必要ですが』
二人はあっさりと了承してくれたので更に空と決めた細部まで説明し理解してもらえた。
ヒロは二人にお礼を言い日付が決まったら連絡するとだけ行って突発参加した試食の代金を支払い露店を出た。
17時45分
その後夕食まで時間があったのでサイトで調べた【音魔法】への派生を狙うべく
魔法スキル【風魔法】と水中では発動することは可能だが実際には役に立たない技術スキル【気配察知】を習得した。
スキルポイントにはまだまだ余裕がありネットで【ソナー】について調べた際に目に留まったモノがスキルリストにあったのでその技術スキル【地形調査】も習得。
続けて鑑定スキルがLVMAXだったので上位の【看破】へランクアップさせたあとスキルの整理をした後ログアウトした。
ステータス
名前 ヒロ
性別 男
種族 トリトーン(魚神の僕)
体力 390(150+40+200)
精神力 350(80+70+200)
攻撃力 102((25+26)x2倍)
装備
武器:サハギンの槍
頭:なし
体:ウェットスーツ
足:ヒレ(着脱不可)
アクセサリ1:ウロコのブーストリング
アクセサリ2:フェスティバルリング
(武)中級槍技能LV11
(魔)中級水魔法LV11
(技)水泳 LV37
(技)水中呼吸 LV37
(技)潜水 LV33
(技)鑑定LVMAX→看破LV1 ※new
(技)同化(水)LV33
(技)地形調査 LV1 ※new
(技)気配察知 LV1 ※new
(魔)風魔法 LV1 ※new
控えスキル:(技)船舶LV1・(技)波乗りLV1・(生)生け簀LV1・(技)方位知覚LVMAX・(生)釣りLV11・ (特・技)統率 LV8
(技)採取 LV25
所持スキルポイント:15→8
武器スキルの場合 偶数レベルごとに攻撃力2~3上昇
魔法スキルの場合 偶数レベルごとに精神力+5
技能スキルの場合 5LVごとに体力または精神力が5上昇
生産スキルの場合 奇数LVごとに生産性効率や品質に上方修正
特殊スキルの場合 5LVごとにランダムでステータスが5上昇
称号:臣下にすら認められない魚神(笑)・初めての魚神島発見者




