表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/145

第129魚 4月30日~6月1日⑪

いつもより短いです。その代わり次の更新を可能な限り早くしたいと思います。

 空帝魔城の城門前にいた門番モンスターはベルとスクルドの二人がアッサリと倒してくれたのでそのまま門から侵入を果たした。その戦いぶりは見事なもので門番の死角から一足飛びに飛行して接近し、その速度が乗った状態で剣やら斧で相手が準備を整える前にぶった切るという見た目的にもすごいものだった。


 「ベル達ってやっぱ強いんだな。最近一緒に行動する機会っていえば船の上と海とダンジョンだけだったから正直ここまで強いとは思ってなかったぜ」

 『そうでしたか?まあ私達の場合、天乙女ワルキュリアへ種族進化してから能力全体は上昇したものの海エリアでの行動ペナルティが追加されちゃったからどっちが良かったのかは微妙な所なのだけどね』


 ふむ……神に属する種族といえどやはり完全無欠の種族ではないという事なんだな。まあベルたちはまだ1回目の種族進化だからこの先はわからんだろう。

 それより俺だよ。俺も種族進化の道程を大分飛ばしたはずの海神の系譜なのにマイナスペナルティがなくなる気配がねぇし。称号でいくらペナルティ軽減されてても無意味だってぇの。



 『ハッ!!魔物の反応を感じるっ。みんな隠れて!』

 『えぇ~!戦いたいよぉ!』


 ベルが気配察知に反応し、素早く指示を出す。スクルドはブーブーと文句を垂れるが、この行動もベルの【号令】スキルあげに役に立つ行動なのだ。俺は小柄なスクルドを諭し手を引くと物陰へ連れ込んだ。……その際なぜかハヅキに睨まれた気がしたが気のせい……だよな?



 俺達の横を通り過ぎたのは、空竜と呼ばれる青い鱗に覆われたドラゴンの一種。ここでふと海の魔物以外に神眼を使った事って無いと思い当たり調べてみると……



 空竜  種族:ドラゴン  状態:徘徊型/対象ロック済

  体力 78000/78000

 精神力 36800/36800

 攻撃力 3900


 ドロップアイテム:竜の鱗・竜の爪・竜の血・竜玉

 弱点:首の下にある逆鱗・生え変わったばかりの背中の角



 むぅ、既にこっちをターゲットしてるみたいなんだが?

 だがまあ、強さは大した事ないな。ドラゴンて言うからもっと強いのかと思ったのに。



 「ベル、スクルド、ハヅキ。空竜は既に俺達の事に気づいているぞ」

 『そう……みたいね。今目が合ったわ』

 『ヒロさん、私っておかしいのでしょうか?見た目は怖いはずなのに看破した結果が海で遭った魔物より弱くて安心しちゃってます』


 だよなー!俺もついさっきそれ思ったし。ドロップアイテムも今更欲しくてたまらないというものでも無さそうだし、俺が薬を使うまでもなく倒せそうな気がするんだよなぁ。

 とりあえず神眼で見極めた弱点とかステータスとかを全員に説明したところ……


 『よぉーっし!私が倒してきてあげるよ~!』

 『ち、ちょっとまちなさい。スク!一人じゃ危ないから手伝ってあげるわ』


 相手の弱点の正確な位置が分かりそれなら倒せる!と息巻くスクルドにベルからストップがかかる。

 だがその理由は言葉通りの意味じゃないことを俺は知っている。なぜならベルの眼つきもスクルド同様獲物を見つけた狩人のようになっているからだ。こりゃ完全にスクルドを妨害して一人で倒す気だな。

 ベルよ姉としてそれで良いのか……。いっちゃなんだが大人気ないぞ?


 『もぉ~、おねえちゃん。私一人で大丈夫だってばー』

 『そうは行かないわ。可愛い妹が怪我したら大変だもの。だからスクは私の闘っている私の補助をしてくれたら良いのよ』

 『やだっ!私がやるったらやるのっ!』

 『おねえちゃんの言う事を聞きなさいっ!』

 『やだっ!』


 という事で姉妹喧嘩が勃発。しかしこの間にも空竜はこっちに来ているわけで……


 『があぁぁぁぁぁっ!!』

 『『五月蝿い(わね)っ! 邪魔 (だ)よ、トカゲッ!』』



 空竜が身近にいた二人に襲い掛かったが、喧嘩に夢中の二人が繰り出した攻撃がピンポイントで逆鱗に命中し、あっさりとその体を粒子と変えてしまった。しかもその事実を二人に認識すらされていなかった。

 おい、こら空竜!お前何しに来たんだよっ!?


 『大体スクはね、昔から……(クドクド)』

 『そういうお姉ちゃんこそ都合の良いときばっかり……(グチグチ)』


 『あれ?空竜は?』


 言い争う二人が正気に戻ったのは空竜が倒された10分後の事だった。




 その頃魔城内……



 『ふむ、ヒムラに続き空竜もやられたか……。侵入者もなかなかやる……』


 玉座に座るガザルファスは外の様子を見ながら呟いた。


 『だが侵入者達がここに来る事はあるまい。城内の鉄壁の布陣の前に侵入者達はその体を散らす事になるだろう。ふはははっ!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ