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第121魚 4月30日~6月1日③

無事?愛犬を送る事ができ、気分も上昇傾向にあるので、少しずつ更新して行こうと思います。いまだ不定期更新が続くと思いますがヨロシクお願いします。

 翌日の5月3日昼過ぎ。俺とハヅキは昨日と同じく《シンドラ海底火山》に来ていた。……いや、今回は2匹ほど別のが付いて来ている。というのも昨日の夜食時に、美雪ねぇと話をした時、ペア以外にもペットを連れてダンジョンボスを攻略したけど報酬に変化は無かったというような事を言っていたからだ。


 『パパさん!今日はここで遊ぶんだね!』

 「そうだ。俺達がこのダンジョンをクリアして報酬が手に入るかどうかを確かめておきたいからな」


 俺と一緒に行動が出来て嬉しそうなタルトの声に答える。ヤトはと言うと、ハヅキと話が弾んでいるみたいだな。ハヅキの意思疎通スキルも、イベントが始まるまでの数日間も戦利品を売りに来た時に、人型になったタルトや、まだ形態変化の出来ないヤトを連れて来ていた為、簡単な会話をできる程度には上がってきているようで、何かと話す機会が増えてきている。



 というのは建前で、ハヅキがこのスキルをあげている理由は他にもある。そう、ハヅキのペットのことだ。つい先日、バザーにおいて300万Cもする【謎の卵】が売り出されたのだが、それを購入したのがなんとハヅキだったのだ。


 『あのですね?ビビッと来たんです』


 ハヅキに聞いた所、このような返答があった。ビビッと来るのはいいんだけど、この時、ハヅキの即断即決の価値観を垣間見た気がする。ちなみにハヅキ、君のペットはまだ魚神島の棺にすら入れてないじゃないか……。さすがに気が早過ぎやしないか?

 そんなことがあり午前中は謎の卵を魚神島の棺に納めに行った為、今日のダンジョン進入は昼からとなったわけだ。




 「今日はダンジョン攻略をメインとするから採掘は程々にしてくれよ?」

 『!?あ、安心してください。昨日あれだけ集めたんですから今日はそこまで必要ないですよ』


 3階まで降りた所で自作のツルハシを取り出したハヅキを見てヒロが一言物申すと、ハヅキは少しだけ目を泳がせながら取り出したばかりのツルハシをアイテムボックスに戻していた。

 昨日は2層で採掘をして戻った為、、この3層には足を踏み入れていない。ヒロ自身もここには下見に来た事があるが3層まで降りた所で引き返したのだ。断じてめんどくさかった訳じゃないぞ?



 毎回構造が変わるこの《シンドラ海底火山》ダンジョンだが、場合によっては下層への道が一直線だったりすることもある。そして今回タルトがいるのでこういったランダムダンジョン探索は楽だ。タルトの持つ【地図記憶】から進化した【地図製作】により階段までの順路などが手に取るように分かる。

 ……【意思疎通】があるからこそできる事なんだけどな。



 『パパさん。北西方向に4層への階段がありますが、そこに行くには北東方向から北方向に回り込むように進まないとたどり着けません』


 人型となったタルトが流暢に話す言葉に耳を傾けながら、前方などから来るカタツムリっぽいモンスターを叩き潰していく。やはりこの辺のモンスター程度ならタルトにとっては魔法を使うまでもないのだろう。


 『マスター。暇です。何かご命令を!』


 タルトが張り切って進行方向のモンスターを倒していくので、ヤトが耐え切れなくなり指示を求めてきたのだ。だが、ヒロとしても指示を求められてもどうしようもなかった為、次の4層では思いっきり暴れてきて良いというとヤトは喜んでいたのでこれでいいだろう。


 『ヒロさん。もうすっかり2人の扱いに慣れてますね』

 「まあ基本3人で行動することが多く、互いの性格も把握しているからな」


 ヒロ達も戦闘に関してはやることがなくなってしまったので暢気に喋りながら採掘や採取を行っている。


 「しかし、さすがにタルトが張り切りすぎてる気がするな」

 『そうなんですか?通常のタルトちゃんたちの事を知らないので私にはどうも答えようがありませんけど……』

 『恐れながらマスター!タルにぃはハヅキ殿がいらっしゃるので張り切っておられるのだと思います。いつもは我ら2体とマスターだけでしたので新しい方がいらっしゃるとそれだけでテンションが上がるのです』

 「なるほど?そう言われてみればタルトが、チラチラとこっちに視線を向けているような気がしないでもない……か?」


 実際、タルトはある程度のモンスターの群れを倒すとヒロ達(というかハヅキ?)の方に振り返り、鼻息を荒くして褒めてとばかりに視線を向けているように見えなくもない。


 『えっと……ヒロさん。タルトちゃんを褒めてあげてもいいですか?』

 「あ、あぁ。ヤトの言う通りだとすると、さらに頑張って俺達が暇になりそうだけどな……」

 『あはは。……タルトちゃん。すごいすごーい。かっこいいよ~』


 ヒロが了承したことで、丁度こちらに視線を向けたタルトに向けてハヅキがここぞとばかりに褒めちぎると、ヒロの予想通りタルトはさらに殲滅速度を上げ、4層への階段前に陣取っていた中ボスのような存在もあっさりと亀形態になり押しつぶしてしまった。


 ……中ボスがどんなやつか見る前に終わってたのが残念でならん。




 4層に入ると約束どおり選手交代となり、タルトが下がりヤトが前に出た。タルトの鉄壁の布陣と違いヤトの場合は熱源探知や嗅覚探知などの探知スキルを使用し、反応があり次第ヤトがそちらへ出向き暗殺していくというスタイルだった。このやり方だとヤトが離れている内に襲ってくるモンスターの相手をする必要が出てくるが、そこはまあ良い暇つぶしになるので問題ない。そう言った点からヤトは魔法のような広域攻撃方法が無いのが悔やまれるな。

 ヒロがヤトの攻撃について考えている間、ハヅキとタルトは仲良くおしゃべりをしていた。


 『ねぇ、ハヅキさんはパパさんと一緒にいたいって思える?』

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