序章
始めまして!
ショートショート作品をできるだけ長く続けたいと思い
このようなものを書いてみました。
感想など文章でいただけるとやる気が出るはずですのでどうかよろしくお願いします。
突然だが仮想現実大規模多人数オンライン【空と海と大地のフラグメント】というゲームがある。
このゲームはプレイヤーがモンスターとの戦闘などを経て自己を強化し、【空の陣営】、【大地の陣営】、【海の陣営】と分かれて月に一度開かれる【奪陣武闘祭】で覇を競いあう。戦いに勝利すれば倒した陣営から資源を奪い自陣の強化を図るという一種のPV、PKを可能としたMMORPGである。
プレイヤーは初期設定でアバターを作成し、チュートリアル終了後に陣営を選ぶことになり、ここで決めると課金アイテムを購入しない限り陣営の変更はできなくなるので注意が必要だ。
この物語はとある男が陣営に関係なく自分のやりたいことだけを貫いた冒険記である…らしい。
「いよっしゃ~~。念願の【空と海と大地のフラグメント】を手に入れたぞ!」
時は20××年の年末間近の12月22日。
他より早めの学校の終業式が終わり走って向かった商店街のとある店の前で大声を上げたのは俺、海島洋17歳高校生だ。
『ふっ。→殺してでも奪い取る!』
そういい俺の手からソフトを奪い取ったのはクラスメイトで親友の雲井空だ。
こいつとは幼稚園の頃からの腐れ縁でよくつるんでいる。
「うわぁ!空!てめー、人のモン盗るなぁぁぁぁ!」
『くっくっく。洋のものは俺のもの。俺のものも俺のものなのだよ!』
発言を聞いての通り、実は空はものすごく残念な親友である。
「俺のは俺んだ!第一空はこのソフト昨日届いたーって浮かれてたじゃねぇかよ!かえせぇ!それともなにか?美雪姉ぇにでもチクってやろうか?」
『ぎゃぁ!?返すから勘弁してくれ!美雪さんに嫌われるぅぅ』
今出てきた美雪姉ぇとは俺の2つ上の姉貴でありかなり美人の類になり、なにを隠そう空は姉貴にホの字なのである。
俺は空の手から【空と海と大地のフラグメント】を取り返し一安心し
「とうとう明日からサービススタートなんだな。今から楽しみで仕方ないわー」
発売前情報は俺と空がそれぞれ集めていて、陣営をどうするかなど既に話し合っていた。
『そうだなぁ…で、洋~。明日だけど待ち合わせどうするよ?』
「ん?あぁ、態々明日に待ち合わせなくてもいいだろ?どうせ明日はサービス初日で狩場が混んでるんだしさ。だからあえて待ち合わせは正式サービス開始3日後にしようぜ?」
『何故に3日後?』
「3日あれば狩場も空くだろうし、落ちついて狩くらいできるだろ?
俺は狩よりもクエストの昇華をしておきたいからな。微々たるモンだが経験値も入るらしいし」
『おいおい。そんな悠長な事言ってたら、3日後には俺とお前のスキルには大きな差がついてることになるぜ?いいのかよ?』
「そうなったらそうなったまでのことだろ?フレンド登録しかしないのだしきにするな。
お前はいつもどおり廃の道を進めばいいのさ」
このゲームは、スキル制のゲームで普通のRPGのような数字で現れる経験値は存在しない。
俺が経験値といったのは正確にはスキルの熟練度ということで戦闘などをして使用した内容のスキルが戦闘中、戦闘後問わず成長していくというシステムなのである。
ステータスなども体力と精神力のみで表示され対応した数あるスキルを成長させることで最大値が伸びていく。(ようするに腕力(STR)や命中率(DEX)などのステータスは存在しない)
『ならサービス開始3日後にはじめの街の広場に集まろうぜ。時間はそうだな後でメールで知らせるよ』
「了解だ。んじゃ、俺は帰るよ。またな!」
『またな~』
こうして俺は空と別れて家路に着き、帰ると大学から帰ってきていた美雪ねぇに【空と海と大地のフラグメント】の入手できたのか聞かれることになり、ちゃんと入手できたこと、ついでに空との待ち合わせなどのことも話しておいた。
美雪ねぇが何故そんなことを聞いてきたのかはこの時は分からなかったが後ほど驚くことになる。
他作品と同様
あとがきにステータス表示予定です。