【第1話:変わるしかない組織】
これはフィクション。勝手に書いて怒られたら消す。頑張ってる姿を想像で書いてみる。むしろ応援。
春先のミーティングルームに、やわらかい静けさが流れていた。
テーブルに並んだ資料と、幹部たちの視線。
誰も声を上げないまま、今月の数字と向き合っていた。
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この組織には特徴がある。
幹部たちは全員、キャストとしても現場に立っている。
つまり「自分の売上」と「店全体の数字」を、両方背負っている。
さらに、会社という大きな枠組みの中で、
自分だけでなく“組織全体”の成果を見なければならない。
今の自分が何を生んでいるのか──その視点が求められる立場だ。
だが現状、そこに届いている幹部は、まだほんの一部に過ぎない。
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レナは社長。
実績もあり、周囲からの信頼も厚い。
けれど、責任という言葉の重みは想像以上で、
社長としての覚悟と個人としての不安が、いつも静かにぶつかっていた。
広報のカノンは、キャスト引退後にこの会社へ。
現役ではない分、全体を見る冷静さと伝える力がある。
発信力の高さは群を抜いているが、手応えはまだ掴みきれていない。
店舗を支える三人の店長たち──
ミユは見た目の強さと内面の弱さのギャップに苦しみ、
リリは真面目ながらも自信を持ちきれず、
ナナはまだ“仕事を任されないこと”に安心している段階にいる。
彼女たちは今、“変わる前の静けさ”の中にいる。
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数字や立場は口に出されない。
だが、誰もが気づいている。
それぞれの実力には差があり、
その差は、“言わずとも伝わる空気”として存在していた。
組織の中には、幹部ではないが結果を出しているキャストもいる。
それが、幹部たちに静かな焦りを与えていたことを、
誰も言葉にはしなかった。
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この会社には、仕組みがある。
頑張った分が、きちんと返ってくる。
その“報われる構造”は、整ってきている。
でも、それが自分に回ってくるかは──自分次第。
何を見て、どう動いて、どこまで本気でやれるか。
ただそこに立っているだけでは、
変わらない。
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火がつく瞬間を、誰もが待っていた。
それが、自分になるのか。
それとも、誰かに先を越されるのか。
その分かれ道が、今この場にあった。