四話 別の小人に会いました
四話 別の小人に会いました
「エスパーダって……能のお兄さんの彼女?」
目の前のエスパーダに驚いている。だが小人を初めて見た驚きとはどことなく違っているように感じた。多分小人に遭遇した事があるのだ。
「ううん、彼女からフィアンセにランクアップしてるよ」
エスパーダは指輪を誇示した。
「逆バニー着て撮った写真が問題になったって聞きましたけど」
初対面の人に過去を言われて、エスパーダはしょげた。そして能に殺気を放つ。
「能ちゃん、覚悟は出来ているのかな?」
「ホントの事じゃん」
「他人に言うなって言ってるの。恥ずかしいんだから」
「言っちゃったもんは取り消せないしねえ」
悪びれる様子もない能に対し、エスパーダはスナイパーライフルを組み立て始めた。
「ごめんて」
「就君も言ったらただじゃおかないからね」
組み上がったスナイパーライフルの銃口を就に向けた。
しかし就はあまり怖がった様子を見せず、「言わないですよ」と普通に返された。
「お義姉様は私の作った逆バニーを着たんだよ。お金ももらってるし、顧客も他にいる」
ライトハンドとレフトハンドの事だろう。こんな時にマウントを取るとはと要は呆れた。
「小人は何人もいる?」
どうやら就は小人が多数いる事に驚いているようだ。
「いるよ。世界に十四億人ほど」
エスパーダの答えにさらに驚いていた。
「そうなんだ。あいつが嘘ついてるだけなのかな」
就は自分の持っている情報に自信がないようだ。
「私、嘘つかないもん!」
就のスーツのポケットから声がした。若い女性の声だ。
要達が注目すると就はテーブルの上に新たな小人を置いた。エスパーダや能よりも、彼女は若く見え、セーラー服を着ていた。