エピソード5 王子との結婚は義務。でも、大ヒット作を出すのが夢なので負けません
この作品は、今日中に完結します。
8時、12時、16時、20時、23時に投稿です。
その日の晩、アイラは自宅の夕食の席で、少し父親から怒られていた。
夕食の席には、太って頭の禿げた父親のドルファス。
美人で優しそうな母親マーリーン。
そして、アイラ以上に生意気そうな妹のセシリエッタが座っている。
父親のドルファスは、元は大成功した商人で、金で爵位を買った男だ。
母親は、政略結婚で貧乏貴族から嫁いできた苦労人。
妹は、髪色や顔付きがアイラそっくりな、勝気な14歳の少女だ。
「おい、アイラ。お前、2回もオリバー王子の誘いを断ったらしいじゃないか。確かに今の王家は、うちよりも金が無い。しかし、オベロン家が権力を握る為には、王子との結婚は必要だ。小遣いなら、幾らでもやるから、もっと自覚を持って行動してくれ」
ドルファスは、アイラに釘を刺す。
「は、はい」
アイラは、生返事をした。
『分かりやすい悪役令嬢の父親。まあ、娘には優しいんだけどね』
彼女は、アイラの記憶を思い出しながら考える。
「ねえ、セシリエッタ。あんたが、オリバーと結婚しない?でも、私を追放しないでね。私も、断罪とかしないから」
アイラは、セシリエッタに言った。
「は?何言ってんの。わけわかんない。最近のお姉さま、何か変よ?」
セシリエッタは、顔をしかめる。
「結婚は、18歳になって学校を卒業してから。あなたがゴリ押しするから、もうアイラがマリッジブルーになってしまったんじゃないですの?」
マーリーンは、ドルファスに意見した。
「うーむ、言いすぎた。しかし、あまり王子を困らせるではないぞ。破談にはならないように気をつけなさい」
ドルファスは、それ以上は文句を言うのをやめた。
『本当は、結婚なんてぜずに、ずっとこの家で作家活動したいんだけどな』
アイラは思ったが、口には出さなかった。
「よーし!今晩も、この世界の小説を読みまくるぞ」
寝巻き姿になったアイラは、ベッドを抜け出してテーブルのランプを灯す。
テーブルの上には、沢山の小説が積み上げられている。
「美少女の筆友に、イケメンの創作仲間が二人。もしかして、今の私、リア充かも!?」
彼女は、今度こそ名作を書くべく目を輝かせていた。
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