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エピソード2 不良王子に美少年王子!?イケメンと話したりするなんて無理!買い物デートも絶対無理!

この作品は、今日中に完結します。

8時、12時、16時、20時、23時に投稿です。

 放課後、アイラは、学校の喫茶室で取り巻き達に囲まれて、お茶をしていた。

 喫茶室は予約制で、いくつか用意されていたが、この部屋はアイラ専用になっている。


『現実世界では、ネット以外で友達なんかいなかったけど、こちらでは難なくゲット!悪役令嬢最高だわ』


 アイラは、紅茶を飲みながら思った。

 取り巻き達の口から出るのは、アイラへの賛辞と、他の令嬢への陰口ばかりだった。


『そういえば、他の人の陰口とか言った事ないな。だって、他の人と関わりが全然ないんだもん。言う友達もいなかったし』


 アイラは、ぽかーんと口を開けて、空を見つめながら思う。


「アイラ、ここにいたのか」


 ノックの後、取り巻きの一人がドアを開けると、そこには黒髪で切れ長の涼しい目をした長身で、黒いスーツを着たイケメンが立っていた。

 彼は、アイラに声を掛ける。


「アラン様、ごきげんよう」


 取り巻き達は、立ち上がって頭を下げる。


「あ、ああ?」


 アイラは、座ったまま固まった。


 この男は、ティターニア王国の第一王子アラン。

 側室の息子なので、王位継承権はアイラの婚約者、第二王子オリバーの次だ。

 王位を継げないので、既に辺境伯としての地位を与えられている。


 学校では、アイラの1つ先輩の17歳で、文武両道の優秀な生徒だが、その生まれのせいか口が悪く、粗暴だと思われている。

 何故かアイラとは馬が合って、数々の悪事を一緒に働いてきた。

 二人は、AAコンビと呼ばれ、その美貌から逆にファンも多かった。


「どうした?体調でも悪いのか?」


 口を開けたまま固まるアイラを見て、アランは、いぶかしげに見つめてきた。


『やばい!学校一の不良だ。NTRされる!田舎で一生、畑を耕す生活になる!!』


 アイラは、ガタガタと震えだす。


「い、いえ、結構ですので…」


 アイラは、か細い声で、適当な返事をした。


「なんだ?弟の婚約者に声をかけて何か問題でもあるか?心配してやっているんだぞ」


 アランは、少し不機嫌になった。


「ま、間に合ってまーす!」


 アイラはそう言い残すと、部屋から走り去った。


「変なものでも食べたのか?おかしな奴だ」


 アランは、あきれた顔で見送った。


『駄目だぁ、あんなイケメンと話した事、一回も無い!まともに喋れない!ていうか不良とか絶対無理ぃいいい!!』


 アイラは目をつむり、ドレスのスカートをつまみながら、廊下を走っていく。


「どーん!」


 アイラは、誰かと凄い勢いで、ぶつかった。

 思わず廊下に倒れ込む


「あいたたた、すみませぇえん・・・」


 彼女は、情けない声を出した。


「おお、私のアイラ。大丈夫ですか?」


 ぶつかったのは、金髪で青い目の美少年だった。

 アランよりは、少し背が低いが、すらっとしたスタイルのいい男だ。

 身分の高い者が身に付ける、白い儀礼用のスーツを着ている。


 彼は、アイラの婚約者、第2王子オリバー。

 学校では彼女の同級生で、武術以外は兄より成績優秀だ。

 その優し気な物腰で、学校中の貴族令嬢に大人気。

 アイラとのカップルは、羨望の的だ。


 彼は、手を差し伸べ、アイラを助け起こす。


「さあ、今日は約束通り買い物に、お付き合いいたします。先週は、あまり資金を用意出来ず、お気に召すものを購入出来ず、申し訳ありませんでした。今日は、倍額の金貨1000枚を用意しました」


 オリバーは、そのままアイラの手を引き寄せると、彼女の瞳を見つめながら言う。


『金貨1枚1万円ぐらいの価値だったはず。それを1000枚って、1000万円!?元のアイラの馬鹿!何、我儘(わがまま)言ってるの?』


 聞き慣れない額に、頭がくらくらするアイラ。


「参りましょう。馬車を待たせています」


 オリバーは、さっとアイラの腰に手を廻してエスコートする。


「きゃ!」


 アイラは、小さく悲鳴を上げると、我に戻る。


『買い物?私、コンビニすら一人で入った事ない。毎回、親と一緒。それなのに、男の人と買い物なんて無理!これってデートでしょ!そんなリア充ムーブ、恥ずかしすぎて無理ぃいい!!』


 アイラは、顔を真っ赤にして思った。


「あ、無理なんで、王子が選んで買ってきて下さい」


 アイラは、ビジネス口調で淡々と言うと、そそくさと去っていった。


「二回連続フラれてしまった。この私に何か落ち度が?」


 そう呟くと、オリバーは茫然と立ち尽くす。




「まあ、お可哀想なオリバー王子」


「さすがアイラ様、2回もオリバー王子を袖にするなんて」


「アイラ様は、既に女王の風格をお持ちだ。将来は後宮を支配して、大きな権力を握るだろう」


 周囲にいた貴族の生徒達が、ひそひそと噂話を始めていた。

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