ちょっとだけサンタクロース
サンタクロースさんは、どうやってプレゼントをくばっているのでしょう。
サンタクロースの正体がわかってしまうかも。
……知りたくない人はすぐに引き返しましょう。
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サンタクロースは、____さん かもしれない。
そう思ったあなたへ。
クリスマス。
サンタクロースさんは、世界中のこどもに、プレゼントを届けます。
むかし、むかし。
サンタクロースさんは、ひとりで、プレゼントを届けていました。
こどもが少なかったので、サンタクロースさんだけで、みんなに届けることが、できました。
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だんだん、こどもがふえてきました。
サンタクロースさんひとりでは、プレゼントを届けるのは、たいへんです。
ある人が、言いました。
「サンタクロースになりたい!」
サンタクロースさんは、びっくりしました。
「サンタクロースになって、プレゼントを、届けたい!」
サンタクロースさんは、とてもうれしかったので、その人にききました。
「手伝ってくれるかい?」
「はい!」
サンタクロースさんに、仲間ができました。
「それでは、きみに、魔法をかけよう」
サンタクロースさんは、その人に、“サンタクロースになる魔法”をかけました。
魔法にかかった人は、クリスマスの時だけ、サンタクロースになります。
いっしょに、こどもたちに、プレゼントを届けます。
こどもたちみんなに、届けることができました。
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それから、たくさんのクリスマスが、すぎていきました。
サンタクロースさんには、新しく、困ったことができました。
「新しいおうちにいるこどもに、プレゼントを届けるのが、たいへんだ」
そうです。
今のおうちに届けるのは、サンタクロースさんでもむずかしいことです。
サンタクロースさんは困りました。
これでは、こどもたちにプレゼントを届けることが、できなくなってしまいます。
「同じおうちにいる人が手伝ってくれたら、プレゼントを渡せるのに」
サンタクロースさんはひらめきました。
「みんなに、ちょっとずつ手伝ってもらおう」
そして、クリスマスが近づいた日。
サンタクロースさんは世界中に、“サンタクロースになる魔法”を、ほんのちょっとずつ、かけました。
ほんのちょっとのサンタクロースになる魔法にかかった人は、ちょっとだけサンタクロースになります。
ちょっとだけなので、見た目は変わりません。
ちょっとだけなので、たくさんのこどもにプレゼントを届けることはできません。
でも、ちょっとだけサンタクロースは、近くにいるこどもや、同じおうちにいるこどもに、プレゼントを届けられます。
サンタクロースさんは、ちょっとだけサンタクロースに、プレゼントを届けることを、おねがいしました。
みんなに、届けることができました。
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もし、あなたにプレゼントをくれたのが、____さんだったら、
その時の____さんは、ちょっとだけサンタクロースです。
そう。
クリスマスにプレゼントをくれるやさしい人は、みんな、サンタクロースになっているんです。
____さん のところは、それぞれ、思う相手を入れましょう。
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ずいぶん前に思いつき、
いつか子どもが、サンタクロースのことを聞いてきたら話そうと思ったことを、
私なりのお話としてまとめました。